会山行紀行文 2014年
 05.04(日)〜05.05(月)
 晴れ   曇り後雨
(こぶしだけ)
甲武信岳
(戸渡尾根)
2475m
参加者 (紀行文) 1507 N/O
単独
(女性1名) (写真) 1507 N/O
≪コースタイム≫
<3日>
 自宅18:00=八ケ岳PA(車中泊)
<4日>
 甲府昭和IC=ほったらかし温泉(4:35−5:50)=西沢渓谷P(6:35)…西沢渓谷(7:20)…徳ちゃん新道登山口(7:40)…近丸新道分岐(9:50-10:05)…戸渡尾根分岐(12:50)…▲木賊山(13:05)…甲武信小屋(13:35-13:50)…甲武信ヶ岳(14:15-14:30)…甲武信小屋(14:50)
<5日>
 甲武信小屋(5:35)…木賊山(6:03)…戸渡尾根分岐(6:10)…近丸新道分岐(7:40)…徳ちゃん新道登山口(9:00)…西沢渓谷(9:10-11:40)=西沢渓谷P(12:25)=はなかげの湯 入浴・昼食(13:00-14:35)=甲府昭和IC=自宅(20:20)
≪紀行文≫
                                 〜〜〜きっと、又行きます!〜〜〜

 平成8年5月に毛木平から甲武信ヶ岳日帰りピストンで行って以来18年振りの甲武信ヶ岳です。

 最近、奥秩父関連の小説「春を背負って」や山田哲哉「奥秩父 山、谷、峠 そして人」などを読む機会があり、今年の連休は奥秩父主脈縦走路を少しでも歩きたいと思っていました。

 笠取小屋へは直前まで連絡が付かず、甲武信小屋へ登山道の問い合わせなどしますと、雁坂峠への縦走は今は雪があるので、避けた方が良いでしょうとのことで、西沢渓谷散策も兼ねて、そちらから小屋泊まりで計画しました。
 

 HP管理人F氏の兼ねてよりのお薦め「ほったらかし温泉」は通り道にも当たるので、是非夕日の富士を眼下の夜景を見て、車中泊しようと思っていたのですが、やはり連休初日は家での雑事をしなければならずに、入館時間21時までに入ることは出来ずに(ほったらかし温泉は日の出1時間前〜22時(受付21時)八ケ岳PAで車中泊をして3時過ぎ頃に出て、ほったらかし温泉へ登山前の朝風呂と富士山を眺めることが出来てラッキーでした。

 この温泉の駐車場は砂利地にロープで仕切っただけなのですが、閉館と開館前の間は駐車禁止で、すぐ下の笛吹川フルーツ公園に駐車可で、開館を待つことが出来るそうです。駐車場は既に満員でした

 連休中とあって、若い人、家族連れが多かったでした。

 
 無料休憩所が2棟あり、ここで仮眠も出来そうです。
 温泉手前の道路から
温泉入口 無料の休憩所が2棟あります。 広い休憩所内です(仮眠できそう)

 「こっちの湯」と「あっちの湯」があり、料金は自販機で買い、それぞれの湯で800円、日の出を見るなら「あっちの湯」がお薦めとあったのですが、F氏お薦めの「こっちの湯」へ入りました。露天が2つと狭そうな内湯が1つありました。

 正に富士山に対峙しての入浴です。ただし、撮影禁止って書いてありましたので、残念ながら撮れませんでした。

 これから長い登山前なので、ゆっくりと寛ぐ訳にもいかずに仕度をして出ます。

 ナビにはくれぐれも、此処の名前、電話番号、住所等々で入れないで下さいとのことで「笛吹川フルーツ公園」で入れて、公園の駐車場を突っ切る形で進みます。標高は680mあります。
説明書を読んでどちらを選択するか…? こっちの湯にしました 温泉を出た処からの富士山

 西沢渓谷は道の駅「みとみ」を目指して行くと、その突き当たりなのですが、無料の駐車場が満員の時には、この道の駅にも駐車出来ると書いてあります。幸い、近い場所での駐車場に停めることが出来ました。

 西沢渓谷を少し歩いてみますが、やはりこれは下山後の楽しみにして朝食を食べ、歩きます。

 長い尾根なのに「徳ちゃん新道」とは可愛い名前が付いていますが、甲武信小屋の山中徳治さんのお名前から付けられたのです。

 尾根は落葉松の芽吹きは始まったばかりですが三葉躑躅が咲いていました。
 
   「奥秩父 三葉躑躅に 迎えられ」

 甲武信ヶ岳と言えば石楠花が有名で咲き揃えば「石楠花のトンネル」になることでしょう。 
ゲートの脇を歩いて行きます。
 この尾根は樹林帯の中の歩きが続き、時たま眼を引く木があると嬉しくなります。


「徳ちゃん新道」とは可愛い名前 落葉松の芽吹きが始まったばかり
三葉躑躅 咲き揃えば「石楠花のトンネル」 岳樺

 近丸新道との合流点に出ます。
 こちらのコースも徳ちゃん新道も時間は同じですが、ガイドブックでは悪天候や初心者は徳ちゃん新道を歩くようにと書かれてあります。

 ここまで「山と高原地図」では2時間30分と書かれていますが、とにかく、ひたすら登り&登りです。
 私のような軟弱者でも、3組くらいグループを追い越して行ったのですが、私の休憩は少し歩いて、10秒くらい息を整える為に休み、5分を越える休憩はしない、そして、ゆっくり、ゆっくり登って行きました。

 残雪が目立ってきましたので6本の軽アイゼンを着けます。

 やがて、雁坂峠へ向かう道との分岐に到達。此処から雁坂峠、飛龍山への間は、未踏で、いつか是非小刻みで良いから歩きたい!
近丸新道との合流点に出ます。 雪が出てきました。 雁坂峠へ向かう道との分岐

 やっと木賊山に辿り着きました。
 標識は雪に半分埋もれています。

 そして、甲武信ヶ岳が見えてきました。
 雪は無いように見えますが木の下にはあります。

 分岐からも雪はべったり続いている訳ではなくて、所々は無い箇所もあるのですが、アイゼンの脱着を繰り返す訳にはいかずに着けたまま歩きました。
雪に半分埋もれた木賊山の標識 甲武信ヶ岳が見えてきました

やっと甲武信小屋に到着です。

 小屋の周りには残雪がありましたが、煙突からの煙は暖かそうに迎えてくれました。

 まずは受付をして(何と一番でした)山頂へ。

 18年振りの来たとは行っても、まったく異なるコースだし、先回は小屋も覗いていないので初めてと同じです。

 でも、山頂のあの、大きな標識はよ〜く覚えています。
 やっと到着した甲武信小屋です

 小屋後ろから直登で雪の上を登り、岩場に出ると、まったく雪はなくなります。
 当時はまだ、デジカメではなく、この石の上に上がり、標識を抱くように記念写真を撮りました。

 懐かしい山頂標です、18年前から、私も標識もお互い年取りました!!

 この山頂は山梨、長野、埼玉の三県に跨ります。

 富士山が見えたのは朝の内で、ガスが上がってもう見えません。

 甲武信ヶ岳からは日本百名山が42座見えるのだとか・・・、
 この日目視できたのは黒金山 乾徳山、金峰山等々で、八ケ岳方面も見えたのですが、カメラでは???。

 毛木平から来た人に聞きますと、千曲川・信濃川水源は雪の下だったそうです。
懐かしい標識です
山梨県側に立つ山頂標  黒金山 乾徳山  金峰山・甲斐駒ケ岳

  さて、小屋に戻り、持参したバーナーが着火せず、お昼のラーメンを食べ損ねたので、おでんとビールでまずはホット!!

 小屋には真新しい薪ストーブが、浅見鉄工作成「かえる型」薪ストーブで実は本日、使い始めとか!
 オプションが付いていて特製だそうです。

 食前、食後に「かえる君」を囲んで、東京からの3人男性、静岡からの4人女性、山形からの単独男性などなどと山談義が弾みます。
 東京からの3人男性は大弛峠でタクシーで上がれるところまで来て(雪があり、まだ冬季閉鎖中)国師ケ岳を通って来たそうです。
 私も遥か昔、此処から「国師ケ岳・北奥千丈岳」など行ったことがあります。
 静岡からの4人女性は、かつては沢登りのされたというベテランで、毛木平からでした。
 県外の方が新潟の山を登った話を聞くと、自分はさっぱり登らないのに嬉しくなってきます。 
 
 食後は巨大なテレビジョンで、かつて撮影されたビデオ鑑賞。
 
 食中、食後と楽しませてくれたのが、小屋で購入した“秩父錦”。
 甘口で、いくらでも呑めそうで、いくら呑んでも酔わなさそうなお酒(?!)。
浅見鉄工作成「かえる型」薪ストーブ  「徳ちゃん」と一緒に。 秩父錦 
  
 さて、翌朝はグンと冷えた中をガチガチに凍っている雪の上をアイゼンのシャキシャキと踏みしめる心地良い音を聞きながら、用心して下山。

 往きはひたすら登り、帰路はひたすら下る戸渡尾根は、眺望も聞かず、花もまだでしたが、何か大きな充足感を与えられました。

 下山後は観光客(殆どはカップル、家族連れ)で賑わう西沢渓谷を散策。
 入口にはパトカーが2台駐車していてスピーカーで危険です、用心して歩いて下さいとアナウンスしていました。
 最後のお目当ての「七ツ釜 五段の滝」は崩落箇所があるとかで、直前で通行止めとなってました。

 往きも帰りも関越道は避けて、中央道、長野道で走りましたので、渋滞は無し。
 上信越道で、上越JCT前4kmは少々渋滞でしたが、殆ど通常通りの流れでした。

 徳ちゃんに「8月に、又、お出でヨ!」と言われました。きっと、又行きます!