会山行紀行文 10.7.9日(金)
     〜15日(木)
NO.67  
北海道の山旅
参加者14名
(男8・女6)
2077 S/S
≪コースタイム≫
 7月9日 新潟港山ノ下埠頭発10:30 小樽港行   10日 4:30小樽港――6:30倶知安登口――
       12:00羊蹄山――16:00倶知安口――19:30豊糠山荘
   11日  9:00豊糠山荘――10:30北電取水口――13:10幌尻山荘
   12日 4:30幌尻山荘――7:30北カール1800Mピーク――9:30幌尻山荘 
   13日 3:30幌尻山荘――7:20幌尻岳――10:00幌尻山荘――14:00北電取口――18:00カミホロ荘 
   14日 4:20カミホロ荘――4:30望岳台――8:20十勝岳――10:30上フラノ岳――12:40十勝温泉――18:00苫小牧港
        19:30新潟行
   15日  15:30新潟港

【7月9日】
 小樽行の船は静かな海を滑る様に北の大地に向った。私にとっては北海道初山旅で昨夜から興奮気味、霞んで行く新潟の山を船室のガラス越しで見送った。やがて大野リーダーから、「今回は幌尻岳の再挑戦を第一の目標とし、何としても成功したい」と、決意表明があり100名山の中でも難度の高いこの山に挑戦出来てとても楽しみだ。

【10日】 
 薄いガスに覆われた小樽港の早朝は今にも雨が降りそうだ。毎年使用の署寒観光のバスの迎えに皆の安堵感が伝わる。
蝦夷富士羊蹄山、倶知安登山口からいよいよ北海道山登りの開始だ、残念ながら雨具の出発だ。
 9合目までは唐松とダケカンバの樹林帯が続く、小雨の登山にはあまり濡れなくて幸いだ。尾根に上がるとお花畑が広がり、やがて火山特有の石の細いガレ場尾根を周回しながら頂上に到達、風が吹き脱いだ雨具を羽織った。視界は悪い今夜の宿が遠いので急いで下山することに。

倶知安口から小雨のなか出発 羊蹄山登山ルート案内板 倶知安町は雲の中

 バスは途中でスーパーに立ち寄り、明日からの食料買出し後19時半に豊糠山荘到着。小中学廃校跡の再利用理科室が食堂、教員宿舎が寝室だ。明日は本命幌尻岳・・・・・オヤスミ。

冷たい風の羊蹄山頂上到着 豊糠山荘は廃校利用、理科室の食堂

【11日】 
 今日は幌尻山荘までのコース、9時にシャトルバスで向う。1時間程で第二ゲートまで送ってくれた、一般車は第1ゲートまでなので楽チン、気分上々!我々は第二ゲートから荷物とツイデニ人間まで北電取水口まで大サービス!? だれだ昨夜の宿悪口言ってたの!ゴメンナサイ やはり泊まりは地元ですね。

額平川の渡渉開始 15回程の渡渉で幌尻山荘に到着

 そんな訳で林道歩きゼロ、ダム脇額平川沿いに20分程でイヨイヨ沢靴に履き替えて渡渉開始。
リーダを先頭に男性で女性軍をサポート。膝上程の水位、流れが速く冷たい。最初のころは難儀かったがダンダン慣れてきた、2時間半で17回程の渡渉で漸く幌尻山荘に到着。
 緊張感から開放され皆の笑顔がみえる。しかしそんな安堵感を打ち消すように雨が降り始めた。食後の夕闇は雨音と側の濁流が不安をアオル。渡渉不可でも明日は幌尻岳は登る予定、連泊公算大だ。

【12日】 
 4時半の出発は雨の中、樹林帯を一歩一歩高度上げ1時間半程で命の水場暫く行くと尾根に突き上げる、ハエマツの茂間から強風が吹き付ける、2時間半尾根にでた。自分自身支える事が困難だ。この先潅木が消え裸の尾根が続く、リダー判断で引き返す事に!10時過ぎ川状態の登山道を山荘に戻る。他の登山者も引き返したとの事、ずぶ濡れの身体にストーブは有難い。夕方管理人が明日は晴れるよ!この雨音ではニワカニハ信じられない。

翌朝の登山は雨中出発 山荘に戻ると額平川は激流だ ずぶ濡れの衣服を着替える

【13日】   
 まだ暗い山荘に「星空が見える!」との弾んだ声に目が覚める、2時半だ。窓の外に星空が輝く3時半に出発。
ライトに照らされた昨日の山道を頂上に向う。乾いた空気が心地良い。やがて夜が明けスカイブルーの中に戸蔦別岳の稜線が青く輝いて見える。後方遠くトムラウシが、北カール前尾根から幌尻岳の全容が旭に輝く。
 ここからお花畑が続く。エゾコザクラ、ミヤマアズマギク、イワウメ等・・・・・2077m幌尻岳頂上に7時過ぎ到着。
バンザイ・バンザイ!その後老夫婦が上がって来た。この山が25年山暦で100名山達成と持参の書き物で記念写真、皆で拍手で祝う。おめでとう!

北カール尾根行く お花畑から戸蔦別岳の稜線 念願の幌尻岳頂上に全員集合
無事山荘に戻る 激流の渡渉開始 胸迄浸かる水位にアクセン中
 名残惜しむように下山開始。
10時山荘到着。沢の水位も下がり下山可能だが、「腰まで有るから充分に注意」と管理の説明を聞き12時前に渡渉開始する。

 来る時より水位は高く流れも早い。男性軍は自分自身が流されないように慎重に腰上の水を両足で突っ張り、女性軍をサポートしつつ、何回か流されるようになりながら無事北電取水口に到着、車2台が我々を待っていた。

 第一ゲートに待機の我らバスに乗り換え、カミホロ荘へ。久し振りの温泉と料理、達成感で酔いが廻る。おやすみ
幌尻岳ノ花

【14日】    
 最後の山、十勝岳望岳台Pを4時半に出発、避難小屋で朝食。
草木も生えない火山石の尾根を4時間程で頂上に到着。遠く北海道の峰嶺が晴れた空の下に浮かんで居る。これから上富良野岳から十勝温泉までの雄大なパロラマコース。

十勝望岳台口 雪渓残る昭和噴火口付近 十勝岳山頂
下山は上フラノ岳経由 雄大な景色が広がる尾根を行く この尾根の奥に富良野岳が立つ
上フラノ岳頂上で最後の休憩 後ろに十勝岳が最後の姿を見せる 今回最後の山旅も十勝温泉口で終わり

 頂上から一気に下り尾根に出ると右手は荒々しく雄大な黒と茶色の火口群が広がり、左側は緩やかな草原の緑とお花畑が何処までも続く。このコントラストが最高、これこそ北海道の山!、おおいに気に入った。
 13時前に十勝温泉に到着、苦小牧へバス急ぐ。途中土産店により19時半発秋田港経由新潟へ。夕闇の中に汽笛の音が吸い込まれ海面の灯りが流れる。 寂しさと達成感が交差するのは私だけだろうか?
      
【15日】
 13時船中ミーテング開催、各人思い出や感想を出し合った。長くて短い一週間、14人が励ましや協力して喜びや感動を得た、そしてリーダの綿密な計画と実行力に全員感謝を口にしていた。有難うございました。また来年行けたら最高だね!
 船は東港の煙突を横切りながら静かに進む新潟は目の前だ。  (おわり)