会山行紀行文 2018年
10/4(木)
薄曇り
(えぶりさしだけ)
朳差岳
1636m
参加者 (紀行文) 2216 S/K
単独
(男性1名) (写真) 2216 S/K 
≪コースタイム≫
自宅(新潟市)(3:00)=奥胎内ヒュッテ(4:00-5:00)-登山口470m(5:30-40)…姫子ノ峰780m(6:30-40)…ヒドノ峰1080m(7:45-55)…水場分岐m(8:00)…イチジ峰1265m(8:20)…大石山1562m(9:10-20)…鉾立峰(10:10-15)…朳差岳(11:00-40)…鉾立峰(12:20)…大石山(13:10-15)…イチジ峰(13:45)…滝見場925m(14:40)…姫子ノ峰(15:25-30)…登山口(16:05)-奥胎内ヒュッテ(16:20-40)=自宅(17:55)
≪紀行文≫
~~~あらためて、山は登ってなんぼ~~~

 山頂付近の紅葉を楽しみに、9年ぶり二回目のエブリ差岳へ。
 日が短くなった秋の日帰り山行に秘策あり、それは奥胎内ヒュッテ~登山口の自転車移動。

 薄明るくなってきた午前5時に、錆びだらけのマウンテンバイクにまたがりヒュッテを出発。
 上り傾斜で何度も歩いたが、コースタイムの約半分の30分で登山口へ。

 軽くストレッチをして登山開始、木の根がビッシリと露出した急坂に早々息が荒くなる。
 クマ避けのため、鈴を2ヶ鳴らし、時々「ホ~、ホッ」と与作のような掛け声を発しながら足を運ぶ。
 展望が開ける姫子ノ峰で地神山や門内岳を望む、天気予報は曇りだが、山頂からの眺望に期待が持てる。
姫子ノ峰から①大石山②頼母木③門内
木の根の凸凹登山道 秋色、その1 秋色、その2

 生命力溢れる樹々の中を、黄色や朱色の色付きを楽しみながら登山道を進む。
 身体に負荷を感じながら自然の中に分け入っていく感覚、自然のエネルギーに包まれる感覚が心地良い。
 最近感じていた「山登りめんどくさい病」が消滅していく、やはり山は登ってなんぼ。

 所々で現れる急坂は木の根を掴んで「よっこらしょ」、この繰り返しが思った以上に体力を消耗させる。
 左前方に鋒立峰が見え始めるが、山肌の色付きがパッとしない。

 大石山から下ってきた青年が「今年の紅葉は猛暑と台風の影響でかなり傷んでいる」
 確かに葉の端部がチリチリに巻いて枯れ気味のものが多い、そして、赤が少ない。
 それを補うかのように、沢山のナナカマドの実が鮮やかな赤色を放っている。
イチジ峰を過ぎ左前方に鉾立峰、振り振り返って二王子山 沢山のナナカマドの実が彩る
西ノ峰からの眺望、左に鉾立峰とエブリ差岳、右に大石山

 大石山で一服してから、鉾立峰を経由して、エブリ差岳へ。
 ここでも紅葉はパッとしないが、草紅葉とエブリ差岳の組み合わせがとても絵になる。

 時期はずれのハクサンイチゲとハクサンフウロが咲いているのは異常気象の影響か?
 山頂に立つと、北側の紅葉が鮮やかで美しい「これを観られただけで来た甲斐があった」と頬がゆるむ。
鉾立峰の急斜面を見上げる ハクサンイチゲ
ハクサンフウロウ 草紅葉とエブリ差岳 エブリ差小屋の先に山頂
 山頂から南側の眺望、右下にエブリ差小屋、左に頼母木山、地神山等の飯豊山塊
山頂から北側の山肌に広がる紅葉は今山行中一番

 山頂で昼食をとってから下山、光線の位置が変わり鮮やかさを増した紅葉の登山道を戻る。
 鉾立峰から南側に見える頼母木山と地神山の飯豊山塊、その東尾根を広範囲に覆う紅葉に目を奪われる。
 もっと近づいてみたいが、残念ながら今の私に時間も体力も余裕なし。
鉾立峰北斜面の紅葉 鮮やかさを増した登山道
鉾立峰南側からの眺望①広範囲な紅葉②頼母木山③頼母木小屋④地神山⑤大石山

 鉾立峰を越えて大石山へ、ここまで来ればあとは下るだけだが、そう簡単ではない。
 切れ落ちた斜面、足の置き場が見つからない急坂、岩場、網のような木の根など、登山道はストレスいっぱいの地雷原。
 疲れた体に「ここでケガはできない」と言い聞かせながら慎重に足を運んで登山口へ。

 普通はここからヒュッテまで1時間歩くのだが、今回は飛び道具とも言える自転車がある。
 下り坂を風を切って一気に走る、スピードがぐんぐんと増す、そのスピード感が「めちゃめちゃ気持ち良い」
 下山のストレスを吹き飛ばし、ビュー、ビューとあたる風で疲れた体をクールダウンしながら15分でヒュッテに到着、これは癖になる。

 今回の山旅で出会った登山者は3人、静かな紅葉の山旅に感謝しながら帰路についた。
 しつこいが、チャリダーは絶対オ・ス・ス・メ。