会山行紀行文 2014年
 9.28(日)
晴れ後曇り
(なえばさん)
苗場山
  2145m
参加者 (紀行文) 2117 Y/N 
19名
(男性8名・女性11名) (写真) 1759 K/T
≪コースタイム≫
新潟駅南口(6:10)=小赤沢登山口(9:15-9:30)…頂上(12:45-13:15)…小赤沢登山口(16:00-16:15)=楽養館(16:30-17:15入浴)=新潟駅南口(20:15)
≪紀行文≫
                           〜〜〜広大な湿原、多数の池塘など景色を楽しみながら〜〜〜
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 苗場山ときいただけでその響きからなぜかわくわくしてくる。
 前日インターネットの山の天気予報を確認すると、登山指数は2日間ともAレベルである。快適な山旅が楽しめそうだ。気分がますます昂揚してくる。
 苗場山は新潟と長野の県境に横たわる雄大な山で、山頂は4Km四方にも及ぶ高原状の台地で、そこに広がる湿原が最大の魅力であると山友から聞いていたので、いつかは登ってみたいと思っていた一座であった。
 苗場山は、秋山郷の人たちにとっては農耕のための霊山で、守り神として大切にする信仰の山であるようだ。

 新潟駅南口を予定通り出発。巻I.C、栄I.Cからの途中乗車のメンバーも全員揃って、晴れ上がった空の下マイクロバスは目的地に向かう。車中、リーダーより登山に関する注意事項の説明、そして5日前に下見に行ってきたときの山頂の紅葉の素晴らしかったことなどの話があった。

 関越自動車道・越後川口I.Cを降りてから国道117号を十日町〜津南を経由して秘境秋山郷に進路をとる。

 小赤沢からすれ違いも難儀な狭い林道をバスは登山口(3合目)の駐車場に辿りつく。
 既に駐車場には40台以上の乗用車がびっしりと並んでいる。
 ナンバープレートを見ると方々の県から来ているのがわかる。さすがに日本百名山である。

 早速、各自身支度を整えたものから準備体操。班長のメンバーチェックが終わっていよいよ登山開始である。

 登り始めるとすぐに3合目(1310m)の標柱があり、ここから樹林帯に入っていく。

 登山道は、次第に坂がきつくなり、大木の根っこが縦横に露出しており非常に歩きづらいが、木々は黄葉で色づいておりみなさん楽しみながらの歩きである。

 4合目(1470m)から緩やかな樹林帯の中の湿気の多い道を行くようになるが、根っこの道はまだまだ続いている。

 視界が開けてくると猿面峰の斜面は紺碧の空の下、黄色や赤のモザイク模様で美しい。

 5合目(1580m)あたりからは、下山の人たちとの擦れ違いラッシュで順調な登りが出来なくなった。
 6合目(1750m)を過ぎるころから、傾斜はさらにきつくなり、8合目(1940m)までの間には、数ヶ所の急な岩場がありロープ・鎖を使って足もとに細心の注意を払って通過する。

 8合目を過ぎ、辺りがササハラになるころに急登も終わる。坪場(2036m)と呼ばれる山頂の一角に出ると視界が一気にひらけ、草黄葉の湿原が目の前にパッと広がる。
 みんなが瞬間的に歓声を上げる。道は湿原の中の木道に変わる。
  
歩き辛い急登を進む
4合目で一息
8合目を過ぎ、山頂の一角に出る
 
 ここから9合目、山頂までは広大な湿原、多数の池塘など景色を楽しみながらの快適な湿原歩きとなる。
 晴天の下、広大な高層湿原にガスがどんどん流れていく。鳥甲山など秋山郷の山々も望める。

 苗場山頂の一等三角点をタッチ。
 集合写真を撮った後、昼食は苗場山頂ヒュッテの周りにある木製のテーブルを利用するもの、湿原をおかずに湿原の中の休憩所で食事をするものさまざまである。
 湿原に設けられた木道をあちこちのんびりと散策したいところだが、この時期、日が落ちるのが早いので、夕暮れ前には下山したい。

 素晴らしい広大な景観の湿原・池塘に別れを告げ、木道を一歩一歩踏みしめながら歩く。木道は長い年月の間、風雪に曝され随所に朽ち果てているところが目につく。
 帰りは小赤沢へ往路を戻ることになるが、ロープや鎖場の急降下には十分に注意して下る。 
山頂間近の湿原(池塘と草紅葉)
名残惜しいが下山開始 山頂での集合写真

 事故もなく全員が元気いっぱい下山。帰路の途中、小赤沢温泉「楽養館」で汗を流す。ここの温泉はぬるく赤茶けた色をしており珍しい。
 5時を過ぎ日が落ちてしまうと、山脈は黒いシルエットとなり、周りは闇に溶け込んでいく。帰りを急ごう。

 気がついたことがある。昔から名山と呼ばれているのは、平野からよく見える山である。山頂がはっきり見える山である。
 苗場山は、登っている途中でも山頂がどこかわからない。しかし、広大な湿原が山頂というあまりにも個性的な山だから名山なのだろう。

 この度の山旅は、私にとって待望の苗場であった。さらに感動の苗場であった。いつの日か、ゆっくりと湿原を歩いてみたい。

 好天に恵まれ、素敵な山友に恵まれ、最高の山旅でした。チーフリーダー、班長さん、会計さん、サブ・リーダ、ラスト・リーダーのみなさんありがとう。