個人山行紀行文 11.04.04(月)
曇り後晴れ
毛石山・794m 参加者
3名(男2:女1)
1862 Y/I

コースタイム≫
 新潟500615登山口630〜山ノ神(金山神様?)805〜毛石山950〜少し先(お昼 9551050)
 山ノ神12351350登山口1400=新潟1515

       ===========残雪の毛石山===========

 土日の天候が思わしくなく足止めとなっていましたが、何とか快方に向う4日、月曜日に今年初めて川内の山に足を踏み入れて来ました。低山ながらも奥深く、人をあまり寄せ付けない川内山塊、ご多分に漏れず雪はたっぷり残っていました。

チャレンジランド上杉川までは除雪されていましたが、木六山に登る最短ルートの悪場峠への林道はまだ1mくらいの雪に覆われていて全然入ることができません。この分では林道が通れるようになるのは相当遅くなりそうです。

 ただ、今日の目的の山は、自分にとっては始めての毛石山(793.8m)、灰ケ岳(1027.5m)です。憧れの未知の山、いつかはその先の青里岳まで足を伸ばし、五剣谷岳、銀太郎山・・・木六山と周回できたら素晴らしいなと思ってはいますが、寄る年波との競争で見果てぬ夢に終わるのかもしれません。

 毛石山、灰ケ岳へは、夏道もあると聞いていますが、今はまだ全く雪の下です。登山口の道路脇に車を置き、すぐに導水橋(杉川を跨ぐ水路の上を人が歩けるようになっている狭い橋)を渡るのですが、手すりの上まで雪が危なげに残っており、その上を歩くのはヒヤヒヤものでした。

 朝まだ早い時間なので雪は締まっていると思っていましたが、意外にザクザクです。最初からワカン装着で夏道とはそれた尾根に取付きました。
 杉林の急登を抜けると、アップダウンはありますが、展望の良い尾根歩きになりました。まだ芽吹き前のブナやナラの林の中を、ずっと白山を右に見ながら歩いていきます。黄色いマンサクの花だけが彩りを添えておりました。

左:今年は麓にもいつまでもたっぷりの雪が残っています。最初からワカン装着。杉林の急登を登りつめるとマンサク咲くなだらかな尾根道になりました。
中:越後白山の勇姿です。いつも見慣れている白山の裏側です。丸みを帯びた表の姿とは対照的に ピラミダルナ雄雄しい姿でした。
右:ようやく毛石山が見えてきました。その先には大きな双耳方の灰ケ岳、左奥には川内山塊の最深部青里岳が 見えています。気の遠くなるような長い道のり。

 しばらく登ると、前日歩いたのでしょうか、何人かの足跡がくっきり残っておりました。彼らは夏道沿いに尾根まで上がって来たようでした。以降はその足跡に導かれながら歩きましたが、その辺りから雪が固くなり、その足跡のデコボコがひどく煩わしく感じました。ここでワカンをアイゼンに履き替えました。固い雪にアイゼンの爪が小気味良く食い込み快調に歩けました。

左:毛石山直下の鞍部までやって来ました。かなり手強そうな斜面です。武者震いがしてきました。
中:もう一息なのですが、頂上は登り上げた更に先になっています。この斜面、恐いくらいの急斜面なのですよ。
右:時間はまだ10時少し前、灰ケ岳目指して進み始めましたが、行く手の雪面には無数の不気味な割れが見えます。無理は禁物、ここで前進をあきらめました。

それにしても、思いのほか厚い雲が頭上を覆っており、吹く北風も冷たく、まだ春は遠いのかなと感じざるを得ませんでした。
 歩き始めて2時間半ほど、ようやく毛石山直下の鞍部まで来ましたが、見上げる毛石山は見るからに怖そうにそそり立っていました。どこを登れば良いのか、しばし思案でしたが、考えるまでもなく先駆者の足跡を辿るのが賢明の策でした。
 急斜面を登っている途中でそれまで見えなった粟ヶ岳が見え、するどく天を突く一本岳が印象的でしたが、写真を撮る余裕はありません。リズムを崩さぬよう必死に登りました。

左:少し戻り、風の当たらない窪地に陣取って川内山塊の景観を眺めながらお昼にしました。右から青里岳、五剣谷岳、銀太郎山、銀次郎山、七郎平山 が時々射す陽の光で代りばんこに輝いていました。
右:灰ケ岳と青里岳(左奥)のアップ。見果てぬ夢かも知れないけれど、いつか毛石山、青里岳、木六山と周回してみたいな。

 毛石山の頂上は比較的なだらかでした。素晴らしい展望なのですが、残念ながら厚い雲に遮られて光が届きません。ただ雲間から時々射す光で、代りばんこにあちこちのピークが順番に照らされていき、それを山座同定をしながら、興味深く、面白く眺めておりました。

左:帰路になってようやく晴れてきました。ぽかぽかの春の日差しを浴びながらのんびり下りました。北西の方向には仙見川越に越後平野と日本海が広がっていました。
右:北東方向には、権現山、左に菅名山塊、右手遠方には真っ白な飯豊の山並みが光っていました。景色の良い残雪の尾根歩きでした。

 一休みした後、灰ケ岳に向け歩を進めましたが、そこであっと思うような光景が目に入りました。あちこち亀裂の入った雪面が行く手を阻み、トラバースするには右の斜面は急すぎる。尾根筋を慎重に行き、クラックを1箇所乗り越えれば何とかなりそうにも思えましたが無理は禁物、今日はここまでとしました。
 目的の山には届きませんでしたが、納得のいく楽しい雪山歩きでした。            (おわり)