会山行紀行文 2019年
6/13(木)
晴れ
(あまかざりやま)
雨飾山

1963m
参加者 (紀行文) 2216 S/K
No−69  グレード:B  20名
 担当リーダー 2216 S/K (男性7名・女性13名) (写真) 2355S/O 2216S/K
≪コースタイム≫
新潟駅南口(5:10)=雨飾高原キャンプ場登山口(8:40-55)…荒菅沢(10:45)…雨飾山(13:00-40)…荒菅沢(15:25)…雨飾高原キャンプ場登山口(16:55-17:15)=新潟駅南口(21:05)
≪紀行文≫
〜〜〜雨飾山にシラネアオイが、こんなに多いとはシラネかった〜〜〜

 今回の雨飾山で私はリーダーデビュー。
 コースは小谷温泉の奥にある雨飾高原キャンプ場から山頂を往復する、累積標高1020m、急登の多いタフなコース。

 バスが快晴の雨飾高原キャンプ場に到着。
 K/Aさんのリードでストレッチを行い、3時間30分のバス移動で固まった筋肉を登山モードに切替える。
 荒菅沢の水場が雪に覆われて使えないため、登りと下りの水をザック入れて出発。

 少し下ってから水平道を1kmほど歩く、水芭蕉が群生する湿地帯を過ぎると急登が始まる。
 高度差250mの急坂だが、樹々の日陰に助けられ発汗はさほど多くない。
 標高1400mの巨大なブナの木に囲まれた「ブナ平」で新緑から癒しをもらってから荒菅沢へ。
 青空の下で身支度を整える  出発前に全員でストレッチ
急坂は、こまめに小休止(2355) 鮮やかな新緑が青空に映える 残雪と新緑のブナ平で一休み

 3年前の会山行では残雪は荒菅沢だけだったが、今年は手前の斜面に大量の雪が残っている、ここが要注意ポイント。
 アイゼンを着け、最初に急斜面をトラバース、万一滑落しても途中のブッシュに引っかかるだろうが、肋骨二、三本の骨折は免れない。
 トラバースした後は荒菅沢の雪渓の取り付きまで下る、所々で顔を出した土や木の枝にアイゼンをひっかけないように足を運ぶ。

 下りが終わったら、対岸の登山道まで雪渓を登る。
 見上げると鋭い岩峰がそそり立ち、覆いかぶさるように迫ってくる、その迫力が凄い。
 100名山グレートトラバースでの田中陽希のギャグを思い出す、「この沢何という沢?」「あらっ、すげー沢」
荒菅沢手前でアイゼン装着(2355)
急がず、ビビらず、一歩ずつ 荒菅沢手前の斜面、右:3年前(残雪なし)、左:今回(タップリ)
対岸まで雪渓を登る(2355) 岩峰が迫る荒々しい景観
 赤線が辿ったルート  荒菅沢の雪渓を登るメンバー 登山道に旬のシラネアオイ

 アイゼンを外し高度差400mの急坂に取り付くがこれがキツイ、森林限界を越えてもろに当る日差しが疲労に拍車をかける。
 急登でバテ気味になった私に、メンバーが元気をくれる(闘魂注入)
  @ 瑞々しいフルーツを差し入れてもらい生き返る
   (「リーダーがバテたら困りますから」と励まされ、情けないやら嬉しいやら)
  A 「わー!ハクサンイチゲが沢山咲いている!」少女のような女性会員の歓声で気持ちがパッと明るくなる。

 ハアハア、ゼイゼイ言いながら岩と梯子の急坂を這うようにして標高1894mの笹平へ。
 そこは広い台地をクマザサが覆う草原、目の前に広がる開放的な景色に疲れが吹き飛ぶ。
400m毎に付けられた標識
急勾配の登山道に息が切れる 矢印が山頂、この勾配半端ない 我慢の登りが続く(2355)
 笹平は前方の山頂まで笹の草原が続く、この景観がたまらなく良い 多かったシラネアオイ 

 そして、登山道を彩るお花に、再び少女のような歓声が上がる。
 特にシラネアオイが多く、あっちにもこっちにも咲いている、そこにハクサンイチゲが加わり、歩行速度が上がらない。
 最後に100mの急坂を登って標高1963mの山頂へ、苦行が続いただけに山頂に立った喜びは大きい。

 しばし、360度の大パノラマを楽しむ、北アルプスの後立山連峰は雲で上部が隠れているが遠くに槍ヶ岳を望む。
 東側には新潟県の秀峰火打山と焼山がハッキリ見え、北側には雲海が広がる。

 眼下の笹平を覗けば登山道の線が女性の横顔に見える「雨飾の乙女」がハッキリと確認できる。
 三角点と標柱のある南峰(雨飾山は双耳峰で南峰と北峰がある)でゆっくり昼食をいただく。
 ハクサンイチゲも現れる  可憐な花に足が止まる  カタクリは少しだけ
見て、見て、ここにも咲いている!中々前に進まない 山頂直下の残雪を渡って、ラスト100m登れば山頂
 お花に励まされながら足を運ぶ  眼下の笹平には「雨飾の乙女」 南峰に到着、左は北峰(2355) 
 南峰から南〜南西側の眺望、右の北アルプスは残念ながら上部が雲に隠れる
 南峰で記念撮影、左後方には焼山、火打山、金山
北峰からの眺望、@焼山 A火打山 B金山 C南峰 D高妻山 E戸隠山

 そして、下山、100mと400mの急坂、雪渓、250mの急坂をクリアしてバスが待つ駐車場に戻る。
 予定時間を1時間20分もオーバーしてしまい、リーダーの未熟さ、行程管理の甘さを反省する。
 それでも、全員怪我無く下山できたことに安堵し、参加していただいた皆さんの協力に感謝しながら帰路につく。
 笹平から400m下る(2355) 梯子あり、岩あり、危険あり 
 山頂からジグザグの登山道を下る  最後に水芭蕉が「お帰りなさい」 笑顔で登山口にゴールするメンバー

 ◆バスの中で聞こえてきた会話
  「シラネアオイがいっぱい咲いていたね」
  「あんなに沢山のシラネアオイを見たら、下越の山で4,5輪みつけても嬉しくないかもね」
  「シラネアオイを見たい人がいたら、雨飾山に行きなさいと言ってあげよう」

 ◆車中忘れもの事件
  バスが新潟駅に近づき「忘れ物がないかよく確認して下さい、もしあったら私が頂戴しますよ」と注意喚起したのにシートの下に忘れ物が一つ。
  ここで問題です、忘れ物はいったい何だったでしょうか?三択です @財布 A携帯電話 Bパンツ
  正解は「Bパンツ(男物)」
  そして、その後Bはどうなったのでしょうか? 
  @ 楽山会の事務局に送られた A駅のごみ箱に捨てられた B洗濯して今私がはいている。
  正解は・・・ご想像にお任せします。

 この車中忘れ物事件で、私のリーダーデビューの山行は、なんかモヤモヤしながら幕を閉じたのでした。
 皆さん、バスをお降りの際は、くれぐれも、お忘れ物に、ご注意ください。