会山行紀行文 2020年
5/7(木)
晴れ
(にしかんさんぜん)
西蒲三山縦走

634m(弥彦山)
参加者 (紀行文) 2315 S/T
単独
(男性1名) (写真) 2315 S/T
≪コースタイム≫
国上山登山口(6:00)…国上山(6:25)…雨乞い山(8:16)…弥彦山(9:55)…多宝山(10:50)…角田山(16:00)…稲島下山口(17:05)
≪紀行文≫
〜〜〜初心者古希オーバー72歳 省エネゆっくり西蒲三山縦走〜〜〜

 「初心者古希オーバー72歳 省エネゆっくり西蒲三山縦走」と言うのが副題になるだろうか。

 コロナ禍の中迷ったが3年来の気がかりだった西蒲三山縦走にチャレンジした。
 楽山会に入る前の17年に国上山から多宝山まで歩いたことがあり、その時は多宝山から下りて樋曽山の登山口が分からずに中断したが、いつか角田山まで歩き通したいと思ってきた。
 その後楽山会に入会したものの、膝痛や足首痛のため申し込んだ会山行をキャンセル2回、実際に参加できたのがわずかに4回しかない。
 その山行のなかで膝痛のことを歩きながらある方に話したら、膝痛をある整形外科で治した人がいるときき、その方に病院を紹介してもらって
通った。
 元々膝痛改善のためにウォーキングを始めたのが山に行くきっかけだったが、当時の医者には加齢のせいといわれるだけで一向に直らなかった。紹介された病院で教えられたのは膝周りのストレッチだった。ここはスポーツをやる人がよく行く病院らしくて、「年相応だから」とは決して言われなかった。
 自分でストレッチをやるうちに徐々に膝痛が改善してきたと思ったら、今度は足首痛。足回りが固くなるせいで痛みが出るとのことで、これもその病院で教えてもらったストレッチを続けるうちに改善してきたので、今年3月末から歩き始め、初めは国上山を半分だけ、次は山頂までと体調の様子を見た。
 一年ごとに否応なしに足腰は弱くなる、3年前ほどから登りだしたばかりだから尚更。来年はできないかもしれない、行けるうちにと、自粛を言われている中再度西蒲三山縦走を計画した。
 私にとっては「決行」と呼ぶような思いきったものだったが、無事一日歩き終えることができた。

 会山行の記録を見ても10時間以上の長丁場、膝と足首のこともあるし省エネでいくことにした。
 剣が峰、黒滝城跡、樋曽山から多宝山間の沢沿いの道(会山行でみかけた)などはパス、最初は30分で体の様子を見て、以後は1時間で10〜15分の休息は守ること、タイムは二の次で歩幅を小さく、を目標にした。
 が、それでも樋曽山中盤からは疲れが出て30分で休まなければならないときもあった。
 またコロナ禍なので、すれ違いが予想されるところは迷惑にならないようにマスク、そうでないところは腕にタオルを巻いてすれ違う際は腕のタオルを口に当てることにした。無愛想だが頭を下げるだけで挨拶はなし。

 朝6時、国上山を登り初めて先ず気がつくのが新緑で、朝のさわやかな空気の中まぶしくて明るい気分にさせてくれる。

 剣が峰の下みちをゆくと至る所に花火が開いたような真っ白い花の群生。
 山の斜面に、道の両側に、谷沿いにも白く帯となって下っている。

 足もとのカタクリなどが姿を消した春の終わりに今が自分の時とばかりに咲き乱れている。
きれいな新緑です
 花火が開いたような白い花 谷を下る白い花の群生

 猿ケ馬場峠へ向かう道に入ると、キンポウゲ(だろうか)の花が道の両側と少し斜面になったところに一面に咲き乱れているところがある。
 私が前回通ったとき勝手に「秘密の花園」と名付けた場所で、今回も出会えるかと楽しみしていた。
 山の花はどれもそうだが、環境が厳しくても、多くの人に愛でられなくても、自分が咲くときが来れば花をつけ子孫を残していくけなげさを感じる。
キンポウゲ(?) 私の”秘密の花園”
 
 弥彦山頂では人がほとんどいない。
 山頂では2人の登山者、すれ違う人も数名。、ロープウェイが休業しているせいでいつもはごった返す乗り場付近も人けがない。

 多宝山にむかうあたりから雲が濃くなってきて、佐渡の姿も見えなくなってきた。
 予報は晴れだがこれは少し危ないと思い始める。

 多宝山の頂上から弥彦をみると海から黒い雲が弥彦山に襲いかかるように流れている。

 雨が落ちないうちにと昼食終え早々に下る。しかし、幸い午後は雲はなくなって雨の心配はなくなった。
   弥彦ロープウエイ駅付近

 歩き始めて6時間半、疲れがでて樋曽山の登りがきつくて足に痙りがでた。
 シャクヤク甘草を持参しなかったのを後悔したが、平坦な道にでたらなんとか直った。
 小さなアップダウンで割と平坦な樋曽山通過だが2時間近くかかり、ここはきつくなっていた。行けども行けどもという感じで、五ケ峠が遠く感じられてならない。
 まるで終息が見えないこのコロナ禍のようだなと、つい泣きが入る。
 いつもは休憩しない角田山の東屋で腰を下ろしたくらい疲れていたが、最後の山と気力で腰を上げた。

 角田山頂も人影はまばら、すれ違った人も合わせて10人くらい。
 連休中に五ケ峠とほたる里登山口を下見したらどちらも7,8割くらいの駐車があったが、今日は連休明けとコロナ禍でみなさん控えているのだろうと、こちらは気が引けてくる。

 靴擦れがあったので手当てをしようと避難小屋に入ったら先客がいて、多宝山頂で見かけた人で、今夜はこの小屋で泊まりだという。北アルプスのことなどを教えてもらった。自分は北アルプスは憧れに終わるだろうが、山を歩けるうちに尾瀬と涸沢カール(ここも北アルプスだが)に行ってみたいことなどを話し、話しが弾む。
角田山頂 誰もいません 角田 観音堂前 ここも誰も

 疲れが出た最後の下りを気をつけようと思いつつ稲島へ下山を始めると、ヒメシャガが「一日頑張ったね」というように鮮やかに咲いていて癒やされた。

 稲島登山口着が5時5分。タクシーと電車を乗り継いで国上山駐車場へ。

 約11時間歩いた。最後は惰性であったが、それだけに稲島の下り階段を下りながら充足感も大きかった。

 一歩一歩ゆっくりでも休みやすみでも歩き続ければ最後までたどり着ける、もし途中で諦めてもそこまで歩いたことが収穫、競争ではない山歩きの良さを感じた一日であった。
   ご苦労さん”声をかけてくれたシャガ