個人山行紀行文 11.07.10(日)
晴れ
五頭山大荒川水系
ヒロテ沢
参加者
4名(男4)
1862 Y/ I

≪コースタイム≫
 魚止滝9:10~松平山分岐9:30~入渓9:50~尾根登山道12:30~五ノ峰(12:45-13:45)~赤安山14:35~山の神登山口15:15

 梅雨明け直後の暑い日曜日、ワルガキ隊4名で五頭山の沢に入りました。

 五頭山は標高こそ1000mに満たないとは言え広大な山塊です。そこには数え切れないほどの沢山の沢があります。そして、その大部分はマニアによって遡行されていると聞いていますが、我々はまだまだ初心者の域を脱していませんので、沢に入るとは言っても比較的楽な沢を選んでいます。

 五頭山には、安野川、折居川、大荒川とかいくつかの水系がありますが、会山行で毎年遡行するのは安野川水系の小倉沢です。
 今年も8月7日に予定されています。今日入ったのは、大荒川水系のヒロテ沢でした。自分は一昨年にも来ていますのでこの沢は2回目となります。
歩いた軌跡です。2つ記録されていますが、今回は上のコースでした。

 30度を超す炎天下、山登りにとって尾根歩きはつらいものですが、沢は違います。心地良い清流が足元を流れ、鬱蒼とした森が日差しを遮り、爽やかな風が身体を吹き抜けて行きます。水辺ですので、お花の種類は限られていますが、エゾアジサイやカラマツソウ、ギボウシなどが涼しげに咲いており、目を楽しませてくれました。まさに真夏の別天地でした。 

左)入渓地点はこんな感じです。足を水に入れた途端に心が浮き浮きしてきました。
中)やがてゴルジュ状の場所にさしかかりましたが、明るく開放的ですので緊張感はありません。
右)どんどん進みます。今日は良い天気ですので沢の涼しさを一層身に感じます。夏は沢に限る、尾根を歩く人が可愛そうだなどと冗談も出ます。

 しかし、沢歩きは疲れます。一般登山道の尾根歩きと比べてほぼ倍の時間がかかりますし、身体全体を使う全身運動です。身体のあちこちが悲鳴を上げてきます。それに、通常、沢の末端は水が切れて藪状態になっています。しかも尾根直下は急登です。最後の詰めがそれまでの爽やかさを一変するような、ブッシュに摑まりながらの過酷な登りとなるのです。まあ“人生、楽ありゃ苦もあるさ”ですので仕方ありませんが。それでも尾根に登り上げ、目指す頂きに着いた時にはこの上ない満足感を味わえるのです。今回の頂きは地蔵菩薩の鎮座する五ノ峰・850mでした。

左)この沢の核心部、沢歩きの醍醐味を感じられるポイントです。まずはひと泳ぎで対岸の岩に取付きます。そして滝の横を飛沫を浴びながら攀じ登るのです。
中)そこを上から見たところ。
右)大荒川本流の滝、ここは登りません。この手前から右の支沢に入って行きました。

 ところで、ワルガキ隊などと変な名前の仲間のことですが、年々高齢化していく会にあって、少し悪アガキして、普段と違う山歩きにも挑戦してみようじゃないかと、思い立って始めたお誘い山行の仲間達です。
 勿論、会には魅力いっぱいの沢山の山行計画やトレッキングがあり、楽しく参加させてもらっておりますが、そんな中で少し異端者が居て変な山歩きもやっているのだなと分かれば、ひょっとして次世代を担う若い人も入会してくれるのではないかという期待も含まれているのです。

左)水流の傍らに咲く一輪のエゾアジサイ。アジサイは道中たくさん咲いていました。中には斜面を埋め尽くすように咲く群落もありました。
中)どうですか、白い泡とやわらかい緑が何とも涼しげですね。
右)この滝一見の価値があります。コースではありませんでしたが、わざわざ見に行きました。見に行くだけで、両手両足を突っ張りながら登るスリルを味わいました。
ワルガキ隊、いつまで続くか分かりませんが、今までの足跡は、5月に尾瀬周辺の山2泊3日のテント行、6月には石転び沢・北股岳・梶川尾根日帰り周回、そして3回目がこの五頭山ヒロテ沢でした。

 この後、飯豊本山ダイグラ尾根大周回を予定しております。もし、興味のある方が居られましたら一緒に山歩きしませんか。
   (おわり)



五ノ峰に到着、地蔵菩薩に手を合わせ、道中の無事に感謝しました。)