個人山行紀行文 11.06.19(日)
晴れ
岩登り講習会
in 杉滝岩
参加者
4名(男4)
1862 Y/ I

≪コースタイム≫
 
開会式8:00〜懸垂下降訓練〜お昼(12:00−13:00)〜岩登り訓練〜閉会式15:00

 県山協(新潟県山岳協会)主催の岩登り講習会(研修会)に参加して来ました。
いろんな山岳会から総勢30名程の参加でしたが、我が新潟楽山会からは今年は4名の参加でした。例年、1〜2名でしたから、一挙に増えたことになります。頼もしき限りです。

 この日は、抜けるような青空、今年一番の暑さでした。ギラギラ照りつける太陽をものともせず、大汗かきながら、しっかりと岩登りの技術を身に付けて来ました。
 朝8時の開会式から、1時間のお昼休憩を挟んで午後3時の閉会式まで、正味6時間の岩との格闘は、ちょっぴり怖かったけど、充実した楽しい時間でした。

左)朝の杉滝岩、装備を身に付け集合です。正面がAフェース、右に、Bフェース、一番奥がCフェースです。
中)開会式の模様。さぞかし立派な挨拶や説明があるかと思いましたが、意外にあっさり、これが山男というものなのですね。

右)道路脇の法面での懸垂下降の練習風景。昨年、この講習会ではありませんが、支点が外れて一人落下したのだそうです。万全には万全を期して望みましょう。

 初心者からベテランまでクライミングの技量には幅がありますので、まずはクラス分けをします。1つは、懸垂下降も初めてという全くの初心者、次は、多少経験はあるが基本からしっかり学ぶセミ初心者、もう1つは、基本技術は持っていてさらに磨こうという中級クラスでした。

自分は、杉滝岩の講習会に過去何回か参加してはいましたが、基本からしっかり勉強したかったので、初心者の方に入れてもらいました。楽山会の他の3人も同じクラスでした。指導員の方が言っていましたが、ある程度経験を積み、多少自信が出てきた時が一番危険なのだそうです。岩登りは、一歩間違えば死につながります。装備の確認と基本技術の修得は絶対条件なのです。逆に言えば、基本さえ守れば安全で、楽しく、爽快感を味わえるすばらしいスポーツなのです。

左)懸垂下降を習得した後、いよいよ垂直な岩に取付きます。手前の人、初参加の我が会の人です。すっかり岩に馴染んできました。
中)これはBフェース、中級クラスの人が練習しています。
右)平坦な斜面に這いつくばっているように見えますが、垂直の壁なのですよ。ロープは真っ直ぐ垂れ下がっているのです。

 まずは、道路の法面のセメントで固めた垂直な斜面で懸垂下降の練習です。懸垂下降は大好きで、多少の知識や経験は持っていましたが、忠実に指導員の指示に従います。これが一番大事なことで、技術や道具は日進月歩で進化していますし、指導員によって教えるノウハウが微妙に違っています。新しい技術、人の言うことを真摯に聞き、習得することが安全に楽しむための秘訣なのです。中には、自分の持っている使った事も無い道具を出したり、自分流にやる人もいますが、研修会でこんなことをしてはいけませんね。もし事故が起こったら大変です。

 一通り懸垂下降を習得した後、いよいよ垂直の岩に挑戦です。杉滝岩には、大きく分けて3つのゲレンデがあります。Aフェース、Bフェース、Cフェースと呼んでおり、各フェースにはさまざまなルートがあります。自分等は、一番簡単なCフェースです。そこの3つのルートを使い、交互に練習を積みます。そして、お昼を食べた後、いよいよ佳境に入りました。

左)これもBフェース、何年か前、ここで自分は蝉になってしまったことがあります。今回は時間の関係でパスしました。蝉とは、岩に張り付いたまま動けなくなってしまうことです。
中)Aフェースの超ロング懸垂下降、面白かったよ。この人、我が会のKさんです。
右)この方は女の人、苦労しつつもギブアップせず、遂に登り上げました。上ですごく喜んでいました。自信付いたことでしょう。将来が楽しみです。

 炎天下、垂直の岩を攀じ登り、上でビレイを取ると、やっと安心しますが、同時にすごく咽の渇きを覚えます。すっごく水を飲みたいのですが、手元にはありません。生唾を飲み込んで我慢です。それでも岩の上から見る景色は何にも増して爽快でした。気分最高!そして、次の人が登って来るのを確保します。それが終わって、やっと懸垂下降で降りられます。そして、水にありつけるのです。

 最後に、県山協会長の阿部新一さん(新潟山岳会)のリードでAフェイスを登りました。50メートルのロープをいっぱいに伸ばしたその上からの内の倉湖の眺めの実にきれいだったこと。カメラを持って登らなかったことが悔やまれました。そして、50mを一気に降りる懸垂下降の爽快感、本当に、貴重な体験でした。

会員の皆さん! 来年は是非一緒に参加しましょう。              (おわり)