会山行紀行文 2008.06.14 NO.37 鬼が面山・浅草岳 断崖絶壁の鬼が面と、花の浅草岳
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浅草岳には5つの登山道があります。即ち、五味沢コース、浅草林道?曽根コース、六十里越トンネ
ルコース、田子倉ダムコース(只見沢)、それと入叶津コースです。

今回は、高橋清太リーダーのお気に入りのコースである六十里越トンネルコースを登り鬼が面山を経由
して浅草岳に至り、田子倉ダムコースを下山するという周回コースの山行でした。

鬼が面山、浅草岳は紅葉の秋も見逃せませんが、6月から初夏にかけてのこの時期も良い季節です。雪
融けを待っていたかのように一斉に咲き誇る早春のお花達に逢える時期なのです。
このコースは、浅草岳
周辺では植生が一番多いとも聞いておりました。
加えて、新潟県側はなだらかな山容をしているにもかか
わらず、
福島県側は切り立った断崖絶壁を呈しており、その景観は目を見張るものがあります。
優美さと
荒々しさを合わせ持つ山、それを味わえるのが今回のコースなのです。

否が応でも期待が膨らむ山行でした。


ところがどうしたことか、六十里越トンネル手前の登山口で仕度をしているとポツリポツリと雨が落ちて
きました。
周囲の山にも低く雲が立ち込め、とても景色を楽しめるような天気ではありませんでした。
天気は良く
なる予報であり、すぐに晴れるとは思うものの、雨具を身に着けての歩き出しになってしまいました。
心なしか、リーダーの歩く速度も速いように思えました。
最初の急登を登れば、その昔、越後魚沼と奥会津を結ぶ街道として使われた六十里峠に出ます。
広くなだらかな歩き易い道でした。

歩く道筋には、霧の中にふわっと浮かび上がるようにアカモノ、ゴゼンタチバナ、ミツバオウレン、
サンカヨウなどのお花が姿を見せ、あの花何て言うのなどと賑やかで楽しい山歩きでした。

緩やかな登山道をどんどん登って行きましたが、天気は一向に晴れる兆しはありませんでした。南岳を
過ぎるとアップダウンもきつくなり、鬼が面山、北岳と続く稜線は、見下ろすのも恐い崖っぷちの道である
はずなのに、見えないせいかちっとも恐怖感が湧いてきません。しかし、雪崩により、ところどころ道が削
られていますので、気を抜くわけにはいきません。

この断崖絶壁の縁を縫うようにつけられた登山道も、お花には事欠きませんでした。サラサドウダンツツジ、
ウラジロヨウラク、シラネアオイ、ハクサンコザクラ、タムシバ、ムシカリ、ツバメオモトなどなど数え
上げたら枚挙にいとまがありません。
ヒメサユリも沢山ありましたが、まだ蕾、晴れれば一斉に咲くのになあと少し残念でした。

ついに、晴れることなく浅草岳に到着しましたが、雨具の心配はもうありません。ザックを降ろし、例によっ
て楽しいお昼になりました。しかし、この時期にしては少し寒く感じました。


小一時間休んだ後、下山に入りましたが、こちらのコースは打って変わって急な坂道でした。
この頃になると、雲も少し薄れて、鬼が面山の荒々しい岩壁も目に飛び込んできました。
そして、降りていく方向には田子倉湖の静かな湖面と前毛猛山がどっしりと見えてきました。

コースタイムは、ほとんど計画通り、全員怪我も無く無事下山することができました。
ちょっぴり心残りはあるものの楽しい1日でした。