〜〜予想を超えた祖母山〜〜

GW休暇を利用して九州の山々を歩こうと計画し実行に移すも、登山規制や悪天候により、計画通りにはいかなかった。
今回の紀行文は、その山々の内予想を超える難儀さと面白さを味わった祖母山を紹介します。

さて祖母山ですが、ガイドブックによりますと
“祖母傾国定公園にある主峰で九州百名山の阿蘇山、九重山とはまた違った味わいを持った山で、うっそうと茂った、モミ、アカマツ、ツガ、スズタケの
樹林帯と主稜線の荒々しい岩々とが織り成す名山。また、その深々とした渓谷から流れ出る川に沿った自然観察道の景色も、素晴らしい”とか
“ハイキングレベルから上級者レベルまで多くのコースがある”と掲載されていた。
登山標高差は約1,100m、そこそこ登り甲斐があるものの、ガイドブックや地図から差ほどの厳しさが伝わってこなかった。

尾平登山口の近くにある宿(もみ志や旅館:結構融通が利く良い宿)に前泊し、早朝先ず登山口まで川上渓谷沿いに歩き最初の吊橋で
対岸に渡り、宮原尾根を目指して樹林帯の急登をひたすら登り続ける。
登り初めて間も無く木々の間から山頂や天狗岩が見えてくるも、天狗岩付近の稜線を見上げるとその稜線の荒々しさから、宿で知り合った
他のグループに方が言っていた「逆周りが面白いですよ」が思い出されやや不安が込上げる。
(逆周りの方が良かったかな?)。
結構良かった宿「もみ志や旅館」 川上渓谷を渡るつり橋 2合目付近から観る山頂
基準が良く分からない“○合目表示”でも多少の励みと喘ぎながらも漸く尾根筋の宮原に辿りついた。
宮原からは狭く、背の高い笹や低木で足元が見辛くなった馬の背尾根を歩き、そして結構キツイ。
又不明確な藪道(獣道)があったりする。山頂が近付くと足元がすくむ様な狭い尾根もある。
漸く山頂直下のログハウス風の趣のある「9合目小屋」に到着。ここまでで既に宮原から山頂までの標準時間を経過。
後山頂まで10〜25分と随分アバウトな記載看板あり。
この○合目表示の基準が良く分からない 馬の背付近から観る山頂 9合目にあるその名も「9合目小屋」
小屋で小休止し急斜面で足元がぬかるむ登山路を登ること20分突然山頂に飛び出す。
山頂は風が強く、低木の陰で風を避け昼食をとっていると、多くの登山者は短い滞在時間で下山していく。
さて下山と思うも、天狗ノ別れへの登山路がよく分からない。
地図と磁石で方向を確かめていると、足元の崖から「この上に道がありますか?」との大きな叫び声。
大きな岩に垂らされたロープの下に登るルート探している登山者の声だった。
いきなりの難儀な下りが待ち構えていたのだ。
岩を這い上がってきた登山者から「この先もっと凄いところがありますよ」と脅かし?風の助言で、予定変更で来た道を戻ろうかと弱気な考えが
頭を過ぎるも、それを振り払い予定通り天狗の別れを目指して下山開始。
しかし、鎖やはしご、ロープが北アルプスのような安心感に欠け心もとない。
途中のテラスから見上げながら「ひどい所を降りてしまった」と独り言。
山頂にて いきなり足元が危ない下山路 頂上直下から見上げる山頂
幾つかの鎖場やはしごを使い、また深く足元が見えない藪をかき分けながら漸く天狗岩を見上げる分岐路に到着。
天狗岩のトップに立つ登山者を見るも、我に縁無しと黒金尾根を降りる。
黒金尾根は“栂原生林”で新緑がとても美しかった。
天狗の岩分岐路(ここまで降りれば一安心) 天狗岩の直下にある天狗の岩屋 新緑が美しい黒金尾根
黒金尾根の新緑を楽しみながら急こう配の登山道を降りて行くと、新緑が跳ね返るような川上渓谷に出る。
ここからは勾配も緩くなり新緑と、幾度かの小さな橋を渡り渓谷の左岸や右岸の渓谷美を楽しみながら、登山口を目指す。
途中渓谷で汗ばんだ顔を洗ったが、冷たい水がとても気持ち良かった。
そして、今朝渡った吊り橋が見えてきた。もう登山口まで後僅か。
川上渓谷の上流に降り立つ 渓谷の岩に架かる小さな橋 早朝渡った吊り橋が見えてきた
新緑に恵まれるも意外に花は少なく、僅かにスミレやリンドウ、ツツジが咲いていた。
あまり天気に恵まれず山頂からの眺望は良くなかったが、結構面白い山だった。
新緑に恵まれるも意外に花は少なく、僅かにスミレやリンドウ、ツツジが咲いていた。
あまり天気に恵まれず山頂からの眺望は良くなかったが、結構面白い山だった。   (おわり)
 個人山行紀行文 11.04.30(土)
曇り
祖母山
1,756m
参加者4名
(男1・女3)
2070 S/F
≪コースタイム≫
尾平登山口(5:20)〜吊橋(5:30)〜3合目(6:35)〜宮原(7:45)〜9合目小屋(8:40〜8:50)〜祖母山山頂(9:05〜9:50)
〜天狗岩分岐(11:00)〜黒金尾根〜川上渓谷(13:00)〜吊橋(13:40)〜尾平登山口(13:45)