会山行紀行文 12.10.12(金)〜13(土)
暴風
(なすれんぽう)
那須連峰縦走

最高点1917m(三本槍)
参加者16名
(男4・女12)

(紀行文2137 T/N
(写 真)2070 S/F
≪コースタイム≫
≪12日≫新潟駅(6:00)=那須山麓駅(9:40-9:55)…峠の茶屋(10:10)…峠の茶屋避難小屋(11:00-11:10)…避難小屋(11:30-12:15)…三斗小屋温泉(13:00)
≪13日≫三斗小屋温泉(7:15)…峰の茶屋避難小屋(8:30-8:50)…那須山麓駅(9:30-9:45)=大内宿(11:30-13:00)=新潟駅(15:20)
≪紀行文≫
   〜〜「朝日岳山裾の紅葉」「秘境煙草屋の露天風呂」は感動モノ!!なるも、台風並みの突風により、那須連峰に敗退(涙)〜〜

 磐越自動車道は、快晴の天気予報とは裏腹に、阿賀・県境では暗い雲の中。会津若松でうす曇りに改善するも、車窓から見える磐梯山は厚い雲が垂れこめる。
 会津街道を南下すると、天候は徐々に改善。甲子(かつし)トンネルを抜けると、那須那高原はついに快晴!!!バスの中は、否がおうにも盛り上がる。
 しかし、快晴の那須ロープウェイ山麓駅(1,390m)駐車場手前から、考えられない大渋滞。バスは全く進まない。
 リーダーが駐車場係員に確認すると、「ロープウェイは強風により、運航中止。」。
 確かに登山者は、合羽をフードまでかぶり、強風の中を登っていく。

 係員の気遣い判断もあり、駐車場通路で、急きょ全員下車。ロープウェイ山麓駅に向かう。
 強風の山麓駅では以下の館内放送を繰り返す。「本日山頂駅の風速計が25m/s,を超え、山麓駅でも20mの風が吹いています。運転再開・天候回復の目処は全くつきません。山頂では過去に滑落事故も発生しています。」
バスの車窓から観る茶臼岳(左)と朝日岳(右)はどう見ても登山日和だった… 山麓駅から茶臼山頂(良い天気なのだが)

 峠を越えないと秘境の温泉宿に到着できない私たちは、リーダーの注意を確認し、山麓駅を徒歩で出発。
 那須岳登山指導センターでも那須山岳救助隊が注意を促す。
 「今日は山頂には登らないで下さい。どちらまで?」
 「三斗小屋温泉まで」
 「峠の茶屋避難小屋付近は風の通り道だから充分注意して下さい」救助隊とリーダーの問答が聞こえる。
 リーダーが入山手続きをして登山口から樹林帯に入る。この付近はまだ穏やか。
多くの登山者が登っていく 登山指導センター近くの登山口 登山口から樹林帯に

  風のない樹林帯を抜けると、一挙に風が強まる。

 一方で、眼前の朝日岳(1,816m)から鬼面山(1,616m)に続く尾根山すそは、鮮やかな紅葉。みな溜息をもらす。
樹林帯を抜けると風が強くなってきた 朝日岳の紅葉 朝日岳から鬼面山への稜線の紅葉

 さらに風が強まり、耐風訓練を受ける中で、峠の茶屋跡避難小屋1720mに逃げ込む。

 避難小屋で態勢を立て直し、茶臼岳に希望者のみで向かおうとした瞬間、体を持ち上げられるような突風にあおられる。

 急きょ「茶臼岳・朝日岳の明日持越し」を決定し、お楽しみ秘境三斗小屋温泉煙草屋へ向かう。
暴風の中、峠の茶屋避難小屋に逃げ込む 止むなく三斗小屋温泉に向かう そこに山頂が見えるのに残念

 突風の中、峠から旧会津中街道の登山道を下り始めると、茶臼岳西斜面から姥ヶ平の紅葉が、これまた素晴らしい。またまた参加者の溜息が洩れる。
 風の影響を受けない那須岳避難小屋で昼食。参加者から、紅葉の素晴らしさに賞賛の声が続く。
那須避難小屋での昼食休憩(穏やか) 茶臼岳裾野(姥ヶ平側)の紅葉 登山道(旧会津中街道)の紅葉

 旧会津街道の趣を楽しみながら、延命水・ミズナラ・ダケカンバの美しい紅葉を楽しみつつ、三斗小屋温泉に午後1時過ぎに到着。

 隠居倉に続く登山道を少し登り、源泉地の紅葉や温泉神社参拝を楽しむ。
紅葉の旧会津中街道を進む 途中の延命水で喉を潤す 古を感じさせられる街道と紅葉
三斗小屋温泉“煙草屋” 温泉神社に向かう 隠居倉への登山道から観る紅葉

 そして待望の煙草屋露天風呂。

 結局私は、@昼間の大パノラマ(三倉山1854mに続く流石山1822m大峠山1750m[7月ニッコウキスゲの花畑])、
        A夕暮れの風情ある景色、
        B漆黒の闇の中、満天の星空を若いカップル・男女グループとおじさんグループがともに楽しむ露天風呂、
 と3回3様の気持ちよい露天風呂を楽しむ。
 さらに法師温泉の趣も感じさせるヒノキの内湯は風情たっぷり。人気の秘境温泉を楽しむ。

 午後8時には気持ちよく眠りに就くと、午前3時頃、隣接する部屋の星空に歓声を上げる声に目が覚める。
 ふと隣りの布団をみると、リーダーがヘッドランプで地図を再確認している。
 荒天に伴う大幅な計画変更を余儀なくされたリーダーの大変さを垣間見る中、私は再び爆睡。
煙草屋名物“露天風呂”100%かけ流し。 一人ひとりに朱塗りのお膳が付く 露天風呂の日没(この後、若い女性達が)

 翌朝起きると、どんよりとした曇り空に変わる。小雨も時折ぱらつく中を、計画を大幅変更したうえで出発。

 しかし山の天候変化は速い。那須岳避難小屋に近づくと再び風が強まる。

 峠の茶屋跡避難小屋に向かうと、一挙に暴風圏に突入。峠直前は、ロープの鉄柵をつかみ、風に耐え、誰も前に進めない状況が頻発。
 風の弱まる瞬間に、数歩ずつ前進。まさに人が飛ばされる寸前。やっとのことで、峠の茶屋跡避難小屋に逃げ込む。

 小屋の中は、茶臼岳にも朝日岳にも進めない人で、芋洗い状態。
 「天気予報は全国的に晴れなのに」という別グループ声が上がる中、「那須岳は20回目だが、こんな突風は初めて」と地元の人が説明してくれる。
荒れ狂う峠の茶屋避難小屋付近を登る 漸く峠(後方)を越えて下山する 駐車場が見えてきた(安堵)

 リーダーは、バス運転手と連絡を取るとともに、下山を決断。
 雲がとれることがあっても、風はなかなか収まらないのが、山の天気。極めて妥当な判断。

 同じ楽山会新人から、「安達太良山ゴンドラも運転見合わせ。山頂は台風並みの強風。」とのメールが入り、何処も同じかと思いをはせる。

 山麓駅に事故なく下山でき、安堵感を感じつつ帰路へ。

 途中、道の駅しもごうで新鮮野菜を買って、主婦参加者は大満足。

 更に大内宿の「ねぎそば」に舌鼓を打ち、新潟に戻る。

 リーダーの周到な計画 作成と的確な判断・計画変更に、鮮やかな紅葉と風情ある秘境温泉もあいまって、十分に満足感を感じる山行となりました。
煙草屋旅館玄関で今回唯一の集合写真
大内宿全景 大内宿お土産屋さん ねぎ蕎麦が美味しかった店