会山行紀行文 2018年
8/25(土)-26(日)
(ちょうがだけ〜とくごうとうげ)
蝶ヶ岳〜徳本峠縦走

2677m
参加者 (紀行文) 2137 T/N
No−108 グレード:B 16名
 担当リーダー 2137 T/N (男性8名・女性8名) (写真) 2137 T/N
≪コースタイム≫
≪8/25≫
新潟駅(5:00)=巻潟東IC(5:20)=安曇野IC=林道崩落地(9:30)…三股登山口(10:00)…まめうち平(12:30)…蝶ヶ岳(15:00-16:00)…大滝山荘(泊 17:00)
≪8/26≫
大滝山荘(6:00)…大滝槍見台(8:30-9:30)…明神見晴(10:30)…徳本峠(11:30-12:30)…明神(13:50)…上高地バスターミナル(14:30)=さわんど温泉「梓湖畔の湯」(入浴 15:10-16:00)=松本IC=新潟駅南口20:30
≪紀行文≫
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 「醍醐味」いっぱい!! 北アルプス「グレードB山行」。槍・穂高にもっと行きたい!!

 楽山会2018年「グレードB以上」山行は、「1〜8月」で「7回目(8ヶ月)」。
 催行実績は、月1回未満。同期間のB以上山行予定は、計12回。月平均1.5回。
 今後9〜12月は、9月(北岳間ノ岳・飯豊本山・大朝日岳)10月(丹後山・金城山縦走)11月(大力山鳴倉山)、の残り6計画。

 残念ながら、「1月粟ヶ岳・3月鍋倉山縦走 冬山悪天候」「7月灰ノ又山 グレードA申込少」「8月鹿島槍ヶ岳・立山縦走 台風悪天候」により、既に5回中止(除く岩トレ・沢)

 北・南・中央アルプス、飯豊・朝日、雪山中心で、経験者にも人気が高い「グレードB以上」山行は、悪天候・会平均年齢上昇等の様々な要因により、減少傾向を余儀なくされている。

 今回山行「蝶ヶ岳〜徳本峠縦走」は、「表銀座南端の蝶ヶ岳」からスタート。
 北アルプスの中で、ひとけの少ない静かな「マイナー山行」ながら、人気の「北アルプス南部(槍・穂高エリア)」。
 来年「クラシックルート(上高地〜徳本峠〜島々宿)」「霞沢岳(日本二百名山)」前哨戦として、可能なら今年催行したい縦走。

 「雨模様で中止?」との参加者問合せを受けながら、連続する台風の合間をぬって「中止だけは避けられないか・・」と思料。「グレード上『会山行』全体の魅力を引き下げない」ためにも、苦悩する山行直前となりました。

<8/25(土)>
 台風19号20号は、影響なく通過したものの、大気の状態は依然不安定。
 早朝3時の高山市「大雨警報」と長野県「県南部」の赤い点滅「気象レーダー降水分布」を見ながらも、新潟駅出発時はくもり空。高速道路を、細かい晴れ間を見つつ、ひた走る。
 安曇野ICを降りると、「常念山脈(常念岳・蝶ヶ岳)」稜線は、雲の中。

 「三俣登山口」に向かう尾根筋林道から、雲の中に入る。雨がぱらつくものの、沢の水はまだ少ない。
 8月現在三俣登山口駐車場800m手前で、林道崩落。12月末まで復旧見込みなし。
 転回可能場所を考え合わせると、距離+1km標高差+150mもありうるため、「軽量化必須」との「直前ショートメール」発信。メンバーは口々に「荷物を減らしてきた」とリーダーへ申告。
 その中で、なぜかKリーダーのザックは大きい・・・・・。ハッキングもきれい・・・・・・・。何が入っている???・・・・・・・・。

 小雨が降り出す中崩落地直前でバスを下車。山行開始。
 ところが、標高がまだ低いこともあり、気温が高い。雨が降り出しては雨具を着て、蒸しては脱ぐの繰返し。蒸し暑さから、息が切れる参加者。

 最初の休憩ポイントで、2班構成30名近いちびっ子・大人の雨合羽混成軍団に出会う。
 聞くと、子供達は小学1〜6年生。先頭リーダーに「子供にペースを合わせるのは大変ですね」と声を掛けると、「心配なのは親御さんたち大人です。子供は霧雨の中でも元気ですよ」。
 ここから、小学1年生とのマッチレースが始まる。抜きつ抜かれつ・・・・・・・。
 「小学1年生に勝てない・・・・・・」。メンバーから悔しがる声が上がる。

 ようやく・・・・・、なんとか・・・・・、小学1年生を置き去りにし、「まめうち平」へ先着。
 しかし、合計50名が「昼食を楽しむ場所」はない。「子供たち」に「昼食場所」を提供するため、「小学1年生との会話」「讃え合い」を楽しむこともなく、昼食を呑み込み出発。
三俣登山口林道崩落 三俣登山口 階段整備進む登山道
ゴジラの木 まめうち平で昼食

 かつて「三俣〜蝶ヶ岳」の登山道は、段差・木の根も多く、歩きにくい山道だった。今回は、驚くほど木階段の設置も進み、整備されている。さすがは、人気の「表銀座(燕岳〜蝶ヶ岳)」下山口。ただし、標高差+1400m・距離5.5Kmの登りは、決して楽ではない。

 これに今回山行は、追加2点。
  @大滝山荘までアップダウン標高差+200m・距離3Km、
  A先述の三俣登山口林道崩落標高差+150m・距離1Km。

 「小学1年生とのマッチレースに、次第に息が上がるメンバー」と、「新潟駅南口5時集合でも、遅い登山口スタート時間と断続的に降り続く霧雨」に「焦るリーダー」。
 リーダーが内心「いかんな〜〜〜」と感じる中、メンバーはぺちゃくちゃ・・・お花の解説も止まらない。さすがは16人全員「自己グレードB」。男女各8名の精鋭メンバー。

 メンバーと共に稜線へ上がる「雲の末端」。「前常念岳」に加え、豊科・穂高の町並みもきれいに見え始め、やがて「きれいな虹」に歓声があがる。

 大滝山分岐を超え、蝶ヶ岳稜線に到着。直前で着直した合羽でも、稜線強風により体感温度が下がり、「蝶ヶ岳ヒュッテ」に飛び込む。身体を温め、いざ「蝶ヶ岳」頂上へ・・・・。
梓川が雲の下方に見える。

ここから始まる大滝山稜線の「お花畑」。
お花こそ終わり掛けだったものの、メンバーは「こんなに山苺が残っている山道を見たことがない」と呟きながら、口に入れる。「これは酸っぱい!これは甘い!」
メンバーと共に雲が稜線へ上がる 虹が出てきた 蝶ヶ岳大滝山分岐
蝶ヶ岳稜線へ
山いちご 蝶ヶ岳頂上

 「大滝山荘」は昔ながらの静かな山小屋。宿泊は、先着「単独男性2名」のみ。
 夕食は、「辛みの効いたインド風カレーライス」と「コンピに風?おでん7種」。カレーお替わり自由。
 夕食前後の大宴会は、きれいなパッキングから出てきた「日本酒4合瓶」を前に、消灯9時まで続いた。
 累計標高差1700m超想定の雨中登りにも、全員元気だな〜〜〜〜。
大滝山荘到着 宴会スタート。就寝時間9時まで続いた

<8/26(日)>
 4時起床5時朝食。雨も上がり、朝食後空身て゜「大滝山北峰」に朝日を見に行く。
 遠くは「富士山・南アルプス・中央アルプス・御嶽山・乗鞍岳・八ヶ岳・浅間山」。
 昨日見えなかった「西岳〜大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳」の稜線がくっきり見える。下方に目を転じると、松本市内は雲一つないのに対し、長野市方面は雲海の中。
 新潟方面は、妙高・火打山方向で稲光・・・・・。「えっ!!」
 今朝は、昨日と逆。長野県は、県南が晴天。県北が雨模様。

 大滝山荘に戻り、ゆっくり体制を整え、6時出発。
朝焼けを楽しむ モルゲンロート
 富士山と南アルプス
長壁尾根と槍穂高稜線  大滝山荘出発  

 大滝山南峰で、再び景色に足が止まる・・・。
 ここから始まる「コメツガ原生林の尾根路」アップダウン。前日のような急登もなく、ゆっくり進む。
  
 やがて「大滝槍見台」の「展望櫓」に到着。
 濡れて滑る木製梯子・年季の入った木製櫓に、安全面から5人ずつ登る。

 「槍ヶ岳」は、長時間粘り「東鎌尾根・槍沢」から「殺生ヒュッテ」まで見えた。「穂先」は、雲が取れない。
 「大キレット」と「大喰岳(おおばみだけ)・中岳」もはっきり見える。
 前週末に下見がてら登った「槍ヶ岳 東鎌尾根」の迫力は、やはりいい。

 さらに「明神見晴」では、「前穂高岳 北尾根」に、「屏風の頭」「屏風のコルから奥又白沢・新村橋・徳沢への登山道」が手に取るように見える。
 青空
 明るい稜線  コメツガ原生林の尾根路 徳本峠まで4q 
 大滝槍見台  少人数ずつ登る 明神見晴で前穂高北尾根 
 
 結局、「槍見台」でたっぷり時間を取るなどゆったり歩いたが、「大滝山荘〜徳本峠」の5時間で、すれ違った登山者はたったの「単独3名」のみ。すれ違った登山者と「こんな地味なルートを歩く人がいるのですね」と、お互い笑い合う。

 徳本峠(とくごうとうげ)到着後、「峠から45秒???」の「展望台」へ最後?の急登。
 ここでは、「明神岳」と「西穂高岳」「ジャンダルム」「天狗の頭」「間ノ岳」「西穂高岳」「独標」の稜線が見える。徳本峠まで来て、「穂高岳」の山並みが、さらに間近に近づいてきた。

 「徳本峠小屋」ベンチでゆっくり昼食。来年の「島々宿へのクラシックルート」「霞沢岳へのルート」を確認。最後の▲600m下りの鋭気をたっぷり蓄えた後に、一挙に明神岳・上高地へと下った。
 徳本峠小屋裏に到着  徳本峠展望台 徳本峠小屋入口 
 
 上高地は、大観光地。ひとひと、ひとひと、ひと・・・・・・・。
 綺麗な衣服を身にまとった観光客を、次々と追い抜き、バスターミナルに到着。
 すでに「上高地アルペンホテル 2F大浴場」まで歩く気力を失ったメンバーは、すぐにバス移動。
 「沢渡温泉」にゆっくり入浴。コンビニで酒とつまみをたっぷり買い込み、帰路へと向かった。

 来年は「紅葉・渓谷の上高地〜島々宿クラシックルート」「穂高の絶景 二百名山 霞沢岳」!!
 明神へ一気に下る
華やかな上高地  河童橋