個人山行紀行文 11.01.03日(月)
曇り
粟ヶ岳・1293m 参加者
4人(男)
1862 Y/I

コースタイム≫
 新潟630=加茂水源地除雪端800815〜登山口900〜砥沢のヒュッテ1130〜頂上1240〜砥沢のヒュッテ 13201400〜登山口1540〜除雪端16101630=新潟1800

 皆さん、新年明けましておめでとうございます。
       
 年末年始は大荒れの天気予報でしたが、幸い新潟地方は比較的穏やかに推移しました。そんな穏やかな正月3日、恒例の”粟ヶ岳新年登山”に出かけました。
 自分にとっては5回目ですが、同行の先輩はもう何十年も続けているとのことです。
正月3日に登る所以は、この日が地元の山岳会の新年登山の日だからです。

 ご存知と思いますが、厳冬季の粟は雪の量がすさまじく、大勢でラッセルしないととても登れる山ではありません。地元山岳会を中心に、この日集まった同好の有志が一致協力して頂上を目指すのです。
しかし、頂上まで到達できるのは稀で、ほとんどは砥沢のヒュッテまで届くのが精一杯なのです。そして、知らぬ者同士ですが、一緒にラッセルした仲間としてすぐに打ち解け、呉越同舟、和気藹々と楽しいお昼を頂くのです。
(左)急登を登りきって一休み、眼下には水源池と加茂川が続いていた。
(中)斜めに撮った写真ではありません、ガスの中に浮かぶ冬景色。

(右)稜線を行く一行。頂上は全く見えず、ただひたすら雪を蹴って登って行くのみ。
 ところが今年は、地元の山岳会が何故か来ていませんでした。加茂水源池手前の駐車場(除雪端)には車が10台弱停まっていましたが、少人数のグループや単独行の方ばかりで、三々五々出発して行きました。
 それでも、今年は雪が少なく、前日来のトレースも残っていたためワカンを使うまでもありませんでした。雪道ですので、難儀なことに変わりありませんが、壷足でどんどん登って行きました。
(左)雪の華、枯木に満開の花が咲く。
(中)7合目砥沢のヒュッテに到着。例年に比べ雪は少なく、トレースもあったためここまで壷足で。
(右)僅かに青空が見えましたが、稜線と空の区別がつきません。左側は切れ落ちた崖、上の方に先行
する二人の姿がかろうじて見えます。
 結局、砥沢のヒュッテまで壷足で登ることができました。そうなると欲が出てきます。良し、今年はチャンスだ、頂上まで行こうと言うことになり、小屋からワカンを着け頂上に向いました。ホワイトアウトと言うほどではありませんが、7合目から上はガスが立ち込めていました。

 視界良好とはいきません。先行者のトレースを見失わぬよう慎重に足を運びます。
雪庇も良く見えません。
「左は危険!、できるだけ右を歩け」先輩からの檄が飛びます。

(左)頂上到着、寒くていたたまりません。写真を撮って早々に下山。
(中)頂上稜線の東側は雪庇が続いていました。しかし肉眼でかろうじて見える程度、危ない危ない。
(右)下山途中に一瞬青空が広がり純白の粟ヶ岳が姿を現しました。感激の一瞬でした。
 程なく頂上に到着。雪が少ないせいか、頂上の看板が頭を出していました。それにしても寒い。じっとしておられません。早々に小屋に向って下山です。
 GPSを握り締め、トレースを見極め、慎重に歩きました。時折、スーッと辺りが見えることもあります。すぐ傍に雪庇、気をつけろとお互いに声を掛け合います。
予定より少し時間がかかりましたが、無事小屋に到着。
 長くは休めませんでしたが、暖かいお昼を食べ、その後下山にかかりました。
例年、大賑わいの小屋なのですが、今年は閑散としていました。下山の途中、僅かな時間ですが青空が広がり、今登ってきた粟ヶ岳の勇姿が見えました。今年も、粟に登れたんだという感慨と嬉しさが彷彿と湧いてきました。  (おわり