会山行紀行文 2013年
 09.30(月)
晴れ
志賀高原自然探勝沼巡り
(最高点)1800m 渋池
(最低点)1410m 一沼
参加者 (紀行文) 1862 Y/I
32名
(男性8名・女性24名) (写真) 1862 Y/I
≪コースタイム≫
新潟駅南口(6:05)=上信越道信州中野IC=ほたる温泉(硯川9:30-10:00)=(前山リフト)=前山湿原(10:02)…渋池(10:05)…ヒョウタン池(10:21)…木戸池(11:12-11:27)…田ノ原湿原(昼食11:40-12:20)…三角池(12:40)…上ノ小池(13:00)…長池・信州大自然園(13:09)…下ノ小池(13:34)…蓮池(13:53)=丸池=サンバレーP…琵琶池(14:15)…一沼(14:33)…サンバレーP(14:50)=湯田中温泉「楓の湯」=信州中野IC=新潟駅南口(19:00)
≪紀行文≫
                                   〜〜〜高原の森と湖沼に癒され〜〜〜
 楽山だより8月号の山行コース案内を食い入るように見つめ、さて9月はどこへ行こうかなと頭を巡らす。
 どの山行にも気をそそられるが、その中で、トレッキングの「志賀高原沼巡り」に目が止まった。
 詳報の説明にも「各池の草紅葉の色づき」とか「2000m級の山々に囲まれた大小70箇所の沼」というフレーズがやけに気を引いた。
 時期も良し、これは落とせないな。と言うことで期待に胸膨らませて申し込んだ。

 志賀高原は上信越高原国立公園の中心に位置し、原生林や多くの湖沼に恵まれた大自然いっぱいのところだ。その生い立ちを遡ると、およそ20万年前になる。
 志賀山などの火山活動により周囲の川が堰き止められ、大沼池や旧志賀湖ができた。
 火山活動はなおも続き、湖がほぼ埋め尽くされた結果、現在の志賀高原の大部分が湿地帯になり、埋め残った所に沼や池があるのだと言う。なるほど、こんな高地にも関わらず湿地帯や沼や池が点在するのもうなずける。

 さて当日を迎え、勇躍集合場所の新潟駅に向かって自転車を走らせた。
 天気予報は曇りで下り坂、しかし、空を見ると雲は多いものの晴れている。
 そして、信濃川の上、空いっぱいに見たことが無いような朝焼けが広がっていた。
 一見不気味な色でもあった。この空は吉か凶か、ええい心配しても始まらない。これは前途を祝す空なのだ
信濃川を赤く染める今朝の空。
 定刻通りにバスは新潟駅を出発した。
 道中は長いけれど、リーダーからの親切丁寧な説明、車窓から見える妙高や信州の山並み、立ち寄った道の駅等、退屈することはなかった。

 さて、今回のトレッキングのスタートは、数ある温泉の中のほたる温泉の硯川だ。
 周囲はスキー場が目白押し、さすがスキーのメッカだけある。
 まずは標高差100mほどをリフトで前山湿原に一気に上がる。ここは、標高1800mほど、爽やかな秋晴れ、絶好の日和であった。
 展望もすこぶる良く、信州の山々と北アルプスの稜線がくっきりと見えた。なんか、すっごく得したような気分であった。

 そこからすこし歩くと、早速第一の池、渋池に着いた。
 ガイドに案内された他のグループも2、3グループ居たが、コースが違うのと、平日のせいかすごく空いていた。
 ほとんど我々グループの貸し切りと言って良いくらいだった。ゆっくりと深呼吸をして景色を堪能した。
 ただ、紅葉は色づき始めと言ったところ、少し早かったかも知れない。
硯川から標高差100mをリフトで一気に上がります。 わずかに色づいた草紅葉の道を歩き始めます。 一つ目の池、渋池です。奥にそびえるのは横手山、スキーのメッカだけあって周囲には沢山のスキー場が見えました。

 ひょうたん池を過ぎ、木戸池に到着。ここで少し休憩を取った。
 なんとここで、おいしいサツマイモが皆に振る舞われた。こんなに沢山、よくぞ背負ってきてくれたものだ。
 感謝しつつご相伴に預かった。本当においしかった。
2つ目はひょうたん池、元々はひょうたん形だったのでしょうけれど、今は真ん中が切れていて、そこを歩きました。 もうじき初冠雪を被る北アルプスの連なり、鹿島槍も白馬もくっきり見えました。右手前は戸隠と高妻山。 木戸池です。旧志賀湖の名残りとか、逆光の紅葉がきれいでした

 そこからスキー場を横切ると、本日のメインエベントとも言える田ノ原湿原だ。
 湿原の端からリフトが延びているのが何とも風情を損ねるが、雪が降ればこの辺は一面の雪の原、スキーヤーで賑わう場所なのだから致しかたない。
 湿原の木道を楽しく歩き、湿原のほゞ真ん中あたりでお昼を頂いた。リーダーは良く心得ていて、昼食を摂るには最高の場所だった。
田ノ原湿原を行く一行、春から初夏にかけては素晴らしいお花畑なのでしょうね。 田ノ原湿原のど真ん中で楽しいランチタイム。ご馳走が回り、笑顔が飛び交う楽しいひと時でした さあ、次の沼を目指して進みましょう。周囲をダケカンバの林が取り囲み、気持ちの良い湿原でした。

 まだまだ沼巡りは続く。

 三角池、これは「さんかくいけ」ではなく、「みすまいけ」と呼ぶのだそうだ。
 形が三角形なのだから「さんかく」でいいと思うのだけど、それじゃあ情緒が無いのかな。

 それから上ノ小池を過ぎ、長池の縁を歩いて信州大学の自然教育園の前で一服。

 天が与えてくれたのか手前に大きな山ブドウの木があった。
 まだちょっと酸っぱかったけど、疲れた身体にはレモンのようにおいしかった。
三角池(みすまいけ)です。池の形が三角のため名付けられたと言うのですが、空から見なきゃ分かりませんよね。
沼と沼をつなぐ山道は、苔むした木々が茂る原生林でした。あちこち奇形に育った?木が目を楽しませてくれました。これは、根上りのカラマツでしょうか。 上ノ小池(うえのこいけ)です。 長池です。この池に並行して信州大学の自然教育園が広がっています。

 下ノ小池を通り、蓮池で休んでいると、なんとなんと早目にバスが迎えに来てくれた。
 予定の場所ではないのに、運転手が我々を見つけて気を利かせてくれたようだ。皆大喜び。
尾瀬にも負けない素晴らしい木道ですね。本当に、ゆっくり、のんびり、楽しく歩ける遊歩道が整備されていました。 下ノ小池(したのこいけ)、ちらりと見て先を急ぎます。でも、紅葉したらすごい景観なのでしょうね。 蓮池、名前の通り初夏にはスイレンやコウホネの花が咲く、勿論蓮も? この日も睡蓮が咲いていました。

 そこから一端バスでサンバレーの駐車場まで移動、丸池はバスからの見学だった。エメラルドグリーに輝くきれいな沼だった。
 サンバレーからまた歩き出し、琵琶池で集合写真を撮り、最後の沼、一沼へと進んだ。

 一沼は、湯田中方面から来て、最初にある湖沼なので、このように呼ばれるのだそうだけど、我々にとっては最後に見る沼だった。
逆回りしてたのかな。でもこれもリーダーの配慮の賜、高い方から低い方へとコースを取ってくれたのだ、嬉しいね。
色づき始めとは言え、もうこんなに紅葉している木もあるのですよ。
我々のトレッキングの締めくくりの沼、一沼です。秋には紅葉がきれいな場所で、アマチュアカメラマンの人気スポットだそうです。 面積は大沼池に次ぐ、周囲2300m、水深21mの志賀高原で2番目に大きな池の琵琶池です。池の周囲は白樺林になっており、蓮池から続くトレッキングコースが素敵です。形が楽器の琵琶に似ているのです

 天気に恵まれ、高原の森と湖沼に癒され、大満足でトレッキングを終えることができた。
 しかしまだ終わりではなく、この後、湯田中温泉の駅にある楓の湯で疲れを取り、冷たいビールで喉を潤しながら和気藹々と談笑しながら帰路に着いた。 長い道中もちっとも苦にならない実に楽しい1日だった。                  おわり