”こったが山”の近くに建造物が在るのか無いのか、山仲間の間で話題になりました。昨秋、黒又川方面からこったが山に登った人は何も無かったと言い、一方、私を含めて足沢山から建造物が見えたという人がいました。
更に、今年土崩山に登った人から、途中奇妙な建物があったという報告があり、「やっぱり在るんだ」ということで皆さん納得されたようで、建造物論議は一応決着したのですが、報告の場所は足沢山から見えた位置とはかなりずれているので、全く別物の可能性が高いこと、足沢山から見えたものは岩かも知れないという懸念もあり、論議に関係した者としては、はっきり確認しておく義理があると思い行ってみました。
結論は、建造物はありました。それもかなりの規模の建物群がこったが山の直下20〜30m下場の、土崩山に繋がる尾根上にありました。大小合わせて4棟、一番大きい建物は二階建て、一番小さい建物はトイレです。
ただし、全てが朽ち果てていました。こったが山の山頂から建物の方向を見下ろしたら、岩の陰になって建物は見えません。昨秋黒又川からこったが山に登った人が、何も無かったということも頷けました。
足沢山から見えた建造物の位置は、こったが山の末沢川側だったので、末沢川から土崩山を経由して登ることにしました。末沢川沿いの国道252号線は大白川の少し先でゲートが設けられ、冬期間閉鎖中なので、ゲート脇に車を置き、一番最初に末沢川にかかる橋(なかじゅくばし)を渡ったらすぐに右手の斜面に取り付きました。
登り始めは晴れていて、ルンルン気分で歩きましたが、送電線が尾根を横切る少し手前から風が強くなり、あっという間に空が暗くなってミゾレが降ってきました。土崩山の手前からは雪に変わりました。
藪はびしょ濡れで、何度となく毛糸の手袋を絞らなければならない最悪のコンデションになってしまいました。こったが山の手前のピークからは雪が止んでくれ、以降くもり時々みぞれ、帰路は土崩山を越えると間もなく青空になりました。
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ゲートから国道252号線を歩いて一番最初の橋なかじゅくばしを渡ったらすぐに斜面を登り尾根に出て、504m峰を経由して主稜上の674m峰を目指しました。
写真では緩く見えますが、この斜面はかなり急です。
(取り付き点)
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斜面を上がり登り付いた尾根。
空は晴れていて、とても気持ち良く歩けます。少し進むと雪が切れ、藪の尾根になりますが、鮮明な踏み跡があり、藪はさして苦になりません。
しかし、ルンルン気分はそう長くは続きませんでした。まもなく風が強まりミゾレが降ってきました。
(登りあがった尾根)
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雪が降っていて、土崩山の前方は霞んでいます。尾根の藪はびしょ濡れ、ここに来るまでに毛糸の手袋を何度も絞りました。
この先に行こうか戻ろうかしばし思案しました。
〜♪ 行けばあの娘が涙を流す。戻りゃおいらの男がすたる ♪〜
もう開き直って行くことにしました。
(上・土崩山の三角点)
(下・土崩山の先) |
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こったが山直下の尾根上、探し物がありました!。
足沢山から見えたのは、左上部に角が見えている建物です。写真中央の建物は見えませんでした。
手前の小さな建物はトイレです。
(探し物の建造物)
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明るいです。まだ使えそうですが今日は使う必要がありません。
(トイレの中)
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二階建てで、一番大きな建物です。
この建物の右側にも、平屋の建物の壁部分が残っているのが見えます。いずれの建物もブロック造で、梁と屋根組は鉄骨です。
これだけの規模の建物群ですから、きっと人が常駐していたと思われます。たぶんに気象観測所だと思うのですが、そのうち機会があったら地元の人に何だったのか聞いてみようと思います。
(足沢山から見えた建物)
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荒々しい山頂です。岩が風化していてボロボロ崩れます。
風がある日だと登るのは怖いだろうな、と思いました。
(こったが山・山頂部)
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”こったが山”の手前のピークからは雪が止み、周囲が見晴らせるようになりました。360°絶景です。
足元には黒又川第二ダム湖が望めます。遠く日が差している山は越後駒でしょうか?
紅葉の時期は素晴らしいだろうなと思いました。
(こったが山からの眺望)
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帰りも雪やミゾレが降ったり止んだりしていましたが、開き直りと今日の凱歌に足取りが軽く、雪もミゾレも気になりません。
まだ新しい雨具に、藪の汚れが付くことだけが気掛かりでした。
尾根には一面にイワウチワが咲いています。痛々しいですが、踏まずに歩くことは不可能です。
(藪尾根の恵み)
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674m峰に戻ると、空がすっかり晴れ上がりました。
行ってきた土崩山方面の尾根がくっきりと浮き上がっています。周りの景色を見飽きることがなく、降りるのがもったいない気がして、かなり長い時間とどまっていました。 (おわり)
(674m峰から土崩山方面)
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