会山行紀行文
No−143
グレード:C
2015年
 9.03(木)〜04(金)
霧    雨
(たてやま)
立山

  000m
参加者 (紀行文) 2190 T/A 
19名
(男性6名・女性13名) (写真) 2044 S/H
≪コースタイム≫
≪一日目(9/3)≫
新潟駅(6:10)=北陸道=立山IC=室堂(10:50-11:30))…浄土山登山口(12:30)…室堂山展望台(12:30-12:50)…浄土山(13:30)
…富山大学立山研究所(14:00)一の越山荘(14:30)
≪二日目(9/4)≫
一の越山荘(9:00)…室堂(9:40-12:20)=グリンパーク吉峰(11:40-13:10)=新潟駅(16:40)
≪紀行文≫
〜〜〜不安定な天候の中、心行くまで楽しむ一時が〜〜〜

 数年前の秋紅葉時期に、立山黒部アルペンルートバス観光旅行で室堂平から眺めた雄大な立山連峰に感動した思い出があります。
 今回その立山への山行に期待を膨らませ参加申し込みをさせて頂きました。
 山行前日には天気予報は芳しくなく不安を抱きながら当日の朝を迎えました。

≪一日目(9/3)≫
 集合する会員さんも同様心配しつつバスは定刻新潟駅を出発。巻潟東で2名、最後栄Pでリーダーさんも合流され全員で一路立山へ。
 リーダーさんより開口一番「これまでの体験からも山の天気は現地へ行ってみないと全く分からない。大丈夫と思うので皆さんも是非強く天気になる様祈ってくださいね」

 皆の願いを乗せてバスは立山ICを通過。桂台料金所から立山有料道路に入ると右に左に曲がりながら高度を上げて進みます。
 リーダーさんから車窓より霧の中に見え隠れする薬師岳や大日岳や奥大日岳等案内して頂いたり、立山杉の巨木やブナの原生林が広がっている場所だからと細やかに情報を提供して頂き飽かず眺めて楽しみます。又壮大で美しい弥陀ヶ原高原を通過時には霧も消え「わー!綺麗!素晴らしいね!」と感嘆の声。
 本当にここまで上がって来なければ見れない風景に大満足。今日予定の浄土山へ登れると嬉しいなと思いつつ終点室堂に到着です。

 するといつの間にかターミナル付近全体は雨は降らないまでも霧に覆われ山並みも見えず風強し。
 まずは一応登山の支度をしてバスと建物の傍で各自昼食をとりリーダーさんの指示を待ちます。「この状況なので一の越山荘へ向かいます。」とのお話。やはり今日は浄土山へは残念ながら無理なのだと理解しました。
 がその直後会員さんの希望もあったようで「やはりこれから浄土山へ向かいますが風に注意して登りましょう。」とのリーダーさんのお声。

 よーしと気合を入れてまずは名水100選の冷たい立山玉殿の湧水を柄杓で頂き出発です。

 石畳の登山道の両脇の平原には黄葉したイワイチョウの大群落初秋の雰囲気一杯。

 霧の中では山並みは見えずとも足元の可愛いお花達が私たちに元気をプレゼントしてくれます。
 リンドウ・ウサギギク・ジュウモンジソウ・チングルマ・アキノキリンソウ等々。
室堂バスターミナル駐車場で
風を避け昼食風景
立山玉殿の湧水を口に入れ、いざ出発  草もみじの中を歩く、
山裾から上はガスが立ち込める
山並みは見えずとも、足元には可愛いお花達が(写真をクリックします大きくなります)

 暫くして後ろを振り返ると霧が晴れ随分下方に室堂ターミナルがはっきり見えて感動!結構高度を稼いだねと。
 やはり一瞬でも雄大な山肌や景色が見えると歓声が上がります。

 更に石畳の道を快適に登ると左側方面への浄土山登山口の分岐の指導標があります。
風も弱まり、後はガスの晴れるのを待つのみ  眼下には室堂バスたーミナル。 ゴロゴロした石の上を歩く。 

 リーダーさんより今日のハイライト「室堂展望台」は晴れたら五色ヶ原・薬師岳・笠ヶ岳・黒部五郎岳又槍ヶ岳も見える最高の場所でこれから向かいます。とザックは分岐に一時預け一行胸膨らませ軽やかに真っ直ぐ前に進み展望台到着。
 しかし残念!霧が一杯立ち込め眺望効かず溜息が漏れる。

 ところが何ということでしょう!暫く休んでいると雲間から陽射しが!霧がどんどん流れてみるみる雄大で綺麗な山肌や下方の道路建物そして遠くの山脈も眺望できます。
 強運のリーダーさんそして今日のメンバーの皆様。素晴らしい景色で凄いねー!やったー!シャッター切る音。
 この不安定な天候の中にも拘らずこのひと時を心行くまで楽しむことが出来ました。

 分岐に戻りこれから浄土山に向かうゴロゴロ岩場の本格的な登山道、転倒やスリップに注意しながら急坂を一歩一歩登ります。

 更にこの頃高山病でしょうか頭痛がするとの会員さんもいてダブルで辛いところを頑張り抜いて浄土山北峰に到着休憩しました。
 戦死者を祀った軍人の霊碑の石積があります。
室堂山展望台、このとき一瞬だがガスが
半分消えた。すかさずシャッターを。
浄土山への登り 浄土山山頂の軍人霊碑

 そこから富山大学立山研究所のある南峰まで岩場を登り当初予定の山行コースの龍王岳の登山道分岐まで来ましたが濃霧の中、姿はかすかにしか見えません。
 今回は残念ながらカットして今夜泊まる一の越山荘に緩い整った登山道をゆっくり花々を楽しみながら下山します。
 雨に遭わないうちに無事山荘到着に先導して頂いたリーダーさんに感謝し皆さんで喜び合いました。
浄土山より龍王岳へ。 富山大学立山研究所 霧の中に現れた一の越山荘

 山荘では夕食までゆっくりストーブのある温かい団欒室でリーダーさんを囲み和やかな時を過ごしました。

 折角の山行です。明日は是非雄山まで登りたい気持ちは全員同じです。


 気になる天候こればかりは祈る他ありません。夕食後は雨音がする中消灯就寝しました。
ストーブを囲みミーティング 夕食
≪二日目(9/4)≫ 

 朝方は少し雨足も弱まったかに見えましたが濃霧で雄山の姿も時々しか見えません。
 予定通り朝食後いつでも出発出来るよう身支度をしてリーダーさんの指示を待ちます。
 
 「濃霧が流れる時間まで暫く待ってね。」とリーダーさん。何度か様子を伺い乍らその時を見定めていられます。

 外は雨と風が更に強くなってきます。会員さんからはこれでは無理かもとの声が・・・。

 リーダーさんは何度も何度も様子見をされての最後の状況判断です。

 「今日は雄山断念これから室堂に向かいます。」
朝食 10年前からの定番のソーセージエッグ

 一同しっかり身支度確認して強い風雨の中、足元スリップしないよう気を付けて下山開始。

 顔面に風雨が当たります。気温は4〜5度途中の雪渓は雨で溶けたところが凍っています。 

 一歩一歩しっかりキックして歩き越します。
 漸く室堂ターミナルが見えてきました。

 嬉しい様なしかしもう山行も終了なのかなと寂しい気持ちになり複雑です。

 悪天候の中全員無事に下山誘導頂いたリーダーさんに心から感謝します。
 雨で凍った雪渓を降りる さあ、もうすぐ室堂ですよ。
なんとなんと雨がやんだ。

 濡れた雨具等を着替えバスで立山有料道路を下りグリーンパーク吉峰にて温まり疲れを癒します。
 冷たいビールで喉を潤す会員さんそしてお好みの昼食でお腹も満たされ一路新潟へ。

 この度の山行では経験豊富なリーダーさんの冷静で沈着な先導力に感動し貴重な体験をさせて頂きました。本当にお疲れ様でした。

 是非次回立山雄山に再挑戦させて頂きたいと強く思いました。 ご一緒の皆様お世話様でした。これからも宜しくお願い致します。

 <リーダーからのコメント>
 天気予報がころころ変わり決行か中止かの判断が難しい山行でした。でも宿泊予定の一の越山荘が室堂から歩いて1時間と至近距離にあったのが決行を促しました。
 雄山は登れなかったけど、それなりに思い出のできた山行ではなかったかと思います。