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歩いた距離      :約17Km
累積上昇量      :約1,650m
総所要時間(休憩含):約11H15分
 個人山行紀行文 12.04.30日(月)
曇り
頼母木山
1730m
参加者4名
(男3・女1)

1862 Y/I
≪コースタイム≫
 新潟(3:30)=梅花皮荘(5:30-5:50)…大曲分岐(6:38)…西俣ノ峰(8:07)…枯松峰(9:10)…大ドミ(9:54)…三匹穴(10:20)…
 頼母木山(11:37-昼食-12:41)…頼母木小屋デポ品撤収(13:00-13:23)…頼母木平(13:48)…枯松峰(14:47)…西俣ノ峰
 (15:27)…梅花皮荘(17:05-入浴-18:00)=新潟(20:00)
≪紀行文≫

                                   ~~~~“続” 頼母木山~~~~
 続_頼母木山と言う題名に?と思われるかも知れません。
 何の続編? そうです、個人山行紀行文2012-01-07~08「冬の飯豊」の続編なのです。
 この時の投稿者は1854(M/T)さんでした。「ラストチャンスかもしれないし、冬の飯豊に入ってみないか」と
言う書き出しで、年甲斐もなく真冬の飯豊稜線頼母木山を目指した紀行文でした。
 自分もサポート隊として初日のラッセルを幾分かは手伝わせて貰いました。
 しかし今年の積雪は半端ではなく、枯松峰先のコル(1200m付近)で「勇気ある撤退」をせざるを得なかった
ことを切々たる文章で綴られていました。

 今回、GW前半の天気の良い日に同じコースを歩いて来たのです。
 残雪の飯豊稜線は魅力たっぷりで、一度は歩いてみたいと思っていましたが、目的はもう1つありました。「冬の飯豊」のために昨年の晩秋に
頼母木小屋にデポしておいた荷揚げ品(食糧、燃料、飲物(焼酎))の回収です。
 しかし、天気は良いし雪は適度に締って歩きやすい状態とは言え、いかんせん長丁場、自分は日帰りで頼母木山に届くとは思えませんでした。
 しかも、前日まで奥只見で遊んでいて、その疲労が抜け切れていないのですからなおさらです。

 西俣ノ峰は積雪期の飯豊の定番ルートですが、とにかく登り始めの急なこと。
 岩と雪のミックスした急斜面をアイゼンを付けた足で慎重に登ります。しかし、ここさえ登りきれば、その先は西俣ノ峰、枯松峰と頼母木山に
向かって見通しの良いなだらかな尾根が続いているのです。
 そして圧巻は、すぐ右横に鉾立峰を従えた朳差岳が迫るようにそそり立っていること。
 左奥にはダイグラ尾根から突き上げるようにどっしりと飯豊本山も見えています。
 こんな時に疲れたなどと言っていられません。めったに見られないこの景観は本当に疲れを忘れさせてくれました。
 そして、思いもよらず順調に登り詰め、頼母木山に立てたのでした。
 そこで、景色を見ながら冷たいビールで喉を潤し、ゆっくりとお昼を戴きました。パンとカップラーメンだけなのですが実においしい昼食でした。
写真左「スタート地点の奥川入」
GW前半、鯉幟が泳いでいましたが元気がありません。まあ、曇り空無風は登山にとっては良いことだ。

写真右「デブリ」
雪崩の跡も痛々しく残っています。でも、どことなく芸術的な雰囲気でした。
写真左「朳差岳は指呼の先」
飯豊の冬期間の定番ルート、西俣ノ峰は朳差岳を間近に見ながら登ります。


写真右「飯豊本山大嵓尾根」
昨年の7月、ワルガキ隊(ワルアガキ隊とも言う)は果敢にあの尾根を攻めました。
写真左「雪の道中」
西俣ノ峰を過ぎ枯松峰に向かいます。春の訪れと共に雪は大きく割れてきました。

写真右「頼母木平直下」
ここを登ればもうすぐ頂上です。お腹はすいたがここが頑張りどころ。
写真左「頼母木山頂」
誰も居ない山頂、ここには雪はありませんでした。バックに二王子岳が真っ白く輝いていました。でも、途中2組に追い抜かれていますので我々は3番手です。

写真右「頼母木山頂からの朳差岳」
時間さえあればあそこまで行きたかったのですが、お花の季節までお預けです。

その後少し下り頼母木小屋に入りました。小屋周辺の雪はほとんど溶けていて難なくデポ品を回収することができました。
 残念ながら玉葱は腐っていましたが、他は無傷でしたのでGW後半の谷川岳で使うことにしました。                                お
写真左「頼母木小屋
今日の目的地は山頂ではありません。頼母木小屋に玉手箱があると言うのです。それを求めて頑張りました。


写真右「これが玉手箱」
なんか骨壺に見えますネェ~。でもこの中には命に係わる大切なものがびっしり詰まっているのです。えっ?お酒も命に係わるの?
写真左「二つ峰」
いつ見てもきれいな双耳峰です。今年こそハクサンイチゲの咲き乱れる時期にここで写真を撮りたいと思っています。


写真右「ヤドリギ
皆さん、ヤドリギはあちこちで見ていると思いますが、その生え際はこうなっています。
写真左「イワウチワ」
景色にばかり見とれていてお花の紹介がさっぱりでした。雪が溶けたところにはイワウチワが明るくいっぱい咲いていました。同時にカタクリも咲いていましたが、雪融けとともに一斉に咲くのが微笑ましいですね。

今回、嬉しい誤算で見事に頼母木山に到達でき、デポ品も回収できましたが、曇り空とは言え、1日中雪原を歩いたため急激に日焼けし、
それが火傷にまでなってしまいました。とんだお土産も貰ってしまいましたが嬉しい楽しい雪の飯豊稜線でした。
                                                                           おわり