会山行紀行文
No−028
グレード:C上
2016年
 4月2日(土)
晴れ
(すもんおおだけ)
守門大岳

  1432m
参加者 (紀行文) 2216 S/K 
11名
(男性3名・女性8名) (写真) 2216 S/K
≪コースタイム≫
巻潟東インター(6:45)=二分除雪最終点(8:10-8:30)…保久礼小屋(10:30)…キビタキ小屋(11:10-11:20)…大岳山頂(12:35-12:50)
…キビタキ小屋(13:20-14:10)…保久礼小屋(14:30)…二分除雪最終点(16:00)
≪紀行文≫
〜〜〜山頂からの眺望にみんなの顔が笑顔になる〜〜〜

 巻潟東インター出口に集合し、乗用車3台に乗り合わせて、守門岳冬期登山口の二部除雪端へ。
 天気は晴、高速道路から守門岳の姿がハッキリと見え期待が膨らむ。
 しかし、小雪のため東洋一の大雪庇が既に落ちているという情報があって、どんな様子なのか気になる。

 除雪端は駐車場からあふれた車が道路の片側に駐車し長い列を作っている、その数ざっと40台。
 身支度を整え、リーダーの号令で準備運動を行ない、体をほぐしてから出発。

 青空の下、遠方の大岳が白く輝いている「4時間後に皆さんは、あの山頂に立っています」リーダーの言葉にワクワクしながら歩を進める。
 雪は柔らかいがツボ足で問題はない、太平橋を渡り左側の斜面をひと登りしたところでSTOP、なんと小雪の影響で上部の斜面に雪がない。
除雪端には既に沢山の車 遠くの大岳を目指して出発 小雪で斜面の上部に雪がない 
 白い山頂の大岳が近づく  展望が開ける長峰で一息入れる  大岳に向かって前進 

 「この藪を登って雪の尾根に出ることにします」リーダーの落ち着いた指示で、枝を掴みながら藪を上がると直ぐに雪道に出る。
 「さすがプロのリーダー」とメンバーから声が上がる。
 先行しているスキーヤーと登山者のトレースを追いながら樹林帯の中を進む、長峰で展望が開け右方向に越後駒ヶ岳と八海山が現れる。
 前方の大岳は、山頂で滑っているスキーヤーが見える程大きくなっている。

 登山口から2時間で保久礼小屋へ、昨年の3月末には屋根に小屋の高さを越える雪が載っていたが今年はほとんどない。
 「ここからキビタキ小屋まで40分、ノンストップで登ります」斜度を増した雪面を、ほど良いペースで登る。
 昨年は雪に埋もれて見つけられなかったキビタキ小屋で荷を降ろし、飲み物や食べ物でエネルギーを補給する。
 少し遅れて小屋に着いたメンバーにリーダーが近づき、その人の荷物をいくつか男性陣のザックにさりげなく移す。
 その目配り、心配りに再び「さすがプロのリーダー」の声。
保久礼小屋の屋根の雪は極少 三角屋根のキビタキ小屋 斜度を増した樹林帯を登る
「楽山会大岳登山隊」の隊列が最後の斜面を登る 山頂の守門神社奥社の石祠に到着

 1150mm付近で樹林帯を抜けると風が強まり、前方の景色が空の青と雪面の白だけになる。
 ここでリーダーから残雪期のホワイトアウト対策として、辿ったルートに赤い旗を刺し復路の目印にする方法を教わる。
 そして、実践練習、リーダーが準備した赤い旗を雪面に刺しながら高度を上げていく。

 一糸乱れず一列縦隊で斜面を登る姿は、さながら「楽山会大岳登山隊」 そして、登山隊は待望の大岳山頂に到着。
 まず最初に、気になっていた雪庇を確認する、中津又岳側はかなり落ちているが、袴岳と青雲岳の雪庇はまだ立派な張り出しを残している。
中津又岳側の翼状の雪庇は、かなり落ちている 青雲岳側の雪庇は、まだ張り出を残している
中津又岳の雪庇の後方に粟ヶ岳と川内山系、その後方に白い飯豊連峰
どっしりとした袴腰、袴岳、青雲岳の守門山塊の連なりが眼前に迫ってくる 

 中津又岳の後方に視線を向けると雪をまとった粟ヶ岳と川内山塊、その後方に白い帯のような飯豊連峰。
 どっしりとした袴腰、袴岳、青雲岳の守門山塊が眼前に大きく迫り、その右側には白銀の越後三山。
 ここまで登って来たから、拝むことができる景色に、みんなの顔が笑顔になる。

 景色に魅せられている内に、あっという間に下山の時間となる。
 下山は登って来たコースを戻るが、眼下に広がるパノラマの景色を観ながら、軽快にズンズン高度を下げる。
 風が当たらないキビタキ小屋で、暖かな陽光を浴びながらゆっくりと昼食。
 山頂の素晴らしい眺望の余韻が、食事を一層美味しく感じさせてくれる。
下山は眼下に広がるパノラマの景色を観ながら高度を下げていく
(左から)荒沢岳、越後駒ヶ岳、八海山を望む 楽山会大岳登山隊のメンバーは笑顔
日差しが頭上から降り注ぐ マンサクの花を発見 ひらき始めたタムシバの花 

 雪が緩んだためキビタキ小屋でワカンを着ける、「私ワカンは初めてです」というメンバーにリーダーが手取り足取り指導。
 マンサクの花、タムシバの花に春の訪れを感じながら高度を下げ、除雪端へ戻る。
 今回の山行は終始一体感を感じながら、残雪の春山を楽しむことが出来た。
 これもリーダーの目配り、気配り、心配りのおかげと感謝しながら帰路についた。
ワカンを着けて杉の斜面を進む 雪解け水が流れる太平橋を渡って除雪端へ
大岳山頂から守門山塊を望む、右後方は荒沢岳と越後三山