会山行紀行文 2013年
 10.13(日)
晴れ
(きょうがだけ)
経ヶ岳
2296m
参加者 (紀行文) 2070 S/F
9名
(男性3名・女性6名) (写真) 2070 S/F
≪コースタイム≫
仙流荘(6:00)=仲仙寺(6:45-7:00)…第一ピット(7:30)…四合目(8:30)…六合目(9:45)…八合目(10:55-11:00)…経ヶ岳山頂(11:50-11:55)…八合目(12:35-13:20)…四合目(14:45)…仲仙寺(15:45-16:00)=入浴=新潟(21:40)
≪紀行文≫
                          〜〜〜とても難儀な山だったが、それ以上の満足感があった〜〜〜
 昨夜の適度のお酒と早々の睡眠が効いたのか、朝まだ明けやらぬ内からスッキリと目が覚めた。

 今日の登山は日本二百名山“経ヶ岳”。流石二百名山ともなると、様々なガイドブックにも出ているし、インターネットでも直ぐ検索ができる。
 しかし、調べれば調べる程“難儀な山”のイメージが知識として頭に取り込まれる。
 “経ヶ岳”は中央アルプス(木曽駒ヶ岳や空木岳)の最北端に位置し名前“経”からして信仰の聖地的山らしい。
 そして登り5時間、下り3時間少々の“静かな山が味わえる本格派向け登山コース”と記されている。 もうこの記載で充分緊張してしまう。

 早朝宿を出発し、途中コンビニで昼食を購入し登山口の仲仙寺に向かう。

◇登山口〜4合目(いきなりの難路連続)

 早朝雲ひとつない空のもと、登山口の仲仙寺山門脇の駐車場で登山準備をする。
 とても風はさわやかで肌寒さすら感じる。最高のコンディションと言える。

 またこの駐車場からの展望も素晴らしい。

 登山準備を整え、参道に立つ六体のお地蔵様に見送られ登山開始、本堂に向かう階段手前を右に入ると登山道となる。
立派な仲仙寺本堂
山門脇の駐車場で準備 六体のお地蔵様に見送られ 本堂に続く階段を登らず右手に入る

 登山道は鬱蒼とした樹林帯の急な登りを進むが、風も無く結構汗ばんでくる。
 途中“第1ピット”と書かれた小さな看板が置いてある小さな広場で最初の休憩をとる。
鬱蒼とした樹林帯を登っていく “第1ピット”と書かれた小さな広場で最初の休憩

 第1ピット以降はますます道が狭く歩き辛くなってくる。
 山の斜面をトラバース気味に作った道は非常に狭く傾いている為、雨など降られては、とてもまともに歩けないと思える。
 やっと大泉ダムルートとの分岐点である4合目に到着(此処からはまともな標柱が続く)。
 4合目から少しだけ登山道らしくなった。
 足元が見えない笹藪が続く やっと4合目(時間が書かれていて安心) やっと登山道らしくなる

◇4合目〜6合目(まだまだ暗いコメツガの林が連続)

 やっと登山道らしくなるも、依然と暗い登山道が続くし、所々の狭い斜めの道には閉口する。
 ただ、5合目を過ぎ6合目が近付くと樹林帯の木々も紅葉樹が多くなり登山道も明るくなってくる。
僅かに陽が差す5合目で休憩 徐々に広葉樹が増えてくる 大きな岩が特徴的な6合目に到着

◇6合目〜8合目(明るく歩き易い広葉樹の登山道)

 6合目を過ぎると登山道に陽が差し、沢方面からの風も爽やかに感じ気持ち良く足が前に出る。
 ブナの木も多くなり、途中L字型に曲がった名物ブナもある。
明るい広葉樹(ブナ等)が登山道を明るくしてくれる 幹がL字型に曲がったブナ

 またこの付近のカラマツには苔のような着生植物が絡まっており、リーダーから「サルオガセ」との説明がありました。
 “サルオガセ(地衣類)”はその形から「霧藻」ととも言われ、地衣類は菌類のように木を養分にして、木を腐らせることはしないで、空気中の水分を直接吸収し、光合成により自生しているそうです。

 前方が明るく開けた急登を上がり切ると、気持ち良い小さな広場の7合目に到着。
カラマツに着生している“サルオガセ” 前方が明るく開けてきた 7合目到着

 7合目から少し下り、穏やかな登山道を進む。やがて前方が開けた登りに差しかかると8合目はもう直ぐ。
 下から見上げる8合目には大きな樹木が見当たらず青空が広がり展望が期待できる。
7合目から少し下った登山道 左側が明るく開けた8合目への登り 一気に樹木が無くなる8合目到着

 到着した8合目からは南アルプス、中央アルプスはじめ美ヶ原、八ヶ岳等多くの名立たる峰々が遠望できた。
 そして“望郷”と彫り込まれた真新しい石碑が建っていた(南箕輪中学校建立と記載されていた)。

 ただ、山頂は未だ先なのでリュックをデポし山頂を目指した。
大展望の8合目に到着 8合目から望む南アルプスの山並み

◇8合目〜山頂(身の丈もある熊笹に覆われ、登山道は見えないし、騙し山頂に裏切られる)

 山頂を目指し空身で出発。9合目に向けてはやや勾配のあるアップダウンを繰り返す明るく開けた尾根を辿っていく。
 途中振り返ると近くはリュックをデポした8合目が見え、遠くは様々な山並みが望め快適に足を進め9合目通過。
9合目を目指し空身で出発 途中振り返ると8合目が良く観える 軽い足取りで9合目通過

 9合目を過ぎてから身の丈もある熊笹に登山道は埋没し、不明瞭極まりない。
 そして、幾度も繰り返されるピーク(騙し山頂)に期待し裏切られ、空身とは言え少々疲れが出始めたころ、高い木々に囲まれた山頂に漸く到着。
 登山口から約5時間の行程だった。
身の丈程の笹藪が登山道を隠す 登山口から約5時間やっと山頂に到着

 お腹も空いて来たので、急ぎ山頂での集合写真を撮り、リュックをデポしてある8合目に戻り此処でも集合写真を撮った。
山頂での集合写真 8合目での集合写真

 8合目に戻る途中御嶽山を遠望し、8合目では八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳等の素晴らしい展望をおかずに楽しい昼食タイムとなった。
 穏やかな昼食タイムも下山時刻を考えるとタイムリミットが迫り、後ろ髪を引かれるように下山となった。
 下山口の仲仙寺には略計画通りに下山することが出来た。
 8合目からの素晴らしい展望
8合目で楽しい昼食タイム 名残り惜しいですが下山開始 仲仙寺に無事戻ってきました。

 下山後、汗を流すべく入浴。後はひたすら新潟を目指し予定通り…と思っていたが、高速道路が大渋滞。
 帰りのバスで見たDVDより「登山は山頂に立つことが目的はない、無事に家に帰ることが目的なのだ」と聴こえていたが、多少新潟着は遅くはなったものの全員怪我もなく無事に戻れたことは今回の山行の目的を達成したことになる。
 少人数の山行ではあったが、リーダー始めメンバー全員のチームワークによりこの登山が成し得たと感謝する次第です。(終わり)