会山行紀行文 2008.5.27〜28 NO.32
泉ヶ岳・1175m
金華山・ 445m
新緑の東北・二山の旅
1562 S/E

1日目 

 磐越道も東北道も前日の雨に洗われた青葉が目に優しく、また美しい。北上するにつれその色合いも柔らかくなっていく。田植えの終わった風景もこの時季の風物詩。藤の花が今は見頃。古希を過ぎた今、こうして充実した日々を得ていることに幸せを感じる。

あちらこちらで、会話も弾んで、
3時間半が実に短く感じられた。泉ケ岳駐車場でバスを降りて支度をしていると、林の中から鶯が鳴いてお出迎え。登山開始。道端に大木のサラサドウダンが沢山花をぶら下げトウゴクミツバツツジの赤も緑の林の中でひときわ目立つ。
 『自然の家』の前を通り過ぎると今度は急にハルゼミの大合唱が数秒続いてぴたっとやんだ。小流れを挟んだ林の小道を小学生が元気よく歩きながらこちらに挨拶をしてくれた。
 この山は仙台の人達に大変親しまれているそうだが、私も好きになった。平日のせいか
10人位しか出会わなかったけど、そこが又いい。



ウサギ平は、スキー場開設で林が伐採される前までは山野草の宝庫だったそうだ。幻の沼と言われる岡沼に出る。今は水があるが、だんだん干上がってその姿が消えていく。既に水の中に道があるのが見えた。
  この辺りから石がガタガタした登り道となり、シロバナヤシオが見られるようになった。レンゲツツジも咲いていた。頂上は細長い道のようになっていて、一番奥まで行くと、以前雪で道が通れなくて登れなかった船形山が目の前に鎮座していた。
 頂上で昼食をとったが、山背が吹いて
40分もしたら寒くなってきた。
投宿したホテル浦島荘は、居心地が良かった。

 (ホテル浦嶋荘は新しくてサービスも良かった)



2日目 

 
100l晴れの予報だが、どんよりした空模様。高速と、ところどころに藤の花が見られる山道を抜けて鮎川港へ。72人乗りの連絡船で約20分、ガイドの説明を聞いているうちに金華山島へ。島の裾野には、松くい虫にやられて枯死したと思われる倒木が沢山見られた。この島全域が黄金神社の神域だそうだ。


まず、サルが見下ろしていた。急な坂道を張り切って登っていたら、後ろのほうから「お〜い、長いんだから」という声がかかる。そういえば息が切れそうになっていた。
78分も歩いただろうか、黄金神社御しるしの小さな白木の鳥居があった。3年連続の参拝で大金持ちになるそうな。
 すぐ横に、奥の細道と書かれた柱が立っており、鹿がこちらを見ていた。生まれたてのような小鹿を連れた親鹿もいた。奥の院までかなりの急坂を登る。立派な彫刻を施した神々しい大きな社殿だった。
 昔の人は苦しい事が沢山あったからこんな立派な神社を立てて信仰したのかな? ここで今日の無事をお願いしてから一休み。


  
神社の右手を登っていくとホトトギスが鳴いた。金華山は緩急含めて登りだけの山だった。下草は鹿がきれいに食べ、刈り込まれたばかりのような登山道だった。残っていたのはいずれも棘のあるアザミ、サンショ、ニガイチゴ。それに毒でもあるのかマムシグサ、ウラシマソウ、ヤマシャクヤクが沢山あった。
 また湿地では、かなりの本数のクリンソウの花を見ることができた。これは庚申山以来の御目文字で、感激。桜もケヤキも松も大木は下のほうの幹が鹿にかじられてつるつるになっていた。植えられたばかりの苗木は防鹿ネットが施してあった。

下山時、神社前の土産物屋の所で、不自然な鹿を見た。彼は、チョコレート色のプラスチック製で人間の指先みたいに丸くなった角をつけていた。人を襲わないように人工の角を植えつけられたのかな。可哀相に。