個人山行紀行文 12.04.19日(日)
晴れ
嵩山(たけやま)
789m
参加者5名
(男性2・女性3)
2070 S/F
≪コースタイム≫
 新潟自宅(6:00)=道の駅たけやま(8:55-9:15)…不動岩(10:30)…子天狗(10:50)…中天狗(11:05)…五郎岩(11:35-11:50)
 …大天狗(12:25)…弥勒穴(12:50)…道の駅たけやま(13:15-14:30)=奥平温泉(15:15-16:15)=新潟自宅(19:30)
≪紀行文≫
                        〜〜まるで宝探しのような、楽しい山歩き、ちょっと危険だけど〜〜
                              ≪嵩山100観音と吾妻百景一の景観を訪ねて≫

 以前テレビ新潟(TeNY)の“山人”と言う番組で観た群馬県の“嵩山(たけやま)”に行ってみたいと言う思いがあり、季節柄と天気予報を鑑みて
予定していた仕事を一日ずらし急遽行くことにした。
 テレビでは2月頃の映像ではあったが、この季節は芝桜が綺麗との情報もあり楽しみにして向かった。
 現地(中之条町、道の駅たけやま)に近付くと前方に一際目立つ山(デコボコした尾根)が目に入る。
 登山口の駐車場で登山準備をしていたところ、リュックを背負った男性が「新潟から来られたのですか」と声を掛けてきた。
 上記の番組クルーをガイドして伊東さんだ。「番組を観て来た」と述べるとガイドをしてくれるとのことでお願いすることにした。 
 番組撮影通り“坂東三十三観音”を中心に嵩山百観音を巡りながら行きましょうとと言うことで登山開始。
一際目立つ山容の嵩山 道の駅たけやま(山の中腹から鯉のぼり) 表登山口近く大ケヤキ(周囲約16m)

 主な登山口は表登山道と東登山道で、山向こうに西登山道がある。我々は表登山道から登り東登山道に降りるルートを選択。
 登山道に入り直ぐ大きな岩(大石)が迎えてくれる。この岩の下に一番観音様が佇んでいた。この頃は未だ今回の登山を甘く診ていた。
 結構急なつづら折りの登山路を登っていくと三番観音様、続いて急斜面を這う様に登ると“蝙蝠穴”があり、その奥に二番観音様。
大石の影に佇む一番観音様 思わず見落としそうな三番観音様 蝙蝠穴の奥に二番観音様
 
 蝙蝠穴に向かう辺りから、なんだか徐々に厳しさが伝わってくる。三十三番まで回れるのだろうかと思い始める。
 急斜面の連続で、ロープ、鎖無しでは登り下りが出来ない。
 中には大きな岩が重なった急坂の隙間(空間)を鎖を便りに入っていくと観音様が三体。そして先に進むと私より太った人は先に進めない
程の細い隙間に突き当たり、何とか通り抜けると“胎内くぐり”の標識があったりする。太った人は今までの急斜面を戻らなくてはならない。
 このようにして、登ったり下ったりを繰り返し観音様探しを続けた。
滑る落ち葉の急斜面を降りる 岩の隙間を登る 岩の隙間の最後は身体を横にしてやっと出た

 そして、この嵩山の名所の一つ“不動岩”の直下に到着。目の前に略垂直に見える大きな岩がそそり立っていた。
 リュックや杖を置き、素手で鎖を握り、岩肌の足場を探りながら不動岩の最高点に達した。
 360土の展望は最高。しかし足場が悪く狭く緊張を強いられる。そして下りは尚更緊張、高所恐怖症の人は足が竦むと思う。
目の前にそそり立つ不動岩 鎖と岩を掴み必死で 正に“行きは良い良い帰りは怖い”

 この後、観音様を探しながら小天狗、天狗の庭(二の丸跡)、御城(みじょう)跡(本丸跡)に、そして最北端の“五郎岩”向かう。
 途中烏帽子岩の懐に抱かれる二十七番の観音様は枝を捕まりながらお参りさせて頂く。
 五郎岩ではこれから登る山頂「大天狗」を眺めながら軽食を頬張る。大天狗の山頂に小さく人が手を振っていた。
御城(みじょう)跡、70数体の観音様 烏帽子岩の懐で二十七番観音様を見つける 五郎岩から観た嵩山山頂(大天狗)

 五郎岩から少し戻ったところに大天狗への入口がある大きな岩場で鎖が40m以上あるとのこと。鎖を掴みながら這い上がると、その上に
お椀を被せたような岩がある。その上が頂上。そこにも2m程の鎖が付いていたが、結構重要な鎖でこれが無いと頂上には立てない。
 物凄く狭い(大人4人は無理)山頂からの展望は最高。
 山頂を後にして下山開始、ガイドの伊東さんから「この嵩山に多くある観音様の中で絶対に観て頂きたい」と言われた弥勒穴(穴観音)に
向かう。弥勒穴周辺は断崖絶壁の岩壁が続き「岩登り禁止」の看板が目につく。細い道を辿り岩壁の下に取り付くと岩肌に十九番観音様。
 その下に鎖が垂れ下がり、登り切ったところから水平に鎖が続いていた。つま先がやっと掛かるような岩棚を水平移動すると洞窟発見。
 弥勒穴だ、その中に二十番観音様(弥勒菩薩)が静かに佇んでおられた。又そこから戻るわけだが気を緩めるわけにはいかない。
 一歩踏み外せば大怪我で済まない、慎重に降りる。
天狗岩の頂上にやっと登る 岩肌の穴の奥に 弥勒穴からの戻りも大変(右上が19番観音)

 その後は穏やかな登山道をゆっくり降りると芝桜が咲き誇る“道の駅たけやま”に出た。
 坂東三十三観音の内、三十二番、三十三番は西登山道の為見れず、二十一〜二十五番は絶壁に見とれて見落としてしまった。
 下山後は名物の“十割蕎麦”を食べ、ガイドの伊東さんからテレビ収録に使ったビデオを観ながら再度解説をして頂いた。
 こんな意外性のある山も珍しい。多少危険性はあるが様々な観音様や変化に富んだ登山路はとても面白いかった。
 来年会山行で計画してみようかな。
 帰りに奥平温泉に立ち寄り、緊張した筋肉と心を解した。                     終わり。
登山路でお会いした観音様(上記以外)の一部です
登山路で見つけた草花(センボンヤリと言う珍しい花にも出会えた)