会山行紀行文 2017年
 8/3(木)〜5(土)
天候は下記記載
(だいにちだけ)
大日岳山
2128m
参加者 (紀行文) 2216 S/K
単独
(男性1名) (写真) 2216 S/K
≪コースタイム≫
◆一日目/3日(木)晴れのち曇り
自宅(4:00)=奥胎内ヒュッテ(5:30)=乗り合いタクシー=登山口(5:40‐5:45)…大石山(9:20)…頼母木小屋(10:20‐10:40)…頼母木山(11:00)
…地神北峰(11:30)…扇の地神(12:30)…門内岳(13:10)…北股岳(14:00)…梅花皮小屋:泊(14:45)
◆二日目/4日(金)曇り
梅花皮小屋(5:00)…烏帽子岳(6:00)…御西小屋(8:40‐9:00)…大日岳(10:05‐10:15)…御西小屋(11:15‐11:30)…烏帽子岳(14:00)
…梅花皮小屋;泊(14:40)
◆三日目/5日(土)曇り時々晴れ
梅花皮小屋(4:00)…北股岳(4:40‐4:50)…門内岳(5:45)…扇の地神(6:10)…地神北峰(6:50)…頼母木山(7:35)…頼母木小屋(8:00‐8:50)
…大石山(9:40‐45)…登山口(12:10)=乗り合いバス=奥胎内ヒュッテ(12:20)
≪紀行文≫
 〜〜飯豊連峰のスカイラインを歩く〜〜 
 二王子岳の山頂に立つたびに、目の前に広がる飯豊連峰の大パノラマを観ながら、いつかあのスカイラインを端から端まで歩いてみたいと思っていた。
 今年狙っている南アルプスの天気予報が芳しくない中、下越に晴れマークが4つ並び、小屋泊り2泊3日で足の松尾根からの大日岳ピストンを決める。
@大石山A頼母木山B地神山C扇ノ地神D門内岳E北股岳F烏帽子岳G大日岳H本山I?差岳

◆一日目(足の松尾根〜梅花皮山荘)
奥胎内ヒュッテから乗り合いタクシーで登山口へ、同乗者の中に門内小屋泊で北股岳をピストンされる楽山会の女性先輩がお一人。
登山口から樹林帯の日陰の中で高度を上げるが、イチジ峰(標高1,265m)から陽射しのあたる急斜面に、かなり苦しめられる。

西ノ峰まで登れば苦しさも峠を越え、ヨツバヒヨドリ、ミヤマクルマバナなどのお花に励まされながら大石山(1562m)へ。
ここからは開放的で気持ちの良い稜線歩き、お花の数も種類も多くなって気持ちが華やぐ。

登山道脇に「ようこそスケッチ展へ」と描かれた案内板を発見。
これから向かう頼母木小屋で、会の先輩が描かれたスケッチ展が開催されていることを思い出す。
イチジ峰から急坂が待つ 西ノ峰から地神山を望む お花で華やぐ登山道を歩く
クルマユリの後方に?差岳 笹の先は展望がきく稜線歩きで@頼母木山A地神山へ
登山道にスケッチ展の案内 お花の後方に二ッ峰 ハクサンイチゲと二王子岳

 頼母木小屋で長めの休憩を取ってスケッチ展を鑑賞、おかげさまで心も体もリフレッシュ。
 大石山で感じた疲労感もすっかり吹っ飛び、頼母木山(1,730m)、地神山(1,850m)へ。
 地神山から沢山のトンボが空を乱舞、トンボの餌は蚊やブヨと聞くが、そのせいか虫が全く寄ってこない。

 地神北峰の手前からガスに展望を奪われるが、そのガスが寒く感じるくらいの涼風を運んでくれる。
 門内小屋で気温は21度、おかげで終盤もペースが落ちず、門内岳(1,887m)、北股岳(2,025m)を越えて、梅花皮山荘に荷を下ろす。
梅花皮山荘に到着
チングルマと梶川峰 北股岳に咲く花々 山荘周辺のニッコウキスゲ

 小屋の宿泊者は18人位で布団一枚のスペースをもらう。
 明日は大日岳をピストン、できれば本山も狙いたいが、天候の悪化や体調不良に備えて、荷物は全て御西小屋まで運ぶことにする。

◆二日目(梅花皮山荘〜大日岳〜梅花皮山荘)
 夜明け前から濃いガスで戦意喪失気味、グズグズしている内に薄くなったガスが朝陽に染まる。
 急いで身支度を整え出発、雲海を見ながら烏帽子岳(2,018m)へ。
 お花が昨日に増してすごい、多種多様なお花があっちにもこっちにも、秩序などなく自由奔放に咲いている。

 特に素晴らしかったのは烏帽子岳を下ってすぐのお花畑。
 イブキトラノオ、ミヤマキンポウゲ、クルマユリ、ニッコウキスゲなどが咲き誇り正に雲上の花園。
 写真を何枚も撮るが、その素晴らしさを伝えられるものが、どうしても撮れない。
梅花皮岳の左側からご来光 イブキトラノオと梅花皮山荘 梅花皮岳の斜面にお花畑
梅花皮岳から昨日歩いてきた稜線を望む 北東側に広がる雲海
イロトリドリのお花が咲く 一番素晴らしかった烏帽子岳のお花畑、右が烏帽子岳山頂
ミヤマキンポウゲと梶川尾根 ミヤマシャジンと大日岳 ヤマブキショウマと本山
ニッコウキスゲと二王子岳 お花が咲く登山道を進む 御西小屋に到着

 烏帽子岳をくだった所で、雲が飯豊本山と大日岳の頂部を隠し始める。
 ガスで眺望のない登山道を、お花を愛でながら御西小屋へ。

 小屋に荷物をデポし、サブザックに水、雨具、カメラを入れて大日岳へ、16kgのザックから解放され軽快なペースで足を運ぶ。
 北西側の谷から吹き上がってくる風が心地良く、思わず両腕を水平にあげタイタニックポーズ。
 山頂への最後の急登、その手前の斜面を黄色に染めるニッコウキスゲの鮮やかさに足が止まる。
御西小屋を下って直ぐにハクサンイチゲの群生 谷から涼しい風が吹き上がって気持ち良〜い
この急坂を越えると山頂 ニッコウキスゲの群生が斜面を黄色に染める

 今回の縦走の折り返し地点である大日岳(2,128m)の頂上に到着するがガスで眺望無し。
 この場所から飯豊連峰のスカイラインが観たかったが、次の機会に持ち越しとなる。
 御西小屋に戻り、時間不足で本山ピストンは諦め、花の登山道を梅花皮山荘まで戻る。
復路、チングルマと飯豊本山 ガスがとれ烏帽子岳が姿を現す 烏帽子の花園で休憩する登山者
沸き立った雲が大日岳に向かって流れる 北股岳と梶川尾根を包んだ雲が夕日に染まる

 小屋の宿泊人数は昨日より少し増えたが、昨日と同じスペースを確保。
 明日は昨日歩いたルートを戻るが、早朝の眺望に期待して夜明け前出発とする。

◆三日目(梅花皮山荘〜足の松尾根)
 東の空が赤みを帯び始めると同時に小屋を出る。
 しかし、北股岳の山頂で西側から一気に雲が押し寄せ、ここから雲が稜線を覆ったり消えたりを繰り返す。
 幸い地神北峰の鞍部でガスが取れ、往路で観ることができなかった眺望を楽しむ。
夜明け前、遠くの空が赤く染まる 北股岳の山頂、大きな雲があっと言う間に空を覆う
門内岳を雲が流れる 登山道に咲くヤマハハコ、ミヤマシャジンなどのお花
緑の草原にそびえ立つ地神山(右)と地神北峰 頼母木山から朝日連峰を望む、後方に月山も
頼母木山の山頂からの眺望 @頼母木小屋 A鉾立峰 B?差岳

【恥ずかしいですが人災事例の紹介】
 地神北峰の下りでバランスを崩し、転倒を防ごうと右手で岩を抑えた時、勢いが強すぎて親指の付け根を切傷。
 手袋をしていたのに傷は意外に深くて出血、消毒液で洗い大きめの傷あてパットを数枚貼ってキネシオテープで抑える。
  ・反省点:足元が凸凹の登山道で、不安定な石に足を乗せてしまいバランスを崩す(油断大敵)
  ・良かった点:手袋の着用、消毒液、キズあてパット、キネシオテープの携帯(持ってて良かった救急品)

 頼母木小屋で長い朝食休憩をとり、二度目のスケッチ展を鑑賞してから大石山へ。
スケッチ展開催中の頼母木小屋、四方の壁に水彩画がズラリと並ぶ
一緒に観ていた方が「ホットする絵ばかりで家に持って帰りたい」同感

 大石山の山頂では足の松尾根を上がってきた数名の方が休憩中、皆さんの疲れた様子に2日前の辛い登りを思い出す。
 今回は大事をとって、?差岳のピストンは諦め、そのまま下山。

 降りは楽だろうと思ったが甘かった、高度を下げる毎に上がる気温と強い直射日光でものすごく暑い。
 毛穴が一気に開いて汗が吹き出し、ズボンは信じられない位ビショビショ。

 自分が思うほど足が上がらず、数回木の根っこに引っ掛ける。
 ここでケガは出来ない、何回も休憩をとりながら、バテバテ状態で登山口へ。
 先に降りていた登山者と、待っていたマイクロバスに乗り込み、奥胎内ヒュッテへ戻る。
姫子ノ峰からの眺望 @地神山A門内岳B二ッ峰 土日はマイクロバスが運行

 飯豊連峰のスカイラインを歩き通したことで、今後二王子岳や五頭山から観る飯豊連峰は一味違うものになるだろう。
 今回の山行を通して「花の飯豊」を実感、飯豊の新たな魅力に触れた喜びを感じながら帰路についた。

◆飯豊のお花をどうぞご笑覧ください(名前が違っていたら教えてください)

(たくさん咲いていたお花)
ニッコウキスゲ ミヤマシャジン ヤマハハコ タカネナデシコ
イブキトラノオ ミヤマクルマバナ マイズルソウ
クルマユリ モミジカラマツ マツムシソウ ミヤマキンポウゲ(黄)ハクサンボウフ
ミヤマアキノキリンソウ  ヨツバシオガマ  イイデリンドウ  ミヤマコウゾリナ 

(そこそこ咲いていたお花)
イブキジャコウソウ ハクサンオミナエシ ハクサンイチゲ ミヤマホッツジ
チシマギチョウ(紫) マルハコゴメグサ イワオウギ、チングルマ
イワイチョウ タテヤマウツボグサ ウサギギク オンタデ
 ノアザミ シロバナニガナ  ダイモンジソウ   イワカガミ
オトギリソウ ミヤマウスユキソウ ハクサンコザクラ
ショウジョウバカマ マルバダケブキ ヨツバヒオドリ ハクサンフウロ

(少しだけ咲いていたお花)
ミヤマリンドウ シラネアオイ コバイケイソウ チングルマの綿毛
ノウゴウイチゴ アオノツガザクラ シナノキンバイ スカシユリ