個人山行紀行文  10.12.18(土)
〜19日(日)
晴れ時々曇り
雲取山(2,017m) メンバー
4人(男2・女2)
2070 S/F

≪コースタイム≫
1217日(金)
 新潟(19:10)=青梅IC(0:05)=お祭り(1:10民宿お祭り山荘泊)
1218日(土)
 お祭り=鴨沢登山口(8:10)〜堂所(9:45)〜七つ石小屋(11:0011:45)〜七つ石山(12:1012:20)〜ヨモギの頭   (13:30)〜小雲取山(14:00)〜雲取山山頂(14:2014:35)〜雲取山荘(15:00)
1219日(日)
 雲取山荘(6:40)〜雲取山山頂(7:157:30)〜三条ダルミ(8:00)〜三条小屋(9:5010:20)〜後山林道終点(10:45) 〜お祭り(12:00)=丹波村温泉(のめこい湯)=青梅IC=新潟(19:30

            〜〜雲上のメリークリスマス〜〜

 友人のKさんとNさんから雲取山登山に関する相談を受け、「それではガイドしましょうか」と急遽計画、経験豊富なTさんをお誘いし、雲取山山行を実行しました。
 高速代金を安くすることと、安全な運転を考え、登山口近くの民宿にムリをお願いし深夜到着で泊めさせて頂きました。ゆっくりと睡眠をとり、朝食を頂き、散らし寿司のお弁当まで作って頂き、挙句の果てに下山口の林道ゲート近くに車を置き、登山口の鴨沢まで送って頂けて、とても親切な宿のご主人に感謝しつつ登山開始。
 鴨沢ルートは緩やかながらも長い登りが続くコースで、堂所付近までは杉林が続き視界は少ない
山梨県丹波村お「祭り」の民宿 鴨沢登山ルートの登山口 堂所を過ぎ、視野が開け休憩
 堂所を過ぎしばらく進むと七つ石小屋への分岐、ここからがやや急登になり、喘ぎながら踏ん張り、そろそろ休憩したいと思い始めるころ、急に小さな七つ石小屋に到着。
 昼食の為に部屋に上がらせて頂きたくお願いすると、一人300円、しかし
暖かいコーヒーやお湯が頂けるのでとても得した良い気分になる小屋です。窓からの富士の眺めも最高です。
「このまま居たいね」との会話をしながら、七つ石山への急登に取り付き、視界が大きく開けると360度の素晴らしい眺望が開ける山頂に到着。
 七つ石山山頂からは、これから登る雲取山山頂が長く開けた尾根の先に観ることが出来ます。
七つ石小屋の窓から見える富士 山頂近くの古いお堂 七つ石山山頂から観る雲取山
 七つ石山の眺望に後ろ髪を引かれつつ、七つ石山を後にし、開けた尾根に出ますと、七つ石山の裾を巻いて登ってくる多くの登山者と出くわし、この季節にしては意外に賑わう登山路になります。
 この尾根筋の登山路は見た目より結構タフな道が山頂まで続き、小雲取山を過ぎると山頂避難小屋が大きく見えてきます。
 小屋に続く最後の斜面を踏ん張って、ひと登りすると綺麗な山頂の避難小屋に到着します。
ヨモギの頭への登り 振り返り観る七つ石山 山頂避難小屋が直ぐそこに
 この一帯が頂上ですが、頂上三角点は小屋の脇を通って北側に回った所にあり、多くの登山者で賑わっていました。
 因みに小屋の北側に東京都の山頂標があり、南側に山梨県の山頂標が立ち、この頂上が県境であることを物語っています。
 山頂で他の登山者と写真を撮り合ったり、遠くに見える富士山を中心に山々に関する談義等で楽しい時間を過ごした後、雲取山荘へ向かいました。
雲取山山頂からみる富士 開けた雲取山山頂 山梨県の山頂標 東京都の山頂標
 雲取山荘への道は山頂北側の急斜面を下りますが、数日前に降ったと思われる雪がアイスバーン状態になり、緊張を強いられる足運びとなりました(アイゼン装着の登山者が多かった)。
 長い緊張の末やっと辿り着いた雲取山荘は、いつ来ても素晴らしい佇まいをみせてくれます。宿泊手続きを済ませ案内された部屋には暖かいコタツがあり、冷え切った手足を暖かく迎えてくれました
 
 夕食間際の17時半頃になって、真っ暗な中をヘッドランプを頼りに辿り着くという無謀なツアー登山の一団を見たとき、計画の重要性を
改めて考えさせられました。
 夕食を終えた後に思いもよらぬスペシャルプランが待っていました。なんと雲取山荘が年に一度だけ開催する”クリスマスパーティー”が用意されていたのです。このパーティーを目的にしたツアーがあるため、この季節には考えられない100人を超える宿泊予約があったほどです。
 宿泊者全員が集まった食堂には、シャンパンにクリスマスケーキ(ポッカさんが町から運んできた)、鶏肉、色取り取りのおつまみ、そして鳴り物定番のクラッカーが揃っていました。
 
 華やかに始まったパーティーは“戦場のメリクリ”ならぬ“雲上のメリークリスマス”となり、大感動の夜でした。

 就寝前に小屋の外から見た関東平野の夜景もとても素晴らしいものでしたが、写せるカメラを持ち合わせていませんでした。
雲取山荘に向かう斜面の雪 やっと辿り着いた雲取山荘 雲上のメリークリスマス
 暖かいコタツに四方から足を入れるように就寝、とても暖かい。翌朝は早出登山者の足音で目が覚め、予定より少々早めの起床。
 朝食後、手際よく登山準備を済ませ、昨日下ってきた急斜面を登り返して、雲海が広がる山頂に再び立ちました。雲海の向こうに見える富士がとても綺麗でした。
 
 名残惜しい気持ちを抑え、下山開始。
下山ルートは三条ダルミ経由、三条の湯を経てお祭りに出る”後山林道”を辿るコースで、
下りと言えどもとても長い下山路や林道歩きが続くタフなコースです。
 三条ダルミまでは樹林帯の急勾配の坂を下りますが、三条ダルミからはとても緩やかな下山路になりますが、とても長い。
 下山途中に”甲斐犬”を連れた猟師さんに出会い、お話しをさせて頂きましたが、単調な下山路で貴重な体験をしました。
早朝の雲取山荘から見た夜明けの空 朝日を受ける山頂避難小屋 下山途中で出会った猟師さんと甲斐犬
 そして、少しづつ勾配を感じながら高度を下げていくと、突然三条沢の渓流に佇む三条の湯(三条小屋)の屋根が見えてきます。
 この三条小屋はとても高い温度の温泉が魅力ですが、渓谷美や紅葉、渓流釣り等が楽しめる素晴らしいところです。(トレッキングで訪れても良いかと思います)


 三条小屋の庭でコーヒーとKさんが持ってこられたケーキを頂き、至福の一時を過ごしました。
三条小屋から後山林道終点までは幅1m程、しかも渓谷側の鋭く切れ落ちた道が続きますが、とても楽しめる道と思います。
 しかし、林道終点から車を置いてあるゲートまでが、ウンザリするくらい長い、とても長い。2日間の疲労が溜まった足には、とても辛い林道歩きになりました。
 
 下山後に立ち寄った山梨県丹波村温泉(のめこい湯)に浸かり、この
2日間を思うと「とても素晴らしい登山ができたな」、と思いました。               (おわり)
三条の湯(三条小屋) 三条の湯を後に後山林道に向かう