会山行紀行文 12.7.31(火)〜8.1(木)
快晴
白馬三山と小蓮華山縦走(上)
(はくばやりがだけ) (しゃくしだけ)

白馬鑓ヶ岳・杓子岳

2901m
 2812m
参加者24名
(男13・女11)

(紀行文2097 T/Y
(写真)2097 T/Y 他
≪コースタイム≫
【7/31】
新潟駅南口(6:05) =猿倉(9:38)・・小日向ノコル(昼食12:19-13:59) ・・サンジロ(13:42)・・白馬鑓温泉小屋(15:19宿泊)
【8/1】
白馬鑓温泉小屋(6:41)・・大出原(9:18)・・稜線分岐(10:00)・・ 白馬鑓ヶ岳(11:03)・・巻道・頂上分岐(12:07)・・杓子岳(12:26-13:04昼食)・・丸山(14:26)・・白馬山荘(14:47宿泊)
【8/2】
白馬山荘(6:26)・・白馬岳(6:45-7:02) ・・三国境(7:36)・・小蓮華山(8:27) ・・船越ノ頭(9:23)・・白馬大池(10:08-11:06昼食)・・乗鞍岳(11:41) ・・天狗原(12:49) ・・栂池ビジターセンター(14:00)・・栂池自然園駅(14:12)〜栂池パノラマウェイ〜栂池高原駅(14:50)・栂の湯(入浴15:00-14:10) =新潟駅南口(19:40)
≪紀行文≫
       〜3日間大快晴の中、憧れの白馬三山・新潟県最高峰の小蓮華山と鑓温泉、満開の花畑・雷鳥に出会う〜

 「白馬」憧れの山の名前で、早く登ってみたい山であった。加えて新潟県で一番高い山の小蓮華山も登れることもうれしい。そして、1週間後に行く五竜岳〜鹿島槍ヶ岳縦走の山々も見れるので、これも楽しみ。

【7/31・1日目】「白馬鑓温泉小屋」(宿泊)
 新潟駅は晴れ、白馬岳も3日間晴れ時々曇りの予報。期待のなか24名を乗せたマイクロバスは新潟駅6時過ぎ出発、高速の関越・北陸道に乗り糸魚川ICから国道148号線に降り、猿倉登山口に到着。標高1,230mなのに暑い。30度近くはあるのではないかと錯覚するほど暑い。日陰に入って登山準備をする。今日の行程は、北アルプス後立山連峰の白馬三山登山前に体を清めるため、白馬鑓温泉小屋まで登り、温泉に入る。

 猿倉から白馬三山へのコースは、本来白馬尻・大雪渓コースが最もポピュラーなコースであるが、今回は猿倉から小日向ノコル経由の白馬鑓温泉小屋コースである。このコースは下山コースに良く使われる。そのせいか、途中下山者によく会った。

 猿倉の登山口は猿倉荘の左側で、標高1250mから登山開始(9:38)。暫く登ると広い林道に出た。それをまた暫く登ると大雪渓コースと白馬鑓温泉コースの分岐があり、広い林道から左に鑓温泉登山道に入る。そこからは林の中の一直線の道で、林道歩きの暑さと違い若干涼しい。
猿倉荘下の駐車場で登山準備 猿倉荘 林道から白馬鑓温泉コース入口

途中、水芭蕉平には葉だけが大きい水芭蕉。中山沢までは少し急な登りがあり、超えたあたりから大きな岩がゴロゴロしている急登になった。このあたりから、綺麗な花が目についてくる。
涼しい林の一直線の道 中山沢からの岩がゴロゴロしている急登 登山道の傍には様々な花が@


 暑いし汗もかき、水がほしい頃に沢の水を皆で飲む。
 湿性の草原が時々あり、いろいろな花が咲き乱れている。

 白馬岳が見え始め一段と高く聳えている。
 漸く、小日向ノコル直下の広い池塘で昼食を取る。

 小日向ノコルを超えると見晴らしがよくなり、前方に白馬三山がはるか聳えていた。
 白馬三山方面は、雪渓のせいか少し雲がかかっているが、それ以外は快晴。
登山道の傍には様々な花がA
沢の水を皆で飲む 広い池塘で昼食 小日向ノコルを越え前方に白馬三山

 ここからは緩い登りの道であるが、滑りやすい石があり、慎重に登る。
 暑いので、残雪がある場所では、タオルに雪を入れ首に巻く人が多い。
 サンジロを過ぎて、後ろを振り向くと、小日向山と超えてきた小日向ノコルが見えた。
登山道の傍には様々な花がB
後方の小日向ノコル方面は快晴 天狗の頭  白馬鑓ヶ岳

 かなり細い道と、ガレバ道、鑓沢を通り、いくつかの雪渓をトラバースして越えていき、白馬鑓温泉小屋直下の雪渓、お湯に洗われ苔むした草付きの斜面を登り、白馬鑓温泉小屋に辿り着いた。

 白馬鑓温泉小屋は、標高2100mの源泉掛け流しの高所温泉・秘湯温泉として知られている山の湯である。ここに1泊できるのである。山旅の楽しい思い出が出来る。
 温泉は、小屋のすぐ裏の岩の裂け目から噴き出している。登ってきたほうへ余ったお湯が流れているがその湯量(毎分760リットル)はかなり多い。小屋の下に露天風呂があり、露天風呂好きな私としては、この上もない楽しみである。

 寝る場所の確保早々に一番で開放感あふれる露天風呂に飛び込む。少し暑いようであるが、入ってしまえば丁度いい。泉質は良い。風呂の縁にあがり、暫く雄大な景色を眺める。まさに豪快な露天風呂である。女性が露天風呂に入れるのは夜7:30〜8:30の間だけである。周りから露天風呂が見えなくなる時間ではあるが、雄大な景色は望めないと思う。

 夕食前に、小屋の中で自己紹介やらの懇親会を行う。楽しいひと時であり、参加者の人柄などがよくわかる。
 翌朝聞いた話であるが、収容人員150人のところ、直前の日曜日は定員をはるかに超える220人が泊ったとのこと。さらに、リーダーの話では2年前の山行が土日になり、布団1枚に2人という狭さだったとのこと。今回リーダーが平日山行にしたのは大ヒットである。今日はゆったりと寝られる。
白馬鑓温泉小屋直下の雪渓を登る 白馬鑓温泉小屋と温泉の沢 露天風呂


【8/1・2日目】「白馬鑓ヶ岳」(2903.1m) 、「杓子岳」 (2812m)
 朝方起きて外へ出る。星が綺麗、明けの明星がミカン茶色に大きく輝いていた。今日も快晴だ。
 4:00頃ご来光を見たいので、出たら地平線は既に明るくなっていた。乙妻山の左からご来光。

 快晴の中白馬鑓温泉小屋を出発し、雪渓の残る谷に沿って登り、「この先滑りやすい岩場・鎖場あり、ストックをたたんで慎重に!!」という看板が露岩帯に針金や鎖場の始まりの場所・途中・最後の場所(下山だとこの場所が始まり)にあり、リーダーからも注意あり、慎重に登る。
乙妻山の左からご来光 雪渓の残る谷に沿って登る 露岩帯に針金や鎖場

 後ろを振りかえれば、東方向の中央に高妻山・乙妻山、左に妙高山・火打山、右に戸隠山が見える。
 南東の方向には、富士山の頭が見えた。

 ジグザグ道を登り、前方を望めば白馬鑓ヶ岳が雄大に聳えている。

 ため息の連続で仰ぐとこれから歩く山稜の一部がぐるっと取り囲んでいる。
 それは穂高の涸沢や木曽駒の千畳敷にも匹敵する迫力のある岩山の景観である。

 大出原に出たが、ここには花畑があり、ハクサンフロウ、ミヤマキンポウゲ等の大群落は、北アルプス全山でも有数のものだそうだ。
登山道の傍には様々な花がC
右側に白馬槍ヶ岳が見えた 大出原花畑から見た妙高山・高妻山・乙妻山 稜線分岐
 ここから急斜面を登り、コマクサ等の花々を左右に見ながら、途中雪田を横切ることもあり、稜線分岐(10:00)に着く。前方に、白馬鑓ヶ岳が見えた。

 ここから、砕石道の急斜面を登り、白馬鑓ヶ岳に到着。3等三角点があるガレた鑓ヶ岳山頂では、360度の展望が楽しめ、南に五竜岳、鹿島槍への縦走路が続く、この五竜岳、鹿島槍縦走は1週間後に登ることになっており、展望で十分堪能した。
 今登ってきた白馬鑓温泉小屋への道も眼下に見える。
前方に白馬鑓ヶ岳 白馬鑓ヶ岳頂上 白馬岳(中央奥)と杓子岳(手前右・巻道も)

 小鑓までは広い尾根道を行き、この辺も花畑が点在し花々が咲き乱れている。 

 杓子岳頂上にいかない巻道があるが、当然山頂目指しガレ場、ざれた場所を歩き、杓子岳に到着。

 登り切ってみると杓子頂上の反対斜面は、スパッと切れ落ちていてうっかりすると滑落しそうで怖い。

 周囲の雄大な山容眺めながら昼食を取る。
登山道の傍には様々な花がD 杓子岳山頂標柱
南の五竜岳、鹿島槍への縦走路 小鑓から急坂 杓子岳頂上

 丸山までは、大きくジグザグに上ったり下ったりする。この辺も高山植物の豊富なところでお花畑が点在している。雪渓が残る場所では涼しい風が舞い上がり、ほっとする。皆は「気持ちいい」「涼しい」の連発。

 途中大雪渓経由で猿倉へ下る道と分岐があり、村営白馬岳頂上宿舎がある。
 さらに20分程緩やかな稜線を歩くと今日宿泊する白馬山荘に到着。

 「レストラン・スカイプラザ白馬」では、生ビールが飲めると事前調査済み。
 5人定員の部屋に4人で寝るというまた結構な部屋割で、早速荷物を置きレストランへ直行。皆で生ビールを飲み白馬三山を登り終えた健闘を祝って乾杯が続く。その後夕食を頂き、外に出て旭岳に落ちる夕日を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごす。
丸山までの花畑(このような花畑が点在) 丸山から見た離山(中央)・頂上宿舎前のテント村と白馬山荘(頂上方面) 「レストラン・スカイプラザ白馬」生ビールで乾杯
白馬槍ヶ岳山頂の集合写真(Nリーダー提供) 杓子岳山頂の集合写真(Nリーダー提供)

〜〜 「白馬三山と小蓮華山縦走(下)」の【8/2・3日目】「白馬岳」(2932.2m)、「小蓮華山」 (2768.9m)に続く。〜〜