会山行紀行文 2019年
7/11(木)
曇り時々晴れ
(ろくじゅうりごえ)
六十里越街道

900m(細越峠)
参加者 (紀行文) 1866 S/T
No-89 グレード:C 19名
 担当リーダー 1866 S/T (男性7名・女性12名) (写真) 1866 S/T
≪コースタイム≫
新潟駅南口(6:00)=鶴岡=田麦俣・蟻腰坂(9:45)…独鈷清水(10:45)…御身仏茶屋跡(11:20)…大堀抜(11:40)…細越峠・昼食(12:15-13:00)…笹小屋跡(13:20)…薬師小屋跡(14:05)…湯殿山参篭所(14:30-14:50)=本宮参拝=参篭所(15:40-16:00)=鶴岡=新潟駅南口(19:20) 解散
≪紀行文≫
~~~天候に恵まれた中、皆さんと共に歩けたことが大変嬉しく~~~

 山形県の庄内地方と内陸部を結ぶ「六十里越街道」は、1200年前に開かれたと言われる大動脈。
 内陸部から庄内への物資輸送や、庄内藩の参勤交代、そしてなによりも湯殿山を目指して各地から訪れた信仰の「ゆどの道」でもありました。現在もその姿を残しており、歴史探訪の道としても人気の街道です。
 長い街道ですが、そのうちの核心部分「田麦俣~湯殿山・8.3km」のコースを歩きました。

 過去に2014年(新緑の頃)、2016年(紅葉の頃)と二回催行していますが、其々に新緑の清々しさ、紅葉の美しさを満喫することができました。今回は三回目となります。
 まずは、田麦俣集落のはずれ「七ツ滝」を望む広場でバスを降り、支度をしてから200mほど離れた「蟻腰坂」からスタートです。
七ツ滝広場で支度を整えます 蟻が腰を曲げて登るほどの急坂「蟻腰坂」だが、楽山会は楽勝!

 急坂を登り切ると弘法大師ゆかりの「弘法茶屋跡」、近くには齋藤茂吉の句碑が建つ。
きつい坂を登り切ると… 弘法大師供養塔などがある。 齋藤茂吉句碑

 ここからは新緑に覆われた美しく広くて歩き易い道が続きます。ブナ美林を楽しみつつ快適に歩きます。最初の休憩は独鈷茶跡、冷たい清水やトイレもあって感じが良い。
木漏れ日を浴びつつ、落葉を踏みながら歩くのはまことに心地良い。 「独鈷茶屋跡」で休憩です

 暑過ぎず寒からず、トレックに一番相応しい天候に恵まれて嬉しい!
 「千手ブナ」や「ラブラブぶな」を眺めながら順調に歩き、護摩壇石へ。
千手ブナ、正に千本の手があるごとく… 心地良いブナ林が続きます 弘法大師がこの石の上で護摩祈祷を行ったとされる「護摩壇石」 

 山を開削した小掘抜(こほのぎ)・大掘抜(おほのぎ)、現代なら何でもない事だけど、機械の無い当時では大変だったことでしょう。旅人の安全の為に掘った努力に、頭が下がります。
山を堀切した「大掘抜」、頭上を覆う木々が陽射しを遮り気持ちいい 茂吉の句碑、全体を通して多くの句碑があります

 コースで一番標高の高い細腰峠(900m)で昼食です。

 ブナ枝から漏れる陽光に包まれて、思い思いの場所で弁当を広げるのは真に気持が良い。
 ゆっくりと食事を終え、集合写真も撮って更に先へと進みます。

     「人おとも遂にたえたるこの山は 橅しげりたりひる暗きまで」 ⇒
                                     齋藤茂吉
細越峠はこのコースで一番広い場所、ここで昼食タイム。そして集合写真。

 細越峠からは下り坂が多くなります。戊辰戦争の砲台跡や塹壕跡を過ぎ、一本橋を渡り湯殿山神社への有料道路を横切ります。
 車道を横切った少し先で六十里越街道と別れ、左手の湯殿山神社参拝道へと進路を変えます。
幾つかある湯殿山石碑、これが一番立派!   最後の難関、「ザンゲ坂」を登れば…

 更に旧薬師小屋跡を過ぎ、最後のザンゲ坂を登り切れば、赤い大鳥居の待つ参籠所に到着!です。
 新潟からのバスは、先回りしてここで待っててくれました。歩きのゴールである参籠所で登山靴を履き替え、神社の参拝バスにて奥の院に参拝しました。
 「見たことは、語るなかれ聞くなかれ」と言われる湯殿山、写真撮影も禁止、神妙にお参りしてきました。
 湯殿山参籠所に到着!  湯殿山本宮・奥の院への入口。この先は撮影禁止!

 今回もまた天候に恵まれて、参加の皆さんと共にこのコースを歩けたことが大変嬉しく、皆さんの「良かった!」の声も大変有難く感じました。
 次に催行することがあれば、素晴らしい紅葉の季節に皆さんを案内出来たらと思いつつ帰路に着きました。 (おわり)