会山行紀行文 10.5.13(木)
   〜14(金)
曇り時々晴れ
NO.TL18  
二上山
(ふたかみさん)・274m
大師ヶ岳
(だいしがたけ)・254m
千石城山
(せんごくじょうやま)・757m
参加者24名
(男4・女20)
1866 S/T

 新緑のこの時期にトレッキング山行と観光を組み合わせて、みなさんに富山を満喫して頂こうと考えての企画でしたが、日が近づくに連れて天気予報が怪しくなり、ヤキモキして当日を迎えました。
 案の定、北陸道・上越方面は雨! せっかくの企画なのに、雨は避けられないなぁ、と心配しつつ小杉ICを降りましたが、天気は段々良くなり、時には薄日も射す絶好の行楽日和となってきました。(^。^)

*今回のコース概要は以下の通り。段々良くなる天気と共に、しっかりと楽しんできました。
     (13日) 国宝・瑞龍寺(観光)・・・二上山万葉ライン・・・・二上山(西峰・東峰)・・・・大師ヶ岳・・・・勝興寺(観光)
     (14日) 高岡市万葉歴史館(観光)・・・・千石城山・・・・千石神社(観光)・・・・・大岩山日石寺(観光)

≪行程・コースタイム≫
(13日)新潟駅南口6:10=北陸道=小杉IC9:30=瑞龍寺(10:10-11:00)=万葉ライン=城山(西峰)展望台(11:40-12:25)
     =家持像登山口12:30〜二上山(12:40-12:55)〜家持像13:10=登山口13:20〜休憩所13:40〜大師ヶ岳
     (13:55-14:10)〜登山口14:45=平和の鐘・仏舎利塔(14:50-15:20)=勝興寺(15:30-16:10)=
     氷見市・温泉民宿16:40(泊)
(14日)民宿8:30=高岡市万葉歴史館(9:00-10:00)=小杉IC=立山IC=林道尾根登山口11:50〜展望台12:00〜
     千石城山(12:20-13:20)〜展望台13:35〜ふるさと剱親自然公園登山口14:10=千石神社=大岩山日石寺
     (14:30-15:10)=入浴=新潟駅南口19:40

【13日】

 最初の見学地である国宝・瑞龍寺は、加賀前田藩2代当主・利長公の菩提の為に3代当主・前田利常公が建立したもので、壮大な建物群が禅寺特有のすっきりした配置にあり、山門の前に立てば自ずとその威光に気持が引き締まります。前庭はきれいに手入れされた砂庭、中庭は目にも鮮やかな芝生。その対称的な美しさも素晴らしい!。
 若いお坊さん(住職の息子さん?)が、終始寺の由緒歴史や建物について親切に解り易く案内して下さいました。一同、心洗われる気持で見学させて頂きました。

瑞龍寺。山門から仏殿と法堂を望む。 説明を熱心に聴く善男善女たち。 870mの八丁道を経た前田利長公の墓所。

 次に向かったのは、”万葉のふるさと・二上山万葉ライン”です。
万葉集の代表的歌人である大伴家持が国守(現代の県知事&裁判長&県警本部長)として赴任してきたのは、AD746年、29歳のとき。以後5年間の赴任中に220首の歌を詠んでいます。高岡市には大伴家持&万葉集に関するものが多くありますが、万葉ラインもそのうちの一つです。
 万葉ラインの城山(西峰・女岳)で、眼下に広がる高岡市街地の景色や小矢部川の美しい蛇行を眺めながら、のんびりとランチタイム。丁度、八重桜の散った花ビラが路面に広がって、まるでおとぎの国でご飯を食べているような気分でした。
 ゆっくりとお昼を楽しんだ後は、大伴家持像の所から二上山(東峰・男岳)山頂を往復しました。

城山は美しい八重桜の絨毯でした。 大伴家持像。29歳、かなりのイケメンだったとか。 二上山山頂。

 二上山から下山して、今度は500mほど移動した万葉ライン脇から大師ヶ岳に向かいます。
富山の山岳ガイドブックを探してもなかなか記述の見つからない山ですが、登山道はとても歩きやすく、整然とした竹林の中を緩く上下しています。驚いた事に、竹林の中には大きな筍があちらにもこちらにも! 誰も採取しないんだろうか? ・・・・では、私たちが戴きましょう、思い思いにかなりの筍を採取しました。結局、あまりの重さに新潟までの持ち帰りを諦め、民宿に差し上げましたが・・・・・(-_-;)
 大師ヶ岳山頂からは、富山湾と能登半島の景色を楽しみました。

美しい竹林の道を行く。 獲り放題の筍。 大師ヶ岳山頂。

 二上山と大師ヶ岳を登った後は、やはり万葉ライン脇にある”平和の鐘”と”仏舎利塔”を見学しました。
平和を祈念してインドのネール首相から贈られたという仏舎利が納められている仏舎利塔、また、11.25トンもある平和の鐘は、さすが銅器製造の町・高岡だけの事はあります。この鐘はいつ誰が突いても良いらしい。代わる代わる突いて一汗かきました。

平和の鐘。 ここからの展望もなかなか良い。 仏舎利塔で記念撮影。

 万葉ラインを下ってからは、麓の”勝興寺”見学。
文化財を多く所蔵するという由緒あるお寺ですが、時間も押しており、朝からの盛沢山で皆さんお疲れの様子がありありと・・・・。
勝興寺を見学後は、雨晴海岸を経由して今晩の宿である氷見市の”温泉民宿・なかもり”へ。なんと言っても氷見は魚の宝庫!。「こんな旨い魚は初めでだ!」の声に、段取りしたものとしては一番嬉しい言葉でした。

【14日】
 温泉民宿でゆっくり英気を養って、今日は上市町の山・千石城山に登ります。どうぞ剱岳よ、姿を見せてくれ!
海岸線を走りましたが、パンフレットなどでよく見る”富山湾越しの北ルプス”は曇天の為に見えません。残念!しかし、出発前の雨を心配していた事を思えば、降らないだけいいか。

 今日の最初の行動は、万葉ラインの麓にある”高岡市万葉歴史館”です。奈良時代を思わせる外観の歴史館は、入場料も安く、広々とした庭と落ち着いた建物内部。
 たくさんの万葉集の歌を映像と声で聴かせてくれるし、解説もある。柔らかな大和言葉の歌に暫し浮世を忘れる気持さえします。学芸員の方の説明もあり、たいへんわかり易く、万葉集に関する興味が一気に湧いてくる感じでした。
 庭から出てみると、本館の屋根は屋上庭園となっており、北ルプスを借景にした心憎い造りとなっていました。
「今回の旅行で一番良かったのは?」と参加者の皆さんに聞けば、異口同音に「万葉歴史館!、富山県は素晴らしい。新潟にもこんな文化が欲しい」との答えでした。

 もののふの 八十娘子らが 
       汲みまがふ         
        寺井の上の かたかごの花

            大伴家持 (巻19-4143)

(読み) もののふの やそおとめらがくみまごう てらいのうえの かたかごのはな

(歌意) 大勢の若い娘達がやってきて、入り乱れるように水を汲んでいるが、井戸の傍らに咲くカタクリのうつくしいことよ。
万葉歴史館の正面。 たくさんの歌がありましたが、一番印象的な一首 玄関前の碑文「二上山の賦」

 この後は、上市町の”ふるさと剱親自然公園”(つるぎ-しんしぜんこうえん)に向かいます。
しばらく舗装された林道を走り、登りきった峠からは剱岳や毛勝三山、馬場島方面などが望めますが、残念ながら山頂部には厚い雲がかかり、すっきり!という訳にはいきません。
 この林道の峠でバスを降り、左手から登り始めました。

 曇り空だった空も、だんだん薄日も射してくる塩梅で、これなら山頂からの剱岳方面が見えるかな?と、期待できそうな感じもしてきます。ハイキング程度の山ですので、時々階段もありますが総じて危険個所も無く、大変歩きやすい道が続きます。
”目に青葉”を精一杯感じながら、一汗かいた頃に山頂です。かってはお城があったという山頂広場にはベンチもあり、樹間越しに富山市内や富山湾の海も見えます。
 反対側の北アルプス方面は見通しは申し分ないのですが、残念な事にやはり山頂部を見せてはくれません。

 山頂広場で思い思いに場所を取って、はるか北アルプス方向を眺めながら昼食です。真正面には、一昨年登った剱岳の展望台・中山も見えます。ホントにうららかな穏やかな天気となってきて、いつまでも休んでいたいような気がしてきます。いずれまた、季節を変えて登ってみたいと思ったことでした。
 たっぷりと休んでから、今度は剱親自然公園の方向に下山しました。下山路も、終始なかなか感じのよい道が続いていました。

 下山後は、かって近くに隕鉄が落ちたという”白萩隕鉄の碑”のある”千石神社”に立ち寄り、更に”大岩山日石寺”で不動明王(魔崖仏)を見学して新潟への帰路につきました。

新緑の鮮やかな登山道。 階段もありますが、しっかり整備されています。 山頂からの剱方面。真ん中手前の△が中山。
千石城山、山頂で記念撮影。

 
 今回の山行はトレッキング山行であり、楽山会の山行レベルでは一番緩いレベルの山行です。
 かっては高山も軽々と登ったベテラン会員が、高齢化と共にトレッキングに参加されます。ちなみに、今回の最高齢者は80歳の方でした。
 また、山を始めて間もなくの方の入門編としての参加もあります。
ベテランと新人が一緒になって楽しめるのがトレッキング山行なのです。

 トレッキングは低山が多いので、どうしても時間に余裕ができます。その時間を観光に当てることで、各地の珍しい名所旧跡を訪ねる事が出来るのです。

 今回は、富山県内をたくさん楽しんで頂く事が出来て、皆さんからも感謝され、企画した者としてもたくさんの喜びを頂きました。
 みなさん、ありがとうございました。  (おわり)