会山行紀行文 11.07.13日(水)
晴れのち曇り
NO.73
谷川岳・1977m
参加者
27名(男15・女12)
1976 T/K

                     

≪コースタイム≫
 
新潟駅南口600関越道水上ICロープウェイ土合駅845=ロープウェイ天神平駅915〜肩の小屋1135〜トマノ耳1155〜オキの耳(1210-1255)〜肩の小屋1315〜ロープウェイ天神平駅1455=ロープウェイ土合駅1530温泉入浴(1550-1630関越道水上IC新潟駅南口1930

 連日の猛暑の中、朝6時、男性15名女性12名を乗せて駅南を出発。例年ならば梅雨シーズン真っ只中、今年は早々に梅雨明けで今日も快晴、バスは一路谷川岳ふもとのロープウエイ土合駅へと、初心者の私にはビッグネームの山にただただ驚かされるばかり。
 リーダからは「おめさんの足なら大丈夫だわね」と、3年程前に菅名岳を下山中に初めてのかんじきで膝を痛めて以来、ビッグネームの山は初めてなのだ。不安をよそに、リーダからの太鼓判で幾分の不安もどこかへ、ロープウエイがゆっくりと大自然のパノラマを乗せて包み込む様に見せてくれる。
 山は何者をも拒まずに受け入れてくれる懐の深さが魅力の1つであろうか?、「暑いのにご苦労だのう」と苦笑いしながら囁きかけてくるようだ。 

 下界では原発の国有化を検討、菅総理は今後の原発運営に付いて国営化を含め検討する意向を表明したとか、セシュム検出牛、秋田、千葉でも流出等々谷川岳に向かう当日の朝刊の記事である。
 福島第一原発は未だ収束のめども立たず、連日この関連の記事が日本国内だけでなく海外にも”nuclearpawer plant福島第一”として世界に発信し続けられている。

 もうすぐ天神平駅だ、眼前にはなだらかなスロープのスキー場が見える、この地点で標高1300メートルを超えている。山頂までは1977メートルの谷川岳だ、初心者の私にとつては神に近い山、また魔の山としても恐れられている。幸いにして、今回は初心者にも登れる一般コースとのこと、ありがたい。

 進むにつれてどうにも汗がとまらない、もう少し涼風が欲しい。熱波の下界を逃れて来たのだが、だが耳を澄ませば鶯が近くに遠くに、眼を凝らせば雄大な峰峰が迎えてくれている。
 遠くには白くクッキリと残雪が、峰々の上空の白い雲には琵琶奏者の姿が,笙が、竪琴が賑やかな一行だ。須弥山からゆるりゆるりと参らせ候か、衣が流れる幾重にも幾重にも調べと共に、ここは下界と天界の狭間を縫うように歩いてきた。時折鶯のさえずりでわれに返る、一服の清涼剤が元気を取り戻してくれる。

天神尾根の急坂を登る 頂上はまだまだ ひと休み
 途中、体調不良で1名が熊穴沢避難小屋へ、肩ノ小屋手前では残雪があり、ここでは多くの人達が涼を楽しんでいた。我々一行は、思い思いのポーズで楽しむ若者達を横目で見ながら肩ノ小屋へと向かう。
 此処まで来れば涼風で汗もかかず、トマの耳、オキの耳の山頂が見えてきて足が幾分軽くなる、かすかに西黒尾根を歩く人の姿が望まれ、快晴の山々は疲れきった人間達を優しく受け入れてくれている。


肩の小屋はガスの中 オキノ耳到着

 無事トマの耳に。更に進んで、昼食はオキの耳で。他のパーティも加わり狭い山頂は賑やかに、連山に囲まれての昼食は景色を頂きながらの涼味満点、気分満点、来て良かったと思う瞬間だ。その証拠に急に皆さん話しが弾み次から次へと天気良し気温良し風良し眺望格別良し、ひと時の頭を空にしての山登りは変え難い体験だ。

 ここトマの耳とオキの耳とは名前の由来は分からぬが、何ともユーモラスな名前だ。一体誰が、大きなトマの耳で山の憂いを、さらに大きなオキの耳で地上の憂いを聴いてくれそうな、そんな峰々であった。

 名残惜しい峰々とも別れて、やがて下山の時が。
ルートは同じ道を下るも、上空にはいつしか黒い雲が。急がねば、幸い雨に当たらず無事ロープウエイ天神平駅に再びロープウエイの人となり下山。

トマの耳での集合写真 オキの耳での集合写真

 心配していた膝の痛みも無く、次ぎの山行が楽しみだ。今年の父の日に妻から膝のサポーターを、娘からは熊避けの鈴を贈られ、しっかりと身に付けての登山。
 無事に下山できたのはリーダーと皆様のご指導、更には、サポーターと鈴のおかげと感謝している。最後に、一初心者の戯言にお付き合い頂きありがとうございました。 (おわり)