個人山行紀行文  10.05.09(日)
晴れ
鳥海山(行者岳)
2159m
メンバー
4名(男3・女1)
1862 Y/I

コースタイム
 (5/8
 新潟20302350長野台付近幕営
(5/9)
 長野台付近
548発−755滝ノ小屋付近−837_1489m付近(朝食)9201049
 ソロバン尾根付近−
1233行者岳下(昼食)13221335ソロバン尾根付近−1358
 1489m付近−1404滝ノ小屋付近(ワイン休憩)14551538長野台付近着
  長野台付近1558−なの花温泉田田(入浴、夕食)−2100新潟

 *総所要時間(休憩含):約9H50分
                   (登り約6H02分、下り約1H25分、大休憩3回約2H23分)

初めての本格的なバックカントリースキーに行って来ました。山スキーの道具は持っていませんので、板やスキー靴を担いでのハイクアップ。標高差1400m位を6時間かけて登ります。
 
登り始めは青空もほんの少し見えていましたが、すごい勢いで雲が押し寄せてきました。本来雄大なはずの鳥海の裾野も、視界は僅か数百メートル、ただ黙々と歩くしかありませんでした。

僅かに青空が見えていたものの、次々に雲が沸き飛び過ぎる。遮るものの無い鳥海の大裾野。 平に見えても結構な標高差なのですよ、この雪原。 這い松に咲いた海老の尻尾

それにしても風が強い。どんどん雲が流れていく。標高を稼ぐにつれ、ザクザクだった雪が、霧氷の張り付いた雪面に変わっていきました。アイスバーンでないことが初心者にとっては唯一の救い。傍らには這い松の葉っぱに成長した海老のしっぽ。それにしても、行けども行けども頂上は見えず。

 苦しい登りがいつまでも続く。お〜〜い! どこまで登るんだ〜〜!
ふと見上げるとなにやら黒い塊、ぼんやりと強風で露出した地肌が見えて来ました。外輪山に着いたぞ~~何故か瞼に熱いものが込み上げて来ました。
 
 晴れていれば、ここから空身で新山に行く予定でした。
しかし、閉ざされた谷と見えないピークに突っ込んでいく勇気も気力も失せていた。強風に吹かれながら、防寒着を着、スキー靴に履き替え、冷たくなったおにぎりを無理やり口に押し込む。しばしの休息の後、足に板を固定した。

スキーは下手でも、登りは任せて。終始トップで先導しました。

外輪山、行者岳下で思わずばんざ〜い!!!足元にはきれいな霧氷が咲いていた。

難関を過ぎ、大斜面を楽しみます。

視界はすこぶる不良。しかも直下はカリカリの急斜面。えっ!!! どうやって降りるの???
しまった!アイゼン付けて1段降りて、そこからスタートすべきだった。後悔してももう遅い。仲間は次々にドロップ、どんどん姿が見えなくなっていきました。
 
もはや躊躇はできない、意を決して飛び込んだ。恐いと思った雪原も想像以上に広い雪原、心配することはありませんでした。無我夢中で滑っているうちに視界も少しづつ広がっていきました。気持ちが良かった。苦労して登った斜面も、滑降だけ取ってみれば一瞬にして飛んでいく。

ワインを飲みながら休んでいますと、後続組みが姿を現わしました。 仕上げはこんなブナ林の中を滑り降ります。ツリーラン? 帰路に付き、後を見たら、何と何と鳥海山が姿を現わした。あの上から滑り降りてきたのだ。

 痛快だった。夏の登り口まで降りて、祝福のワインパーティー。
 ようやく空も少しづつ晴れてきた。
その下は、結構混み合ったブナ林の中のツリーラン。
 緩斜面が幸いし、下手糞でもどうにか通過。フキノトウを採りつつ林道上を滑り、幕営地に無事到着。

 満足のいくバックカントリースキーの初経験でした。
      
おわり)
GPSの軌跡です。赤はハイクアップ、青は滑降の足跡です。