個人山行紀行文  09.04.29(水・祝)〜
          05月1日(金)
至仏山・2228m
平ヶ岳・2140m
景鶴山・2004m
尾瀬を楽しんだ3日間
1861 K/Y

 たまにはのんびり山行をということで、2泊3日で尾瀬の山を歩いてきました。

 一日目は鳩待峠から至仏山に登り、尾根伝いに歩いて大白沢山の鞍部付近のシラビソ林にテントを設営しました。二日目はテントをベースキャンプに平ヶ岳周辺をブラブラ散策することにし、平ヶ岳の先の劔ガ倉山まで行き、帰路は平ヶ岳沢の谷を越えて池ノ岳に続く尾根に上がり、池ノ岳・姫ノ池を経由して平ヶ岳に戻りました。3日目にテントを撤収し、途中カッパ山を往復したり、ゆっくりのんびり歩いて景鶴山を越えて東電小屋に降りました。

<行程>

29日)鳩待峠8:3010:30至仏山→13:35岳ヶ倉山→14:40ススヶ峰→15:25大白沢山鞍部

30日)大白沢山鞍部6:208:20平ヶ岳8:4510:00劔ガ倉山10:3512:15姫ノ池12:55 13:20平ヶ岳→
       15:25
大白沢山鞍部

1日)大白沢山鞍部6:457:05大白沢山→(カッパ山往復1:15)→10:05景鶴山10:3511:00与作岳→
      12:00
東電小屋12:3014:30山ノ鼻15:0016:00鳩待峠

 至仏山はさすが百名山、銀座山、大勢の人が登っていました。スキーヤーとボーダーが8割、単純な登山者は2割といったところでしょうか。スキーで登る人もいるので、トレースはガッチリ締まり、舗装道路のようでした。斜度もありません。スキーで登っている人は別にして、靴で登っている人はほとんどがアイゼンを着けています。中にはスノーシューを着けている人もパラパラ目に付きます。今様の残雪期登山スタイルはこうなのかといささかショックを受けました。

 私は新潟県人らしくゴム長靴です。私のゴム長靴は、ワカンを着ける頻度が多いので、スパイクの無い普通の長靴です。木道コースを外して歩く気などさらさらありませんが、何かのはずみであらぬ所から尾瀬ヶ原に降りてしまった時に供えて長靴にしました。

 前の人を追い越した時に、「見て、長靴だよ」とか「長靴だ」とか言う声が時々聞こえてきました。そうした声を聞くと「これが新潟県人の雪山登山スタイルなんです」と教えてあげました。中には感心して聞いている人もいるので、多少得意になって教えまわりました。

 そんなスタイルはお前を含めて一部の奴らだけだと、はた迷惑に思われる方もおられるかも知れませんが、ワカンやアイゼンを着けたままで脱いだり履いたりできる長靴は、雪山では絶対に有利だと思っています。ワカンを着けて穴ボコにはまった時、ワカンが木の枝にでも絡まると、一人ではにっちもさっちもいかなくなりますが、長靴を脱ぎ、穴に手を突っ込んでワカンを掴めば簡単に引き上げられます。アイゼンやつぼ足の場合でも長靴から足を抜けば、ゴムが自在に変形するので靴を簡単に引き上げられます。雪山は長靴が一番です。

鳩待峠から至仏山へ登る尾根。

舗装道路のようなトレースが付いていました。斜度も緩やかです。
靴で歩いている人は、ほとんどがアイゼンを着けていて、中にはスノーシューを着けている人もいるので、ゴム長靴の私は今様のスタイルにショックを受けました。

至仏山山頂部。

ほとんどの人は陰になって見えていないので、写真で見えている人はさほどではありませんが、山頂は満員状態でした。
至仏山を下り、岳ヶ倉山に向かう尾根。

尾根は広くなだらかです。
ススヶ峰に向かう尾根。                     

尾瀬ヶ原を取り巻く尾根は標高こそ
2000m前後ありますが、広くなだらかな丘の連なりのようです。
ススヶ峰のピークから至仏山方面を振り返りました。
大白沢山の鞍部付近のシラビソ林に設営したテント。

ここで
2泊しました。
テント脇からは、額縁の絵のように至仏山が望めました。
平ヶ岳に向かう尾根。

見る以上に、歩くと気持ちがいいです。

平ヶ岳山頂。

積雪観測用のテレビカメラが設置
されています。
劔ガ倉山。

平ヶ岳までは尾瀬の山、尾根は広くなだらかです。
平ヶ岳を越えると尾根の様相は
一変します。尾根は狭く、峻険になります。

                         

劔ガ倉山山頂から越後三山方面。                 

山頂にはスキーのトレースがありました。丹後山方面から来たトレ−スです。

ほんのわずか制動のタイミングを誤れば、奈落の底に転落する場所です。世の中には考えられないことをする人がいるものです。

姫ノ池です。

一部湿地が出ていました。

大白沢山山頂から、左ススヶ峰、右赤倉岳。

大白沢山は岩山なので、景鶴山方面に縦走する人は大抵登らずに裾を巻いて行きます。登ってみれば山頂は広く、すばらしいところです。  

カッパ山山頂部。

景鶴山に向かう尾根上から見ると、この山頂部の雪原がカッパの頭のお皿のように見えます。                     

なお、「山と高原地図」はカッパ山の位置が違って記載されています。位置は国土地理院の地形図で確認して下さい。

西側からの景鶴山山頂。

東側からの景鶴山山頂。

私が立っている所は山頂より数m
低い場所ですが、畳6畳ほどの平坦地になっています。
与作岳方面から登ってきた人は(それが一般的ですが)私が立っている場所を山頂として帰っていきます。

景鶴山からの尾瀬ヶ原。

尾瀬ヶ原の全貌が見晴らせます。
他の場所から見た尾瀬ヶ原は、下田や上川の山から見下ろす山間の里の風景と同じように見えましたが、景鶴山から見下ろす尾瀬ヶ原
は、まぎれもない尾瀬ヶ原でした。

景鶴山からの平ヶ岳。

景鶴山は途中どこから見てもたいした山には見えませんでした。新潟を代表する山の一つとしては物足りなさを感じていました。

しかし、登ると素晴らしい景観が360度に広がっています景鶴山は見る山ではなく、登ってこその山なのです。

与作岳からの燧ケ岳。

東電小屋近くから至仏山と尾瀬ヶ原。               

川は十分な水量で流れています。尾瀬ヶ原の雪が消えるのも間もなくです。