会山行紀行文 2014年
 05.02(金)
晴れ
塩の道@
天神道越えコース
参加者 (紀行文) 2117 Y/N
49名 (写真) 2052 M/T
(男性10名・女性39名) (俳句)  557 T/K
≪コースタイム≫
新潟駅南口(7:00)=糸魚川IC=道の駅小谷(9:55-10:10)…湯原温泉・昼食(12:10-13:00)…姫川温泉(14:35)=道の駅小谷・入浴(14:50-15:40)=糸魚川IC=新潟駅南口(18:40)
≪紀行文≫
                      〜〜〜昔のままの道筋、昔と変わらぬ風景、往時の姿を偲ばせる。〜〜〜

 古道『塩の道』のトレッキングということでしょうか参加人員が多く、小型バス2台48名の山行です。うち男性9名。いつもながら女性パワーに圧倒されます。

 新潟から北陸自動車道糸魚川ICを経由して国道148号で道の駅「小谷」までの道程です。

 道中、リーダーから山行中の注意事項、コースについての説明がありました。

 リーダーの心配りで事前に取り寄せてくれたパンフレット「塩の道を歩く」は大変貴重なもので大切にしたい。


 道の駅・おたりに着くと、早速準備に取り掛かる。各自準備体操が終わると班ごとに点呼。
 
 
 晴天の下、さぁー塩の道・天神道越えのスタートです。みなさんわくわく気分が満杯です。

 国道沿いにある道の駅の眼下には姫川の激流の音が清々しい。

 少しばかり島温泉まで国道沿いにすすみ、国道を外れたところに塩の道の標柱が立っていた。 標柱を頼りにここから緩い山道に入っていく。

  若草の 踏みよく晴れし 塩の道

 ゆっくりゆっくりペースで歩きながらカタクリの群生に癒され、手入れの行き届いた杉林の美しさに見惚れ、路傍の石仏群に歴史を感じる。

  七体の 石沸古りて 若草萌ゆ
道の駅小谷を出発 
島温泉から塩の道のスタート 時にはカタクリの道となり 杉並木の道となり

 城の越の水場に到着、休憩。ここの高台にカヤを円錐状につくった三体のお社がある。
 神を祀る原初風景。ここで集合写真を撮る。

  山すみれ 茅の三峰 さまおわす

  茶店跡 清水の味の やわらかく
新緑が眩しい中を 眼下には原風景のこる小谷の村 萱でできた祠の三峰様
集合写真1号車 集合写真2号車

 島から湯原までの道が天神道と呼ばれている。城の越をあとに塩の道は湯原へ向かう。
 姫川を避けて山腹を高巻く道は往時の姿を偲ばせる。昔のままの道筋、昔と変わらぬ風景、いま塩の道に立っているだけでロマンを感じぜずにはいられない.。 

  道細くなり 山吹の 花明り
往時の面影を残して 時には足場の悪い道も 快調に歩が進みます

 この古道をボッカや牛方や牛たちが盛んに行き交ったことを想像していたところ、突然リーダーの熊がいる!の叫びで、みんなは一瞬にして立ち竦んでしまった。
 リーダーが笛を吹き鳴らすと、つづいて4〜5人が笛を吹き鳴らす。静寂の空間に暫くは笛の大競演である。熊は恐れをなしたか、もう我々の前に姿を見せることはなかった。
 熊に遭遇した先頭の3人の話によると、小熊は沢筋から我々の前方を横切って斜面に向かって登って行ったとのことだった。 

  蕗の道 小熊横切り 笛ひびく 
橋を越え  時には里の中の道も   階段を上がり一旦国道へ  

 湯原で中途リタイヤする者もなく全員完歩を目指すことになった。湯原でランチタイムとする。
 ここは姫川に面し、清流の音が周辺に沁み入る広々とした日溜りの高台は、ランチには絶好の場所である。
 清流を眺めながら、思い思いにおかずを分け合っての食事は最高に楽しいひと時である。

  谷川を 見おろす昼餉 蟻も来て

 ランチで体力が回復したところで出発である。
 姫川に面する川原の高台には猫鼻石仏群が土石流の大参事を免れ無事残っていた。

  石佛群 山人参の 咲き満ちて

  色褪せし 頭巾の地蔵 野水仙

 塩の道の標柱をたどって歩きつづけると信州と越後の国境、新国界橋に達する。自動車の通行が激しい国道148号を注意深く渡りきると、平成7年の大水害の犠牲者を祀る供養塔が建っている。
 防災工事のため山の斜面は削り取られコンクリートに覆われている山容は、なんと痛々しいことか。

 犠牲者のご冥福をお祈りして、本日の最終コーナー葛葉峠越えである。この峠越えは九十九折の道で少々きつかった。
 湯原から平岩までの間、姫川を高巻いて付けられている道である。

  千年の 古木にポッカ 汗拭くと

  峠路の 大佛に添ふ 八重桜

 峠越えで急こう配な道がつづく中にも、新緑の木々の薫りや花々を愛で、姫川の瀬音をたどる、癒しの道でもあった。
姫川を見下ろして楽しいお昼   猫鼻の石仏群

ボッカトチノキ下で蕗の薹採りも  


  葛葉峠越えを終えるとあとは旧国道を歩いて平岩のいで湯の広場のパーキング場を目指す。
 そこにはバスが待っていた。天神道越えコースはここで終了である。みなさん最後まで歩き切った達成感はひとしおであろう。

 道の駅小谷・深山の湯で汗を流しさっぱりとする。バスは新潟に向かって帰路に就く。

  露天の湯 ついとかすめる 初燕

 リーダーはもとより、係りを担当されたみなさんご苦労様でした。ありがとうございました。
 楽しい山行でご一緒になったメンバーのみなさんに感謝。
  
≪天神道越えコースのポイント≫

@唐沢の庚申(こうしん)塚
 一帯は昔がよく残されている地帯。
A城(じょう)の越
 信州から越後へ向かう道中で、初めて越後の村が見えるところ。尾根には山城があった。現在は茶屋跡と水場がある。
 松の大樹があり、その根方に大日如来(又は牛頭観音)。
B三峰様
 農業神として言い伝えられ、盗難・火災除けの神である。 カヤを円錐状にした素朴な社。神を祀る原初風景がある。
C砂山の石仏
 大きな牛方・ボッカ宿のあった所。ヒスイの山で知られた明星山が仰がれる。庚申塔を祀る。
D道筋(どうず)の大岩
E猫鼻石仏群
 大日如来・二十三夜塔・念仏百万辺供養塔・庚申塔を祀る。
F供養塔(蒲原沢)国道148号線
 平成7年の大水害の犠牲者を祀る。
G葛葉峠
 峠の手前の蒲原沢が信越国境であるが、地形上この峠をもって境とする感が深い。前方に明星山を仰ぐことができる。
Hボッカトチノキ
 「葛葉の大栃」の名で知られている。ボッカが大きな日陰で休息した。
 糸魚川市の天然記念物に指定。
I白馬大仏
 糸魚川の個人の方が作られた