会山行紀行文
TL-37
2015年
 7.4(土)
曇り
天元台高原
お花畑、湿原コース

1963m
参加者 (紀行文) 2097 T/Y
19名
(男性5名・女性14名) (写真) 2097 T/Y
≪コースタイム≫
新潟駅南口(6:05)=聖籠新発田IC=(日本海東北自動車道)=荒川胎内IC=(国道113号・県道2号)=天元台ロープウェイ湯元駅(8:55)
≒天元台高原駅≒北望台(1820m)(10:10-10:16)…かもしか展望台(1940m)(10:52-11:05) …お花畑…人形石(11:37-12:28)
…お花畑・大凹(12:52)…北望台(13:57)≒天元台高原駅≒天元台ロープウェイ湯元駅(15:06)=(国道113号・県道2号)=荒川胎内IC
=(日本海東北自動車道)=新潟亀田IC=新潟駅南口(18:40)
≪紀行文≫
〜初夏のお花畑と西吾妻山を代表する湿原を巡る〜

 実は、天元台高原お花畑・湿原コースと銘打ったが、天元台高原(1350m)からさらに600m高い中大巓(1963m)周囲の人形石・小凹と西吾妻山との間の鞍部・大凹の湿原・お花畑を巡るコースである。

 リーダーとして2回目のトレッキング山行であったが、初回の時のメンバーは通常山行に参加するメンバーばかりで実質今回が初めてのトレッキング、普通の登山では普段考慮を必要としないが、トレッキングとして考えた場合の危険個所の調査などで5日前に事前調査を行った。
 ロープウェイの後はリフトに3基乗るが、乗り降りには転ぶなど危険が多いので各リフトの管理人に頼み込み、今週土曜日に20人弱連れてくるので、リフト乗車の際は配慮を要請してきた。つまり、ゆっくり乗り降りしたいのでリフトの制御(止めたり・ゆっくりにしてほしい。)をお願いしてきた。
 リフト終点の北望台からは本格的な登山道、急登で大きな石の上を登っていく場所なので、通常25分歩くところを45分〜1時間を目途に歩く、かもしか展望台からはほぼ木道であるが平らな木道は少なく登り下りが厳しくて段差も多い。これらの対応を考え当日を迎えた。

  この時期の天候はめまぐるしく変わる。晴から雨に、前日もほぼ2時間おきに調査し小雨・雨・曇りと目まぐるしく変わる。明日は曇りと判断し午後に決行を決定。
 事前調査で見事な花畑だったのでこれを見ていただくのは曇りでも満喫していただける。

中大巓・西吾妻山はオオシラビソの原生林、ハイマツの広がり、そして高層湿原には可憐な高山植物が豊富で、山頂よりも周辺に見どころが多く、湿原や湖沼が点在するほか、シーズンにはチングルマなどが咲き乱れるお花畑がある。日本百名山に選ばれた西吾妻山は吾妻連峰の最高峰で2000m峰でありながら、山形県側からは天元台スキー場からリフトを利用して容易に登ることができる。

  さて当日、新潟の朝は少し強い雨、新潟駅集合時には雨は上がっていた。
 新潟駅から17名、新発田で2名を乗せたマイクロバスは新潟駅6時過ぎ出発、日本海東北自動車道・国道113号・県道2号など経由で予定より1時間も早い8時55分天元台ロープウェイ湯元駅駐車場に到着。
 白布温泉と天元台高原を結ぶロープウェイは、冬季営業終了後にワイヤを全面交換したため例年より1カ月近く遅い今回計画の1週間前に開通した。

  ロープウェイ湯元駅内で登山準備。リフトの3基連続で乗ると寒くなるので、1枚厚手の服などを着こむよう指示し、9時20分発のロープウェイに乗り込む。今日は土曜日にかかわらず駐車場はガラガラ、ロープウェイ内も我々グループ以外は2人乗車した程度で、比較的空いていた。

 ロープウェイ天元台高原駅に5分程で到着後は、歩いてリフト1基目から乗る。2人ずつ乗車するが、乗る・降りる時に降り易い側に慣れていない人を乗せるよう指示した。乗車中は時々リフトがゆっくりになったりしていたので、リフトの管理の方が乗り降りに配慮していることが分かった。

  リフト2基目・3基目の下には高山植物が自生しており、花の名前の標識が所どころありそれを眺めながら登っていく。コバイケイソウやハクサンチドリ、ゴゼンタチバナなどが可憐な花を咲かせていた。素晴らしいカメラを持っていたメンバーは、望遠で撮影したとのこと。
ロープウェイ湯元駅内で登山準備   2基目のリフトに乗る  このリフトが一番長い3基目のリフト
  
 リフト3基を乗り継ぎ、標高1820mの北望台へ到着(10:10)。ここからは米沢盆地(北西方向)の眺めが見事なところであるが残念ながら霧で見えない。しかし、北望台で早速花に詳しい人がベニバナイチゴを発見、濃い紅色の可憐な花が咲いていた。

 ここから本格的な登山、長いリフト乗車で寒くなっている人が多いので、そのままの服装で歩くことにし、急登なので途中で調整することにした。
 さて、石がゴロゴロで急登、本当にゆっくりと登り始めた。
 3基目のリフト終点の北望台へ到着 北望台の濃い紅色の可憐な花
ベニバナイチゴ
 北望台で本格登山準備

 延々と足元を見て登れば気分も落ち込むが、登山道の周りは高山植物が次から次に咲いていたため、お花の鑑賞・お花の説明などわいわいがやがやと楽しいおしゃべりが続く。そんなことから予定時間45分〜1時間よりかなり早い36分でかもしか展望台(1940m)に到着(10:52)した。
 本来は見晴らしの良い所で天気が良ければ西側には飯豊連峰が大きく聳え、北側には朝日連峰や月山、蔵王の山々が望める。  
 ここから岩場の急登が始まる登山口  岩の多い登山道  霧霞んでいるかもしか展望台に到着

 事前にバスの中で説明しておいた早く着けば人形石で昼食するとしていたし、展望もよくないので若干休憩して、人形石に向かう。
 そこから少し登るが、西吾妻山・大凹との分岐点へは下りですぐに西吾妻山の梵天岩・湿原地帯の大凹が一望できる場所に来た。
西吾妻山・大凹との分岐点への下りですぐに西吾妻山の梵天岩・湿原地帯の大凹が一望  池塘と高山植物に囲まれた木道を歩く  あちこちにあるコバイケイウの群生

 人形石に向かう木道を歩いているとコバイケイウの群生、木道脇にチングルマの群生・ヒナザクラ・コイワカガミ・ワタスゲが次から次と可憐な花を見せている。感嘆の声、感動の連続である。
チングルマ・コイワカガミ   ヒナザクラ  ワタスゲ

 西吾妻山・大凹との分岐点からは少し登りであるが、チングルマの群生・ヒナザクラ・コイワカガミ・ワタスゲが次から次と可憐な花を見せているせいか、登りで辛いという声が出ない。当然、途中で写真撮影の時間も取る。  
 木道で初めて5〜6人のグループに遭遇、
声をかける
チングルマの群生があちらこちらに   ハイマツ・コバイケイウチングルマ・
コイワカガミの中の木道を歩く 

 人形石に11時37分到着。
 昼食とすることにした。少し風があったので人形石の陰でいくつかのグループに分かれて昼食。
 空が薄曇りで太陽が少し望むような状況で温かい。

 霧も晴れ一切経山・家形山・烏帽子山・東大巓・藤十郎の縦走路と山々や、東吾妻山・中吾妻山がよく見えたのでそれらの山々を説明。

 集合写真を撮影し12時28分に西吾妻山との分岐点経由で大凹に向かう。  
 人形石への木道の登り  人形石へ到着
人形岩にあった吾妻山高度指導標
人形石で昼食・後ろ西吾妻山 人形石で集合写真  
西吾妻山と大凹が一望 西吾妻山・大凹(左)と
かもしか展望台(右奥へ)の分岐点
大凹へ木道を降りる

 大凹は鞍部なので、少し急な下りもあり、雪渓も残っている。
 登ってくる人が雪渓で滑っているのを見て、雪渓での歩き方を説明し滑らずに木道まで降り、大凹に到着(12:52)。
 本来、土曜日でもありこの時期は花を見にくる登山者が非常に多いはずで、木道は大混雑・休憩場所の確保も難しいはずであったが、今日は数人の登山者に逢ったのみ。大勢のグループは我々だけなので、登山道・木道ともスムースに歩けた。なんて幸運。 
 途中で水芭蕉に  大凹と雪渓が見えてきた  雪渓

 大凹にもチングルマ・ヒナザクラ・コイワカガミ・ワタスゲが咲いていたが、なんといっても池塘が点在しており、風景がよい。
 写真撮影の時間をかなりとり、休憩する。十分可憐な高山植物を堪能し、休憩もとったので13時5分出発し、下山開始。
 雪渓を降りる 大凹を散策・休憩  池塘と正面奥が一切経山とすぐ左が家形山、手前左が東大巓、右が中吾妻山

 ここからゆっくりと登り、振り返って湿原地帯と西吾妻山を見ながら歩く、同じ道を戻るのであるが、登るときの風景が違うのと登るとき見れなかった花が見れるなど、そう気分も落ち込まなく北望台へ到着。
 3基のリフトに乗るころは、米沢盆地がはっきり見え、お花も鑑賞しながら下る。
西吾妻山と大凹を背に惜しみながら
かもしか展望台へ
岩場の急坂を慎重に降りる  北望台下山口に到着 
 北望台からリフトに 天元台高原のペンション村が見える 天元台ロープウェイ湯元駅に到着

 今回、この山行の募集時の会費は8,900円、山行計画配布時には8,100円であったが、ロープウェイ・リフト代が1,300円安くなり、参加者の増加などでさらに安くなったおかげで、精算時は6,500円まで下がった。
 このロープウェイ・リフト代の割引は地域活性化等緊急支援交付金のおかげであるが、さらにこの割引券には500円の商品券がついていた。
 そこで、帰りに白布温泉内の酒屋兼土産物店に寄り、500円の商品券を土産購入・ビール購入などに使ってもらい参加者から喜んでもらった。

 今日は、天候に恵まれ曇りでしたが全く雨は降らず、怪我も事故もなく終了いたしました。これも、LL、班長、会計さんとメンバーの皆さんに恵まれたおかげです。
 これからも、山行でご一緒することがあると思いますが、今後ともよろしくお願いします。